エンタープライズサーチ(企業内検索エンジン)8選を徹底比較|選び方やメリットも解説【2021年最新】

エンタープライズサーチ

「エンタープライズサーチのおすすめ製品が知りたい」「エンタープライズサーチはどうやって選べばいい?」。本記事は、このようなお悩みを抱える担当者の方に向けて、エンタープライズサーチのおすすめ製品や選び方を紹介します。エンタープライズサーチの導入を検討している方や、製品を比較したい方はぜひご覧ください。

エンタープライズサーチとは

エンタープライズサーチとは、企業内の情報を一括検索できるシステムのことです。ファイルサーバ、企業のWebサイト、OfficeやPDFファイルといったあらゆる企業内データを横断して検索します。インターネットのWeb検索を組み込んで、検索結果を統合表示することも可能です。

求めている情報をパソコン上ですぐに探せるので、社内検索エンジンとしてだけでなく、データベースとしても活用されています。社内に蓄積された情報の中で埋もれている知識やノウハウを、誰でもスムーズに共有できます。そのため、社員教育の効率化にも役立つでしょう。

エンタープライズサーチの4つの機能

エンタープライズサーチの機能は、主に4つに分けられます。具体的にどんな機能や特徴があるのか、それぞれ見ていきましょう。

1、多彩な検索方法

エンタープライズサーチの主な機能の1つに、多彩な検索方法が挙げられます。代表的な検索方法5つの特徴を以下の表にまとめました。

全文検索 ファイル名だけでなく、ファイル内のすべてのテキストから合致する文字列を検索
あいまい検索 口語的な自然文や長文から、近似するドキュメントを検索。完全一致していなくても検索結果に表示される柔軟な方法
横断検索 複数のサーバやファイルをまたいで一括検索
フォルダ選択 絞り込み検索。検索対象フォルダを選択し、検索結果に表示するファイルを絞り込む
サジェスト 検索キーワードを入力したときに、候補キーワードを表示する補助機能

以上の検索機能を駆使して、エンタープライズサーチは正確な検索結果を表示します。

2、サムネイル表示

サムネイル表示とは、検索結果一覧に、検索したキーワードの前後の文章が表示される機能のことです。検索結果一覧にドキュメント名だけが並んでいるだけでは見づらいうえ、ファイルを1つずつ開いて中身を確認するのも手間です。そうした手間を削減するために、サムネイル表示が実装されています。

サムネイル表示があれば、検索結果一覧からある程度中身を閲覧可能です。ファイルを開かずに目当ての情報を探せるので、作業効率が良くなります。

3、セキュリティシステム

社内のデータには、一部の部署や役職しか閲覧できない機密情報もあります。機密情報を守るために有効な「ユーザー認証」と「閲覧制限」といったセキュリティ機能が、エンタープライズサーチには搭載されています。

システムを利用する際にユーザー認証を求めれば、部外者の利用や情報漏えいを防止できます。さらに、ファイルやフォルダごとに閲覧制限を設定できるので、機密性の高いデータは権限のあるユーザーしかアクセスできなくなります。

4、運用管理

エンタープライズサーチは、運用管理の面でも役立つ機能が備わっています。たとえば、以下の3つです。

  • 指定の検索キーワードと外部リンクや社内データの関連付け
  • RSS機能を使った更新情報の配信
  • 検索ログを使用して検索レポートを作成

上記3つの機能を活用すれば、検索の利用状況を分析して、自社の状況に応じたシステムにアップグレードできるでしょう。

以上が、エンタープライズサーチの主な機能となっています。主に作業効率の改善とセキュリティ強化に役立ちます。次はエンタープライズサーチのメリットについて、掘り下げて解説します。

