NECは9月15日、スペインの大手通信事業者Telefonica(テレフォニカ)とスペイン、ドイツ、英国、ブラジルにおけるOpen RANのプレ商用実証に合意したことを発表した。NECはこれまで、テレフォニカドイツ、テレフォニカUKとOpen RANの実証を実施してきている。

同合意に基づき、NECはプライムシステムインテグレータとして、テレフォニカグループのスペイン、ドイツ、英国、ブラジルの事業会社と共同でマルチベンダーによるOpen RANソリューションの実証を実施する。2022年には、4カ国合計で800箇所以上に基地局を設置して商用展開を目指す。

  • 今回の合意にあたってコメントを寄せるNEC コーポレート・エグゼクティブ 奥屋滋氏とテレフォニカのCTIO Enrique Blanco氏

今回導入するOpen RANソリューションは、NECの製品とパートナー企業のソフトウェアやハードウェア製品で構成される。ソリューションの一部として、NECの超多素子アンテナ(Massive MIMOアンテナ)を搭載した5G基地局装置の無線機(Radio Unit)することで、同社はネットワークのトラフィック量に応じた通信の大容量化・最適化の実現に貢献する。

さらにNECとテレフォニカは、マドリッドに新設されたテレフォニカテクノロジー・オートメーションラボにおいて、最先端のOpen RAN技術やさまざまなユースケースの検証・導入を共同で行う。ユースケースには、RAN最適化のためのAIを活用したRIC(RAN Intelligent Controller)、SMO(Service Management and Orchestration)に基づくサービスライフサイクルの自動化、テレフォニカのCI/CD (Continuous Integration/ Continuous Deployment)のフレームワークによるテストから展開までの自動化および省電力化が含まれる。

英国に設置されたNECのOpen RANの事業開発拠点(Center of Excellence)では、マルチベンダーエコシステムの統合・検証を進めると共に、革新的なユースケースをテレフォニカと共同で開発していく。