田中邦衛「これは今の君に送ります」…中嶋朋子 多感な時期を過ごした「北の国から」出演時のエピソード
住吉美紀がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの生ワイド番組「Blue Ocean」。“頑張るプロフェッショナルの女性の素顔に迫る”をテーマに、各界で活躍されている素敵な女性をゲストに迎えて話を伺うコーナー「Blue Ocean Professional supported by あきゅらいず」。8月30日(月)放送のゲストは、女優・中嶋朋子さん。今回の放送では、9月1日(水)に発売されるエッセイ「めざめの森を めぐる言葉 Sleeping Giant」(講談社)について語ってくれました。

(左から)住吉美紀、中嶋朋子さん

「北の国から」(フジテレビ系)の黒板蛍役で注目を集め、ドラマ、舞台、映画、ナレーターと多方面で活躍する中嶋さん。これまでにエランドール賞、ブルーリボン賞助演女優賞といった数々の賞を受賞されています。

◆中嶋朋子にとっての“言葉”とは?

住吉:本日メインでお話を伺いたいのは、文章のことです。「めざめの森を めぐる言葉 Sleeping Giant」(講談社)というエッセイを発売されるそうですね。タイトルの意味を教えていただけますか?

中嶋:私は言葉が好きなので、ノートに言葉を書きとめたりしているんです。言葉って、人生の絶妙なタイミングでやってきたりしませんか?

住吉:私も言葉を仕事にしているので、言葉に対してすごく敏感です。勝手に「来た! この言葉」と、かみしめたりするのですが、みんなもそうなのかな?

中嶋:あるある。ちょっと目にした看板や、電車のなかで小耳にはさんだフレーズ、子どもがかけてくれた言葉……そういった言葉が、そっと背中を押してくれたりします。

あるいは、ポジティブな言葉だけではなく、ネガティブな言葉でも、きちんと立ち止まらせてくれる力を持っていたり。尊さを感じる言葉をノートに書きとめて、ああでもない、こうでもない……と考えながら文章にしています(笑)。

住吉:「めざめの森を めぐる言葉」には、“言葉がめざめを与えてくれる”という思いが込められているのですか?

中嶋:そうですね。このエッセイは、雑誌「クロワッサン」(マガジンハウス)で3年ほど連載させていただいたものなんですね。そのときのタイトルが「眠れる巨人」だったので、「Sleeping Giant」という言葉を書籍に入れました。

自分の奥底には、これから目覚めてくれる大いなる存在がいるはず。その巨人が起きるために、言葉は降り注いでくれているんじゃないかな……と思っています。

住吉:すごく素敵な感覚だなと思いました。

◆言葉に対する感受性を育てた“女優の仕事”

住吉:「北の国から」をはじめ、小さい頃から脚本や台本といった、人が書いた言葉を自分の体を通して表現しなければならないお仕事をされていますよね。“言葉の感覚”を育てる影響は、その経験からも受けていますよね?

中嶋:はい。たとえば、セリフなら「どういう気持ちで言っているのか?」を考えます。言葉の上っ面だけではなくて、どのシーンからやってきたものなのかを考えなきゃいけない。あるいは、相手役のどの言葉に引っかかって、このセリフが出てきたのかを考えます。それが自分のお仕事なので。それをずっとやっていると、人生のなかでも考えることが癖になってしまいました(笑)。

住吉:ええっ!? じゃあ、日常でも自分の発する言葉をすごく意識しているのですか?

中嶋:気にし過ぎてしまって、自分の気持ちをきちんと言えなくなった時期もありました。でも、「それもおかしいでしょ」と思って。何かを言いたいときは「どうしてその言葉を言いたいのかな?」ってことも踏まえて、言葉に責任を持って相手に伝えます。

住吉:すごい。ご家族とか息子さんとの会話も、他の書き手の方とは、ちょっと違う感じがします。

中嶋:面倒くさいかもね(笑)。でも、私と息子はかなり近い性格だと思います。現在は母と同居しているのですが、(私が何かを言うと)「そうなの~」って言ってフワッと流します。それがちょうどよくって(笑)。

◆多感な時期にもらった“田中邦衛からの言葉”

住吉:中嶋さんがキャリアのなかで、ターニングポイントだなと感じた時期はありましたか?

中嶋:芸歴が長いのでいっぱいあります(笑)。本にも少し書かせていただいたんですけど、「北の国から」の田中邦衛さんとは8歳ぐらいからずっとご一緒していましたし、“仕事仲間”という感じでお付き合いさせていただいていました。(田中さんは)子どもの私にも、敬意を払ってくださっていたんですよ。

住吉:へええ!

中嶋:すごく素敵な方です。ちょうど変化を迎えるような18歳くらいの頃に、田中さんが詩をプレゼントしてくださったんです。ロケに出かけるほんの数秒前くらいの間に、台本をバッとちぎって、走り書きをされて。

住吉:ご本人が書かれたんですか!?

中嶋:そうなんです。「これは今の君に送ります」と言ってくださいました。大人で、しかも大先輩である田中さんが、“私”という存在をしっかりと見てくださっていたんですね。人間として、きちんと向き合ってくださっているなと感じて、「もうちょっと頑張ろう」という気持ちになりました。

住吉:どんな詩だったのでしょうか?

中嶋:それはちょっと……内緒です(笑)。

住吉:そうですよね。当時の自分にとって受け止めるべき、あるいは何かのヒントになる言葉だったということでしょうか?

中嶋:そうですね。

住吉:素敵ですね!

◆中嶋朋子が“いつも思っている言葉”とは?

住吉:ラジオを聴いてくれている方々に向けて、今思い浮かんだ言葉や、気に入っている言葉を伝えていただくことは可能ですか? もしかしたら「この言葉ってギフトかも?」と感じていただける方がいるかも……と、ひらめいてしまいました。

中嶋:いつも思っている言葉があります。

「探したら、それは初めからそこにあった」

私が大好きな(ドイツの作家)ミヒャエル・エンデさんの「はてしない物語」(岩波書店)に書かれている言葉です。「すべての出来事は、自分が求めているからそこに現れるんだよ。君が探したから、そこにやってくるんだよ」ということを言っています。

住吉:素敵な言葉。かみ締めます。そして、その言葉を知った方々の胸に何が湧き起こるのか……。それが楽しみです。

<番組概要>

番組名:Blue Ocean

放送日時:毎週月~金曜9:00~11:00

パーソナリティ:住吉美紀

番組Webサイト: http://www.tfm.co.jp/bo/

特設サイト: https://www.tfm.co.jp/bo/aky/