IDC Japanは9月1日、国内企業および団体のCIO、IT部門マネージャーまたはそれに準ずる人を対象に実施した、ITインフストラクチャサービスへの投資動向に関する調査結果を発表した。

  • ITインフラ関連サービスの利用にあたりベンダー検討で重視する点(産業分野別、抜粋)(出典:IDC Japan)

ITインフラストラクチャサービスへの支出のうち、2021年度に投資が予定されているテクノロジー領域について尋ねると、サイバーセキュリティが1位、リモートアクセスが2位と産業分野を問わず共通して多かった。一方、製造業における5Gのように特定の産業分野で重視される領域も見られたという。

ITインフラ関連サービスにおけるベンダー選定要因を産業分野別に見ると、多くの産業分野においてサイバーセキュリティの強化が信頼性/可用性や価格と共に重視されている。一方、大規模なITインフラ環境を持つ企業の多い金融、製造、情報サービスでは、プラットフォーム上で標準化、定型化されたas-a-Serviceの形でITインフラを提供する統合プラットフォーム型ITインフラストラクチャを重視するとの回答率が20%を超えた。

クラウドインフラストラクチャの利用理由についても、従業員規模などによって需要の差異が見られ、大企業ではパブリッククラウド、プライベートクラウド共、IoT基盤やHPC基盤のような大容量・高速なデータ伝送や処理を必要とする用途への導入や、海外拠点対応のための利用などを挙げる回答率が高かったという。

IDC Japan ITサービスのシニアマーケットアナリストである吉井 誠一郎氏は、次のように述べている。「サービスベンダーは、新しいテクノロジーや従業員規模/産業分野ごとのニーズの違いを組み込んだ上で標準化したサービスメニューの設計に注力し、迅速かつ効率的なITインフラストラクチャの提供を目指すべきである」