テレビ朝日系ドラマ『刑事7人』シーズン7(毎週水曜21:00~)の最終話が、きょう15日に放送される。

  • 左から倉科カナ、塚本高史=テレビ朝日提供

東山紀之演じる天樹を中心に、海老沢芳樹(田辺誠一)、水田環(倉科カナ)、野々村拓海(白洲迅)、青山新(塚本高史)、片桐正敏(吉田鋼太郎)、そして法医学の権威・堂本俊太郎(北大路欣也)ら7人のスペシャリストが凶悪犯罪や未解決事件に挑む人気シリーズ。

シーズン7の最後に天樹たち専従捜査班が挑むのは、遺体の首筋に人間のものと思しき歯型が残された殺人事件。25年前に起きた“かみつきジャッカル事件”と酷似しており、その事件で当時捜査一課にいた天樹は唯一黒星を喫していた。過去にとらわれている天樹は、かみつきジャッカル事件で逮捕され、出所後清掃会社で働く春日部将司(村井國夫)を疑い執拗に捜査。やがて、天樹の暴走が専従捜査班に再び解散の危機を招いてしまう。

また、今シーズン注目を集めていたのが、ルームシェアから始まり、少しずつ心境の変化が見て取れるようになった環と青山の関係。最終話では男・青山が2人の関係を大きく進展させるべく、意を決してあることを計画するが……。

■東山紀之 コメント

――最終回となる第9話の台本を読んで、どのように感じたか教えてください。

天樹が初めて迷いを抱いて、自分の信念が正しいのかどうかを試されるという、これまでとは違う異質な回ですね。最終回にこういったストーリーがくることで、皆さんの心に残るんじゃないかなと思います。また、複雑な感情を残す回でもあると思いますが、刑事ものは本来、すべてハッピーエンドじゃないと思うんですよ。全ての物語の中に加害者がいて、被害者がいて、亡くなってしまう人もいる。そこに携わる人の思いなどを考えると、決して幸せでは終わらない。そういう意味では、最終話はそういった本質をついた作品になったんじゃないかなと思っています。

――最終話の注目ポイントはどういった点でしょうか?

今回は村井國夫さんと久しぶりにご一緒させていただいたのですが、村井さんの鬼気迫る演技を間近に感じました。村井さん演じる春日部に天樹がどうぶつかっていくかという、そういった面白さを非常に感じましたね。刑事は理論的なものを積み上げていく部分と直観とを組み合わせて立ち向かっていくと思うのですけど、そういった深い部分まで描かれているなと思いました。物語の中で北大路さん演じる堂本に「天樹悠、唯一の弱点は敗北の経験が少ないこと」と言われているように、天樹は唯一の“黒星”を前に迷いも生じてしまうのですけど、そこで人間の弱さを出すところが、今回の面白さなのかなと思います。

――シーズン7では各キャラクターの意外な一面やこれまで知られていなかった一面が描かれていきましたが、特に印象深いエピソードがあったら教えてください。

吉田鋼太郎さん演じる片桐正敏の回(第5話)ですね。娘さんに弱く、デレデレした片桐を演じる鋼太郎さんがとても可愛かったですね。実際に鋼太郎さんも娘さんが生まれて、それとシンクロする部分もありましたし。娘の可愛さとか、心配になる気持ちというのはよくわかるので、あの回はとても好きでした。実際の鋼太郎さんもとても優しい方なので、第5話で見せた姿が本当の鋼太郎さんなんじゃないかなって思いましたね。

――前のシーズン6では、メンバーの中のMVPに倉科カナさんを挙げられていらっしゃいました。シーズン7を振り返って、MVPはどなたでしょうか?

今回もMVPは倉科さんです。こんなむさ苦しいおじさま方の中に1人、本当にいつも凛と咲いている美しい花でいてくれるので。倉科さんの明るさと強さはこのチームには欠かせないもので、彼女がいない時の現場の雰囲気は殺伐としています(笑)。毎年のMVPは、もう倉科さんで決まりですよ。

――最後に視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。

今のこの時代だからこそ、こういう人間ドラマというのは必要だと思っています。なので、僕は皆さんに見ていただけるよう、一生懸命ベストを尽くすことが大事ということを改めて感じ、スタッフ、共演者の英知をお借りして、より良いものを届けていきたいなという気持ちがさらに強くなりました。それを皆さんに見ていただけたら、作っている側としては非常に喜びになりますね。