清原果耶主演のNHKの連続テレビ小説『おかえりモネ』(総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)で、車椅子マラソンの選手・鮫島祐希を演じている振付師でダンサーの菅原小春が熱い。SNSでは「演技もすごいし肉体美!」「役にぴったり!」と反響を呼び、関西弁の台詞も関西人から称賛の声があがっている。ドラマ出演は大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』(19)以来となった菅原。鮫島役のキャスティング理由について、制作統括の吉永証チーフプロデューサーは「アスリートに見える説得力」だと語った。

  • 『おかえりモネ』で車椅子マラソンの選手・鮫島祐希を演じている菅原小春

車椅子マラソンの選手である鮫島は、世界的な大会の選考会で、熱中症になって代表を逃したという過去を持つ。次の大会には何が何でも出場したいと、闘志を燃やす鮫島は、モネこと永浦百音(清原)が勤める気象情報会社“ウェザーエキスパーツ”を訪れ、競技日の気象情報や自身のコンディショニングなどのサポートを求める。百音は、この出会いから、スポーツ気象という新しい分野の仕事に関わっていく。

吉永プロデューサーは、スポーツ気象をフィーチャーした理由をこう語った。「今後、気象がいろいろな分野に関わっていきますが、取材をしていくうちに、気象がスポーツにもいろんな形で活かされていることを知りました。最初の11週ではテレビで気象情報を伝えるという、皆さんがよく知ってらっしゃることを紹介しましたが、12週からは、あまり一般的に知られてないスポーツ気象を扱うことで、また新しい側面が見えてくるんじゃないかと思いました」

車椅子マラソンを取り上げた理由については「スポーツ気象というものを扱ううえで、どういったスポーツがいいのかといろいろ考えました。脚本の安達奈緒子さんとも話をするなかで、やはり走る系統のスポーツのほうが、天気に左右されやすいのではないかとなり、暑い中で走る車椅子マラソンの選手の話にしました」と語った。

女優としての菅原といえば、『いだてん』で日本人女性初のメダリストとなった人見絹枝役に扮し、演技初挑戦ながら強烈な爪痕を残したのが記憶に新しいところで、SNSでも『いだてん』の名場面を振り返る声も多かった。

菅原は、当時のインタビューで「ダンスは大好きすぎて、常に面白くないから、大好きすぎて大嫌いというか、辛いんです。でも、お芝居は自分の畑じゃないので、その分、面白がれる余裕があります。悪く聞こえるかもしれませんが、抜きがある分、リラックスしてやれます」という感想を述べていた。

『いだてん』で菅原出演の回を演出した大根仁監督は、彼女の演技について「自分でも撮ったことのない、見たこともない芝居ばかりだったので驚きました。この回が放送されたら、きっとまた女優のオファーがきますよ」とラブコールを送っていた。そして、『おかえりモネ』で再び女優として起用された。

菅原は「女優が本業の方は、すばらしいプロフェッショナルな方だと思っています」とリスペクトしたうえで「だから、今後、私がやれるとしたら、自分が共鳴できる人見さんみたいな役に出会えた時なのかなと。そしたら、また私の体と心を通してチャレンジしたいです」と言っていた。まさに今回の鮫島役が、そのチャレンジに値する役だったのではないか。