エンタープライズサーチの4つのメリット

エンタープライズサーチのメリットは、4つあります。どのようなメリットなのか、それぞれ詳しく解説します。

1、情報収集のムダを削減

エンタープライズサーチを使えば、情報収集の時間短縮が可能です。インターネットのWeb検索と同じ感覚でデータを探せるので、すぐに必要な情報を見つけられます。

資料やデータを探す時間が短縮されるだけでなく、情報管理の手間も減らせます。情報収集の無駄をなくせるので、業務効率がアップし、結果的に生産性向上につながるでしょう。

2、スムーズな情報共有や管理

エンタープライズサーチを用いることで、部署やチームごとに管理していた情報を、一括管理できます。わざわざ他部署の担当に聞いたり、メールで確認したりといった工数を減らせるため、円滑に情報共有できるでしょう。

また、不要な情報の管理も簡単になります。一定期間、開かれていないデータを管理者に通知する機能を使えば、こまめなファイルサーバの整理が可能に。情報の取捨選択を管理画面からおこなえるので、手間も最小限に抑えられます。

3、システム導入しやすく運用も簡単

システム導入のしやすさもメリットの1つ。エンタープライズサーチは、システムをインストールし、検索範囲を設定すればすぐに利用開始できます。サーバやファイルなどの検索範囲の設定も、柔軟なカスタマイズが可能です。

実際にデータ検索するときも、Webブラウザの検索機能と同じように使えます。使用する際の特別な教育は必要ないので、円滑に運用できるでしょう。

4、セキュリティ対策

エンタープライズサーチの導入は、セキュリティ対策にもつながります。情報の保存形式や保管先がバラバラであれば、点在するすべての情報を適切に管理することは困難です。不適切な管理状態は、情報漏えいのリスクを高めます。

情報漏えいのリスクを減らすために重要な要素が、情報の一括管理です。エンタープライズサーチで一括管理すれば、ユーザー認証や閲覧制限といった機能で、すべての情報をセキュアな環境で管理できます。

以上、エンタープライズサーチには4つのメリットがあります。では、エンタープライズサーチには、具体的にどのような活用場面があるのでしょうか。

エンタープライズサーチの活用場面

企業内の情報検索に役立つエンタープライズサーチ。検索エンジンとしての利用の他にも、次のような活用場面があります。

  • コールセンターやヘルプデスクのFAQ化
  • 情報共有やノウハウのデータベース
  • 一元管理している資料をもとに顧客向けパンフレットやIR情報のスムーズな作成

必要な情報に即座にアクセスできるため、さまざまな業務で活用できるでしょう。

おすすめのエンタープライズサーチ製品8選

おすすめのエンタープライズサーチ製品7選を紹介します。それぞれの製品にどのような特徴があるのか比較していきます。

「AI-Brid」
木村情報技術株式会社

    AI-Brid
POINT
  • 価格:別途問い合わせ
  • 提供形態:クラウド
  • 対象従業員規模:全ての規模に対応

2種類の検索機能を搭載したAIソリューション「AI-Brid」。特性の異なる2つのエンジンを同時に活用することで、あらゆる質問内容に対して効率よく的確に回答します。

何千~何万のデータからでも自動で分類・高精度の検索を実現できる独自技術をもち、複数のツールから横断的かつ網羅的に検索できます。PDF・Word・Excel・Powerpoint・textをそのまま投入できるため、QAデータがなくても利用開始することが可能です。

また、導入後の専任スタッフによるサポートメニューが充実しているのもポイント。運用後も同社の担当者がシステム構築の作業代行などを支援し、各企業に最適な提案をしてくれます。


「Neuron Enterprise Search」
ブレインズテクノロジー株式会社

    ブレインズテクノロジー株式会社 Neuron Enterprise Search
POINT
  • 参考価格:月額費用90,000円~
  • 提供形態:クラウド/オンプレミス
  • 対象従業員規模:全ての規模に対応

「Neuron Enterprise Search」は、それぞれの認証システムと連携しセキュリティを担保しながら、あちこちに保存された文書の横断検索を可能にする純国産の企業内検索エンジンです。

