ビリー・アイリッシュも才能に惚れ込んだ!? 大人気海外ドラマ「好きだった君へ」で火が着いた注目のアーティストとは?

(左から)中川絵美里、角田太郎さん、ハマ・オカモト



架空のレコード店を舞台に、「上質な音楽を、じっくり味わう。」をコンセプトにお届けするTOKYO FMの番組「THE TRAD」。5月~9月の毎週最終水曜に、カセットテープカルチャーを紹介するコーナー「カセット×トラッド」をお届けします。今回のナビゲーターは、パーソナリティ(「THE TRAD」副店長)をつとめるハマ・オカモト、アシスタント・中川絵美里が担当。東京・中目黒にあるカセットテープ専門店「Waltz」店主・角田太郎さんをゲストに迎え、カセットテープの音、歴史、最新シーンなど、あらゆる面から、カセットの魅力を紹介していきます。

7月28日(水)の放送では、世界の最新カセットから「今注目のアーティストのカセット」4本を紹介しました。


(左から)Greentea Peng、Hiatus Kaiyote、Kings of Convenience、Asheのカセット



◆1:Kings of Convenience「Rocky Trail」

角田:Kings of Convenience(キングス・オブ・コンビニエンス)はノルウェー出身のデュオです。12年ぶりに新作アルバム『Peace or Love』が出まして、それがまた素晴らしいんですよ。今日はそのなかから1曲をセレクトしてきました。

ハマ:サウンド的にはどんなものですか?

角田:2000年にデビュー作を出したのですが、“サイモン&ガーファンクルの再来”と言われて、すごく騒がれていたんですね。

ハマ:でかいキャッチコピーが付いていますね。

角田:当時、本人たちは「サイモン&ガーファンクルなんて聴いたことがない」と言ったらしいですけどね。

ハマ:(笑)。

角田:すごく良質なフォークポップを奏でるデュオです。

ハマ:その方向性は今も逸脱していませんか?

角田:むしろ、もっと深まっている気がしますね。

◆2:Hiatus Kaiyote「Get Sun(feat. Arthur Verocai)」

角田:次は、オーストラリアのバンド・Hiatus Kaiyote(ハイエイタス・カイヨーテ)のカセットを紹介します。グラミー賞にノミネートされたことがある、けっこうメジャーなバンドですが、メンバーの体調不良で、ここ最近は活動が停滞していたんです。(今年6月に)6年ぶりにサードアルバム『Mood Valiant』をリリースしたのですが、カッコいいです。

今作から「Brainfeeder(ブレインフィーダー)」というレーベルに移籍しています。ブラックミュージックのなかでもかなり先鋭的なレーベルで、主宰はフライング・ロータスという奇才です。サンダーキャットやカマシ・ワシントンなどが所属しています。

今回紹介する曲は、ブラジルの伝説的プロデューサー・アルトゥール・ヴェロカイが手掛けたことで話題になっています。

ハマ:その曲が、CDやデジタルだけではなく、カセットでも発売されていると。カセットの見た目もいいですね。懐かしい感じ。

中川:クリアな見た目ですね。

ハマ:透明なケースに金のラメ。タイトルも入っていないんですね。

曲のオンエア後、ハマは「ライブでめちゃくちゃ盛り上がりそうですね」とコメントしました。

◆3:Ashe「Moral of the Story」

角田:Ashe(アッシュ)はアメリカの女性シンガーソングライターです。今回紹介する曲は、なんとビリー・アイリッシュが作詞・作曲を手掛けています。曲のプロデュースはビリーの兄、フィニアス・オコネルです。

ハマ:おお!

角田:この曲はNetflixの大人気ドラマ「好きだった君へ」シリーズで使われておりまして、それがヒットのきっかけだと言われています。

ハマ:先程ドラマを調べてみたのですが、ティーンドラマの雰囲気がしましたね。そういうのを観る層にハマると、すごくヒットしますからね。

角田:ビリー・アイリッシュの名前が付くことで注目を集めていますが、アッシュはアメリカの名門・バークリー音楽大学を卒業しています。

ハマ:すごいなあ。

角田:音楽の才能があるアーティストで、キャロル・キングやニール・ヤング、エルトン・ジョンといった70年代のシンガーソングライターからの影響を受けていると公言しています。

ハマ:ビリー・アイリッシュとフィニアス・オコネルは世界最強の兄妹ですし、絶対にいい意味で仕事を選んでいると思うんですよ。その2人がアッシュを選んだんですね。

◆4:Greentea Peng「This Sound」

角田:最後は、イギリスで注目されている女性アーティストGreentea Peng(グリーンティー・ペン)を紹介します。イギリスのBBCが「今年の有望新人」として推しています。R&Bをベースにしているのですが、本当にいろんなジャンルが混ざっています。本人も、自分の音楽を「サイケデリックR&B」と表現しています。

ハマ:聞いたことがないジャンルだな(笑)。なるほど。

角田:曲によっていろんな音楽要素が入ったデビューアルバムです。

ハマ:最新アルバム『MAN MADE』には全18曲が収録されています。このアルバムは、ヒップホップ、ジャズ、ネオソウル、トリップ・ホップ、ラガ、ロック、ダブ、ドラムンベース(などのジャンルを織り交ぜているとのことですが)、すごい……逆にどんなアルバムかわからなくなってきた(笑)。

角田:UKのクラブカルチャーを検証するように、いろんな要素を1曲1曲に入れています。

ハマ:以前紹介していただいたイギリスのアーロ・パークスも、そのあとすぐにいろんなチャートに入ったり、ニュースを見るようになりましたよね。楽しみですね。

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4曲のカセットを聴き終えたハマは、気に入った楽曲として4曲目のグリーンティー・ペン「This Sound」を挙げました。

ハマ:めっちゃアルバムで聴いてみたいなって気持ちになりました。トラックもね、ちゃんと楽器を弾いていましたね。すごくカッコいい。

角田:実は、本当は別の曲を選んでいたのですが、その曲は既にハマさんが推していると知ったので、グリーンティー・ペンに差し替えました。

ハマ:えっ!? 誰だったんですか?

角田:レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーとジョン・フルシアンテがカバーしたギャング・オブ・フォーのカセットです。

ハマ:ギャング・オブ・フォーもカセットになっていたんですね! あれもよかったですよね。久しぶりにあの質感で2人の演奏を聴いたなって気持ちでした。じゃあ、僕があの曲を推していたから、グリーンティー・ペンに出会えたってことですね。よかった!

次回8月25日(水)の放送もお楽しみに!

<番組概要>
番組名:THE TRAD
放送日時:毎週月~木曜15:00~16:50
パーソナリティ:稲垣吾郎(月・火)、ハマ・オカモト(水・木)
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/trad/