伊藤万理華が女子高生役で主演に抜擢、共演・金子大地と語る学生時代「スクールカーストは中の下(笑)」

元乃木坂46で現在俳優、クリエイターとして幅広く活躍する伊藤万理華が主演を務める青春映画『サマーフィルムにのって』(8月6日公開)。公開前から、期待の声が続々と上がっている。共演するのはドラマ『おっさんずラブ』(EX)で大きな話題になった俳優金子大地。今回2人に、映画の撮影秘話や、俳優としての役作りなどについて話を聞いた。

【写真】映画『サマーフィルムにのって』で共演・伊藤万理華と金子大地

――映画『サマーフィルムにのって』は、恋と友情に加え、時代劇、SF、全ての要素がシンクロする学校が舞台の青春映画です。劇中でも触れられていましたが、学校にはいわゆるスクールカーストというものがありますが、お2人の中高時代はいかがでしたか!?

伊藤 私は 中の下です(笑)。イケてるグループには入れなくて。ただ、友達には恵まれていたので、自分たちの教室を抜け出して、空いている教室へ行って、バカ騒ぎをしていました。演劇のようなことをしたり。

金子 僕はどちらかというと上の方だったかもしれないです(笑)。

伊藤 私とは交わらないですね(笑)。

金子 でも、そういう人たちって熱中するものがないんじゃないかと思っていて。上京してから痛感したのは、東京って何かに熱中している人たちがたくさんいますよね。例えばですが、教室の隅で一人で本を読んでいた人が上京すると、東京では共通言語を持っている人たちと何かをやり始めることが出来たり。自分の好きなことに熱中できることって、一番素敵なことだと思うんです。クラスのカーストなんて無意味だなって、上京してから痛感しました。あの時、もっと映画を観ておけばよかった、もっと本を読んでおけばよかった。そんな後悔ばかりしています。この映画は、まさにクラスの隅にいた高校生がエネルギーを発散させるストーリーです。

――では、それぞれが演じた役の説明をお願いします。

伊藤 私が演じるハダシは高校の映画部の時代劇オタクです。映画部では落ちこぼれですが、ビート板(河合優実)、ブルーハワイ(祷キララ)という友達と過ごす時間によって自分の気持ちを保っている、そんな子です。

金子 僕が演じる凛太郎は、とにかく映画が大好きで、真っすぐな少年です。

――脚本をもらっての感想は?

伊藤 私の中にもある高校時代の淡い思い出がちょっと思い出される感覚に陥りました。SF、青春、恋愛……いろんな要素が詰め込まれているけど、それらがシンプルにまとまっていて、すごいと思いました。

金子 脚本を書かれた三浦直之さんが主宰している劇団ロロの作品を観たことがあったこともあり、三浦さんらしいなと思いました。ロマンチックで、余白があって。観る人によって感じ方が違うんだろうなと。

――撮影に入る前、松本壮史監督とお話をされたんですよね。

伊藤 お話を聞いたのは2年前でした。題材も決まっていて、ハダシが時代劇ヲタクなので、観ておいてほしいリストをいただきました。他には、特に要望はありませんでした。

金子 僕には、「真っすぐに、爽やかに演じてほしい」と言っていただきました。

――お互いの第一印象は?

伊藤 シャイだなーって思いました。

金子 同じく、シャイだなーって思いました(笑)。

伊藤 顔合わせ、本読みがあって、すぐ殺陣の稽古が始まったんですけど、そこでコミュニケーションが取れていたかというと、そんなことはなくて。撮影の中盤からやっと話せるようになりました。

金子 僕も自分から話しかけるようにしました。「このままだと良くない!」と思って。

伊藤 してた?(疑惑の目)

金子 してたよ! 好きなアニメの話とか。『進撃の巨人』がいいとか。

伊藤 あぁ、映画館のシーンでした。それまではお互いに探っていました。

――新型コロナウイルスの影響で、撮影が中断したそうですね。

金子 そうなんです。3か月空きました。

伊藤 去年の3月、4月と撮影していて、再開したのが7月でした。撮影も残すところ5日間というところで止まってしまって。

――去年の春頃はエンターテインメントが止まっていた時期でしたよね。ステイホームが叫ばれる中、ご自宅でどんなことを考えていましたか?

金子 映画を観るなどしていましたが、充電したエネルギーを発散する矛先がなかった。それがもどかしかったです。当たり前だった世界ががらっと変わってしまって、人と会うことすらできない状況になるなんて、思ってもいませんでした。当たり前のことにありがたみを感じながら、地に足をつけて役者として生きていかないとって思いました。

伊藤 何もできない自分がつらかったです。でも、そんな中、何かを作って発信している方もいらっしゃいました。配信されていた舞台を観た時に、すごく元気をもらいました。「あっ、これが自分のやっているお仕事なんだ」って思えて。そこで、突き動かされるように自分も何かしなくちゃって感じて、どんな状況でも何かを作り続けないといけないんだなって思いました。

――印象的なシーンは?

伊藤 印象的なシーンしかないんですけど(笑)、やっぱり秘密基地かな。ワゴン車の中に映画部の仲間が秘密の空間を作るんですけど、ああいう場所にすごく憧れを持ちます。私はそっち側の人間だから。ハダシは作れちゃうけど、私は作れない。好きなものに囲まれて、気の合う仲間としゃべって、帰宅する。なんて幸せなんだろうって。

――伊藤さんにとっては、高校時代の「空いている教室」がワゴン車だったのかもしれません。

伊藤 そうかもしれません。そうか、同じことをやろうとしていたんだな、高校時代の私は。

金子 僕もひとつに絞るのは難しいですが、ラストカットの伊藤さんの表情は素敵だなと思います。あの表情は伊藤さんにしか出せないものです。この作品に余韻を作っていますよね。

――そのラストシーンですが、ネタバレしないように魅力を説明すると?

伊藤 カッコいい場面を最後に残したという感じです。映画への熱量、凛太郎への熱量が覚醒する瞬間です。少年漫画的といいますか、ハダシの少年的な面が出ています。

――最後に一言お願いします。

金子 こんな時期だからこそ、この映画を観て発散してほしいなと思います。

伊藤 好きなものに熱中する尊さを、ぜひ劇場でご覧になっていただけたらと思います!

▽伊藤万理華

▽金子大地

【あわせて読む】生駒里奈がステイホーム中に考えたこと「仕事を休んだら消えてしまうんじゃないかという恐怖があった」