オフィスワーカーは業務時間の3割を情報収集に費やしていると言われていますが、本製品では、この時間を短縮し本来の価値ある時間に変換するだけでなく、属人化しがちなナレッジの共有、資料の再利用率向上、コミュニケーションの活性化といった業務上の課題を解決することが可能になります。


「QuickSolution」
住友電工情報システム株式会社

POINT
  • 参考価格:1,500,000円~
  • 提供形態:パッケージソフト/オンプレミス/クラウド/SaaS
  • 対象従業員規模:すべての規模

「QuickSolution」は、1つのサーバーで50TB(1億2,000万ファイル)を2〜3秒で高速検索できる ハイパフォーマンスなエンタープライズサーチです。大容量のデータだけでなく、10GB・利用者10名の小規模利用にも対応。

大容量の情報でも、AIによって難なく高速検索できます。これにより、年間約960時間もの短縮効果 が見込め、業務効率化に貢献した導入実績があります。他にも、「情報探しの時間を10分から2〜3分に短縮」や「1ヶ月あたり30時間以上の効率化見込み」といった安定した評価を受けている製品です。

基本的な検索機能はもちろんのこと、文字入力をせずにクリックだけで目当てのファイルに辿り着ける独自の「Click Navi(クリック ナビ)」を搭載。カテゴリやデータの格納先から、探し方と検索条件を選べば、AIが自動的に検索結果を絞り込んでくれます。


「FileBlog」
株式会社鉄飛テクノロジー

POINT
  • 参考価格:25,000円~
  • 提供形態:オンプレミス/パッケージソフト
  • 対象従業員規模:すべての規模

「FileBlog」は、全文検索・文書共有が可能なエンタープライズサーチです。ファイルサーバに特化したシステムによる、高速検索が魅力です。利用中にファイルが 新たに作成・更新されても、リアルタイムに反映し検索可能になります。

各ファイルの画像サムネイルを検索結果一覧に表示。検索キーワードを含む前後の文章サムネイルも生成するため、 ビジュアルとテキストの両方から探しやすい検索画面 になっています。オプション機能で、DTPファイル形式、AutoCAD図面、SVGファイルのプレビュー表示にも対応できます。

パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットからも利用可能。Webブラウザからアクセスするので、専用アプリは不要です。


「ファイルめがね」
ジップインフォブリッジ株式会社

POINT
  • 参考価格:1,000,000円 ~
  • 提供形態:パッケージソフト
  • 対象従業員規模:10名以上

「ファイルめがね」は、独自の全文検索エンジンにより、業務の生産性向上を実現するエンタープライズサーチです。業務内でたまにしか検索機能を使わない方を想定して作られた、Webブラウザと似たインターフェースを採用しています。パソコン操作に慣れていない方でも、迷わず使えるツールです。

独自に開発した検索エンジン「SAVVY」(サビー) によって、最適かつ高速な全文検索を実現しています。表記揺れの吸収、短文検索、単語の重要度や単語間の距離からファイルの表示順を決定します。こうした豊富な検索機能を用いて、正確な検索結果を提供してくれます。

検索対象150万ファイルまでの最小構成モデル が用意されており、小規模事業や部署単位のスモールスタートに向いたエンタープライズサーチです。



「A-trek」
クワンタム・テクノロジー株式会社

POINT
  • 価格:別途お問い合わせ
  • 提供形態:パッケージソフト
  • 対象従業員規模:すべての規模

「A-trek」は、中央省庁にも採用された純国産の全文検索システム です。官公庁の他にも大手企業やECサイト、研究機関への導入実績があります。

複数のクローリング技術によるデータ収集と、独自のインデックスデータベースにより、快適な速度で正確な検索結果を導きます。多言語に対応しているため、複数の言語が混ざったファイルも検索対象に設定可能です。

