【フードデリバリー戦国時代】「Uber Eats」「出前館」切り崩す第3勢力は?!『カオスマップ』『比較表』で分析

コロナ禍を契機にフードデリバリー市場の拡大が加速している。2強といえる先行サービスの「出前館」や「Uber Eats(ウーバーイーツ)」が切り開いた市場に、国内外から参入が相次いでいる。2020年以降に参入した「menu(メニュー)」「foodpanda(フードパンダ)」「Wolt(ウォルト)」はテレビCMを展開するなど、サービスの認知拡大を急ぐ。さらに今年6月、米国最大手のフードデリバリーサービス「DoorDash(ドアダッシュ)」が日本に上陸した。戦国時代の様相を呈してきたフードデリバリーのカオスマップを「eコマースコンバージョンラボ」と共同で作成した。市場の現状を分析し、2強に食い込む注目株を探る。

日本能率協会総合研究所は、2019年度に1700億円だったフードデリバリー市場の規模が、2022年度に3300億円、2025年度には4100億円まで拡大すると予測している。コロナ禍で新規利用者が拡大し、その後も利用者が定着して市場拡大が続くと見ている。

2016年に「ウーバーイーツ」が日本に上陸すると、市場に変化が生じてきた。「Uber Eats」は配送員のネットワークを構築し、宅配サービスを自前で提供できない飲食店のメニューも配達できる環境を整備した。取り扱いメニューの幅が広がったことで、ユーザーの利用拡大が加速した。

「出前館」も自前の配送員ネットワークを構築し、新たな参加店舗を獲得。さらにLINEの傘下に入ることで、資本力を増強し、マーケティングを強化している。

<デリバリーとテイクアウトの2本柱で勝負>

楽天グループでは以前から、デリバリーやテイクアウトのサービスを提供してきたが、今年7月にそれらのサービスを子会社のぐるなびに承継し、「楽天ぐるなびデリバリー」「楽天ぐるなびテイクアウト」としてリニューアルしている。

楽天IDでサービスを利用でき、楽天ポイントがたまる強みを生かし、ぐるなびが持つ5万5000店を超える有料加盟店舗を中心に参加店舗を拡大している。

「menu」もテイクアウトとデリバリーサービスを両方提供している点が特徴だ。2020年4月~2022年3月の期間限定で、飲食店が負担する初期費用や販売手数料を無料化して、参加店舗を拡大している。

2021年2月からは、1回の注文で2店舗同時に注文できる「コンボ注文」のサービスを開始した。利用者は送料を安く抑えることができ、「コンボ注文」を受けた配達員は別途150円の報酬を得ることができる。サービス面でも差別化を図っている。

<「1分以内に返答」サービスの質をアピール>

全国6カ所に営業拠点を構え、エリアを熟知したスタッフによる地元密着型のサポート体制を提供する。ユーザー、飲食店、配達パートナーの三方をサポートするライブチャットの返答は「1分以内」を目安にしている。

配達パートナーには登録の前に説明会への参加と適性テストを必須にしており、テスト合格者のみを稼働させるなど、スタッフの質の高さにもこだわっている。

 

<飲食以外の日用品などを強化>

ローソンやツルハドラッグなどと提携し、トイレットペーパーや洗剤、飲料などの日用品の配達に対応している。7月26日からは、日用品を最短30分で配達する「pandamart(パンダマート)」というサービスを神戸市で開始した。自社で仕入れた1500品目の商品をダークストアといわれる配達専門店に保管し、注文に応じて迅速に配達するサービスだ。

フードデリバリーとダークストアを組み合わせた業態も今後、増える可能性がある。

<米国最大手「DoorDash」が上陸>  

「DoorDash」は参加店舗が、自社のウェブサイトやアプリにデリバリー機能を容易に導入できるシステム「Storefront(ストアフロント)」を提供している。参加店舗は自社のチャネルで既存顧客にアプローチでき、さらにリピート促進を図ることが可能。テイクアウトに対応することもできるという。

飲食店目線の仕組みで、参加店舗を拡大していきたい考えだ。

<今後、業界再編の可能性も>

韓国から参入した「FOODNEKO(フードネコ)」は今年4月、「foodpanda」にサービスを統合すると発表した。親会社のM&Aによるサービス統合だ。

今後は国内のフードデリバリー市場でも業界再編が起こり、2~3サービスに集約されていく可能性があるだろう。