人気番組「逃走中」誕生秘話を元フジテレビプロデューサーが語る
放送作家の高須光聖が、世の中をもっと面白くするためにゲストと空想し、勝手に企画を提案していくTOKYO FMの番組「空想メディア」。7月25日(日)の放送では、株式会社ジェネレートワン代表取締役・コンテンツプロデューサーの高瀬敦也(たかせ・あつや)さんが登場しました。

(左から)高須光聖、高瀬敦也さん

◆フジテレビの大ヒット番組を続々輩出

高須:もともとはフジテレビの方で。いつ辞めたの?

高瀬:2018年の1月ですね。

高須:なんで辞めようと思ったの?

高瀬:マネタイズとコンテンツマーケティングに興味があったんです。当時はテレビの番組を作って営業が売るというシステム、わかりやすく言うと「視聴率を取ってなんぼ」みたいなところがありました。自分が会社に対して“こういうふうにしたほうがいいんじゃないか”っていう思いと、従業員の僕に求める会社のスタンスがだんだん離れていったんです。

高須:なるほど。もともと“テレビが最強”という時代を過ごしてきて、フジテレビでコンテンツやヒット番組を作る喜びもあったと思うんですよ。そんななかで、マネタイズに興味を持ったきっかけは何だったの?

高瀬:フジテレビでは営業に5年間いたんですよ。

高須:そうなの!? 高瀬さんは「run for money 逃走中」(以下:逃走中)とか「Numer0n」(ヌメロン)のプロデュースをやられていたから、なんとなく、ずっと制作側の人だと思っていました。

高瀬:最初の5年間は営業でしたね。でも、振り返ってみると(営業時代も)楽しかったですよ。やっぱりお金儲けが好きだったみたいです。

高須:なるほどね。

◆自分でコントロールできる環境を求めてプロデューサーに

高須:自分が番組を作るプロデューサーという立場になったのは、どういうタイミングだったの?

高瀬:番組のお手伝いをする側と、自分で企画を出して自分の企画をやる側とで、なんとなく社内が分かれていたんですね。別に決まりがあったということはないんですけども。自分はすごい力のある先輩たちと一緒に仕事をしていたのですが“このままだと潰れてしまう”と思ってしまって。自分で企画を出して、自分の番組を持たないと“しんどいな"と思ったんですね。

高須:それは正しいよ。

高瀬:「やりたい」という気持ちよりも、自分でコントロールできる環境を作りたくて、企画を一生懸命に出した感じです。

高須:自分の居場所を作ることで、自分を守る部分もあるからね。もちろん、そこから維持するのは大変なんだけど、巻き込まれているだけでは自分の好きなことはできないもんね。

高瀬:そうなんですよ。どの仕事にも言えることだと思います。

高須:そうだよね。自分で1つなにかを立ち上げたら、いろんなトラブルが起こるじゃない? でも実は、そのトラブルが人を育てるんだよね。自分で100%責任を取らないと、やっぱり人の視野って広がらへんなって思う。

高瀬:なるほど、たしかにそうですね。

◆警察がくるリスクもあるなかで撮影!?

高須:自分が作った番組で、一番手ごたえがあったものは何ですか?

高瀬:「逃走中」でしたかね。

高須:あれって何年前の番組?

高瀬:僕が28歳のときなので、17年ぐらい前ですね。

高須:そんなに前か! あの番組を最初にやって、感触はどうでした?

高瀬:よくある話ですけど、企画書を出しても「訳がわからない」と怒られました。だけどしつこく粘っていたら、BSでパイロット版を作る枠があったので、そこでやらせてもらえることになったんですよ。当時は“誰も観てないからいいだろう”みたいな感じでしたね。

それこそ最初は、渋谷の街中でゲリラ的にやりました。今では考えられないですよね(笑)。撮影のために渋谷警察署に行ったのですが、「取り締まる法律がないから許可が出せない」と言われて。取り締まられることはないけれど、撮影中に何か起きたら警察が来ると。“これは賭けだな”と思ってやりました。

高須:先人がいろんなことをやった結果、いろんなところでロケができなくなっているよね。昔は空港もロケができたけど、今はできない。だけど当時は、そんな感じで撮影許可がおりたんだね。

高瀬:オッケーだったのかグレーだったのか……ちょっと微妙ですけどね(笑)。

高須:上の人も「大丈夫か?」って普通は言うもんね。

高瀬:当時の上司は比較的寛容な方でしたね。「気を付けてね」ぐらいでした。

◆「Numer0n」制作秘話

高須:「Numer0n」は深夜にやっていたけど、どうだった? すごく評判がよかったよね。

高瀬:そうですね。あの番組には、テレビをプロモーションツールとして使う目的がありました。当時、スマホが出て数年経ち、スマホ用のネイティブアプリが流行り始めていた頃だったので、そういったものを作りたかったんですよね。

テレビの力があるからこそできるゲームスタイルがあると思って。僕はゲームのプロではないですけど、テレビの力を使えばルールが説明できるので“拡散できるゲームを作ろう”と思いました。なので、視聴率を取ることだけが目的ではなかったです。

高須:なるほどね、マルチ的に展開していくと。テレビだけにとどまらず、違うものに仕上がっていく感覚はあったの?

高瀬:そうですね。のちに大きなお金になりそうな話がくるようになったので。それに、ちょうど“テレビはこれからどうなるんだろう?”って、みんなが思い始めたタイミングだったんですよ。

不必要に自信を失いがちな論調もあるような時代で。だけど、僕は逆の考えでした。これからは、テレビの力にみんなが気付くと思っていたので、「Numer0n」はそういった力のプレゼンテーションでもありました。

次回8月1日(日)の放送は、引き続き高瀬敦也さんをゲストに迎えてお届けします。どうぞお楽しみに!

<番組概要>

番組名:空想メディア

放送日時:毎週日曜 25:00~25:29

パーソナリティ:高須光聖

番組公式Facebook:https://www.facebook.com/QUUSOOMEDIA/