類語辞書機能、更新日が新しいファイルのリスト化、検索結果で非表示にするページの設定といった多彩な検索支援機能が搭載 されています。


「Helpfeel」
Nota株式会社

POINT
  • 価格:別途お問い合わせ
  • 提供形態:クラウド/SaaS/サービス
  • 対象従業員規模:すべての規模

「Helpfeel」は、FAQ検索ヒット率98%を誇る高性能なFAQシステム です。従来のFAQシステムとの違いは、質問予測を50倍に拡張した「意図予測検索」です。単語の差異、表記揺れ、スペルミス、口語的な表現などを解析して最適なFAQページを表示できます。

検索処理スピードは高速で、入力を始めた瞬間から表示される0.001秒の応答速度 を実現しました。従来のFAQシステムと比べて、約1000倍の速さです。


「FALCON」
株式会社ネクステップ・ソリューションズ

POINT
  • 価格:別途お問い合わせ
  • 提供形態:オンプレミス/クラウド
  • 対象従業員規模:すべての規模

「FALCON」は、自動OCRを併用した高速全文検索システムです。テキストの全文検索だけでなく、 自動OCRによる画像データのテキスト読み取り機能 も装備。画像内の文字も検索対象となるため、テキスト化されていないデータも簡単に探せます。

パソコン、スマートフォン、タブレットといったマルチデバイスに対応 しており、外出先からでも簡単にアクセス可能です。誰でも使えるようにデザインされた画面構成なので、特別な社員教育を必要としません。 

以上、8つの製品を紹介しました。エンタープライズサーチは、自社の利用規模や導入目的に合う製品を選ぶことが重要です。

エンタープライズサーチの3つの選び方

ここまで、エンタープライズサーチの機能やおすすめ製品を紹介しました。しかし機能や特徴は理解できても、どうやって選べばいいかわからないという方もいるでしょう。そこで、最後にエンタープライズサーチの選び方を3つに分けて解説します。

1、検索可能なファイル形式

エンタープライズサーチを選ぶときは、その製品の検索可能なファイル形式を確認しましょう。企業で扱うデータは、Wordやexcel、PDFといった一般的に使われる形式から、画像・動画・音声ファイル、HTMLファイル、グループウェアなど多岐にわたります。

万一、導入した製品が自社で扱うファイル形式に対応していない場合、業務の混乱は避けられません。まずは、自社で扱う予定のファイル形式を全て確認して、対応可能な製品を選びましょう。

2、検索の処理速度

検索対象の情報量が多いほど、処理速度は遅くなります。快適な検索スピードを保つためには、多くの情報量を扱える製品を選ぶことが重要です。製品の導入前に自社の情報量を算出した上で、必要な性能を持つ製品を検討してみてください。算出する際は、現在だけでなく今後増える情報量の予測も必要です。

3、セキュリティ機能

ファイルごとの閲覧制限やユーザー認証といったセキュリティ機能が備わっているかも、製品を選ぶ上で大事なポイントです。エンタープライズサーチは企業内のあらゆる情報を扱うため、情報漏えい対策が欠かせません。

情報漏えいが起こると企業の信用は損なわれ、損害賠償請求に発展する可能性があります。そうしたリスクを回避するためにも、製品のセキュリティ機能が大切になります。

以上3つの選び方を参考に、自社に合うエンタープライズサーチを検討してみてください。

まとめ

ここまで、エンタープライズサーチのおすすめ商品や選び方を解説しました。紹介した内容を振り返ってみましょう。

  • エンタープライズサーチとは、社内の情報をまとめて検索できるシステム
  • 情報収集や管理を効率化できて、セキュリティ対策にもなる
  • 製品は検索できるファイル、検索スピード、セキュリティ機能から選ぶ

エンタープライズサーチを導入すれば、社内に埋もれている有用なデータを掘り出せます。社内の情報を最大限に活用して、新たなアイデアの発案や業務効率化につなげましょう。

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