IDC Japanは8月3日、量子コンピューティングへの投資は今後24カ月間で増加する見通しだという調査結果を発表した。

最新の調査結果によると、量子コンピューティングに年間IT予算の17%以上を投入する企業の割合は、2021年の7%から、2023年には19%に増加すると予測され、量子コンピューティング技術の利用によるAI機能の強化、セキュリティの向上、アルゴリズムの最適化を通じて、ビジネスプロセスを改善・加速し、競争優位性を確立したい企業が、投資の牽引役となる見込みだという。

2021年初頭、量子コンピューティング技術に関心のある企業のうち5分の1がこの技術を現在使用していると回答し、3分の2が今後18~24か月以内に検証を開始する予定だと回答。 このような変化は、量子コンピューティング用のハードウェアおよびソフトウェアへのアクセスを提供するインフラへのグローバルなクラウドサービスプロバイダーの投資、量子計算のスペシャリストの雇用や開発者の育成、新しいビジネスソリューションの開発を目的とする量子コンピューティングベンダーとの協業によってもたらされるという。

「量子コンピューティングは未来の産業であり、大量のデータ、AI、機械学習を利用してリアルタイムのビジネスインテリジェンスを加速させ、製品開発にイノベーションを起こすことを望んでいる企業にとって、破壊的な変化をもたらすインフラストラクチャです。さまざまな業種のさまざまな企業が、今後の競争優位性を獲得するために、現在すでに量子コンピューティングの可能性を探るため検証を進めています」と、米国IDC Infrastructure Systems, Platforms, and Technology シニアリサーチアナリストのヘザー・ウェスト氏は述べている。

また、IDC European Quantum Computing Launchpad co-lead でシニアリサーチアナリストのステファノ・ペリニ氏は、「量子コンピューティングはまだ初期段階ですが、ヨーロッパでは企業の関心も高く、その取り組みが着実に増え続けています。最も革新的な企業はいかなる業種においても、量子コンピューティングのビジネスユースケースの確立と開発にただちに着手すべきだと認識しています」と述べている。