「ゲタを極める!」トヨタ商用車連合に軽自動車2社が参画

「(軽自動車という)ゲタ代わりのポジションを極める」とのスズキ社長・鈴木俊宏氏の宣言。同社は国内の軽自動車で熾烈な競争を繰り広げるダイハツ工業とトヨタ自動車が音頭をとる商用車連合に資本参加する。

 3月にトヨタが日野自動車やいすゞ自動車と設立した新会社「CJPT」に対し、スズキとダイハツがトヨタの発行済み株式を10%ずつ譲り受ける。ここでもトヨタが両社を仲間に引き入れる触媒役を担った。

 かねてより社長の豊田章男氏が「輸送の現場で困っている人たちの仕事をもっと楽にしたい」という課題認識を持っていた。そこで軽商用車を手掛ける両社に声をかけた。2社が参画することで、物流に使用される軽商用車から大型トラックまでの車両と物流の課題に一気通貫で取り組むことが可能になる。

 日本の物流事業者は6万社あり、そのうち大型車に関しては、日野といすゞが組むことでユーザーの8割をカバー。しかし、従業員20人以下の小規模事業者は70%。物流の大動脈に当たる大型車では荷物の配送状況や最適ルートの検索などでコネクテッド化が進んでいるが、小口配送などのラストワンマイルを担う軽商用車のドライバーは依然として「紙やベテランの技に頼っている」(鈴木氏)状況だ。

 軽自動車は商用車全体の58%を占めており、法人だけでなく個人ユーザーも多い。しかも、自動車保有台数7800万台のうち軽自動車は3100万台。そのうち軽商用車は800万台を占める。物流会社関係者は「住宅が密集し、狭い道路を走行する際に小回りが利く軽商用車は最も有効な手段」と話す。

 今回のプロジェクトは大型トラックから軽商用車までをデジタルでつなぐことが狙いだ。

 さらに軽自動車で培われたダイハツの「1ミリ、1グラム、1円にこだわる」(社長の奥平総一郎氏)技術とスズキの「小少軽短美(小さく、少なく、 軽く、短く、美しく)」(鈴木氏)のノウハウを活用して先進安全技術や電動化の低価格化を目指す。

 ただ、電動化に対しては「各社の競争領域」(関係者)にも当たるため、今後の検討課題だ。スズキでは鈴木修氏が6月に相談役に退いた。「軽自動車は芸術品」と語った修氏の言葉を守り抜く意味でも、日本の軽自動車の在り方が問われていく。

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