【データで分析!EC商戦】「2021年母の日」ギフト系食品市場にコロナの追い風続く 雑貨ジャンルは売り上げ前年割れも

2021年の母の日EC商戦は、2020年に引き続き、コロナ禍の影響が強く反映された結果となったようだ。ECに関するデータ収集・分析を行うNint(ニント)によると、ある大手ECモールにおける、母の日関連商品(商品名に「母の日」と設定している商品)の売り上げは、食品ジャンルが前年比5%増となったという。ソーセージやハムのECを運営するSAIBOKU(サイボク)では、2020年の母の日の売り上げが2019年比で3倍以上に伸長。2021年も10%増となったという。一方、帽子や日傘といった雑貨ジャンルでは、外出自粛の影響で、2021年の売り上げが前年割れとなったケースもあったようだ。

コロナ禍2年目も食品EC市場5%増

2021年は、「母の日商戦に向けた在庫や受注体制を整えた」といった食品EC会社が多かったようだ。「広告費を抑えつつ、売り上げが増加した」といった声も聞かれた。

毎年、母の日商戦の売れ筋商品ランキングで1位になる、さくらんぼのECを運営する竹城青果では、コロナの影響で2020年に、売り上げが大きく伸長した。2021年も引き続き伸びているという。

 

レブニーズが販売する「北海道の厳選海鮮7点セット」は、Nintがまとめた、2021年の「母の日売れ筋商品ランキング」で3位に入った。同商品は、2020年に、母の日の売り上げが、前年比で2倍に伸長。2021年の母の日の売り上げも、2020年を大幅に上回ったとしている。

レブニーズでは、2021年の母の日に向けて、楽天市場内の母の日特集の広告枠に広告を多数出稿したほか、楽天以外のウェブ上の広告から、楽天市場の商品ページへ誘導する導線も設けたとしている。レブニーズでは、楽天市場内外の広告戦略を展開しつつ、同業他店の転換率の高い商品ページの研究・分析などを行い、自社のECサイトに反映させているという。

ハムやソーセージのECを運営するSAIBOKU(サイボク)では、2020年の母の日に向けた4~5月の売り上げが、2019年比で3倍になったという。2021年の母の日商戦は、2020年比で10%増となったとしており、引き続きコロナ禍の追い風が続いているという。Nintのデータによると、大手ECモールの母の日商戦における、SAIBOKU(サイボク)の主力ギフトセットの「サイボク×コエドビールセット」の売り上げランキングの順位は、2020年が33位だったところ、2021年は12位へと躍進している。

SAIBOKU(サイボク)では、2020年の父の日や中元商戦で出荷数が大幅に増加した経験があったことから、2021年の商戦に向けて出荷オペレーションを整備したという。銘柄豚「サイボク ゴールデンポーク」ブランドやビールをペアにしたギフト商品の認知が拡大したこと、女性のビール需要が増加していることなど、売り上げ増加には複合的な要因があるとしている。サイボクハムでは、楽天市場内での広告出稿を現在のところ行っていない。そのため、広告出稿を今後行っていけば、さらなる売り上げ増加が期待できそうだ。

※本記事で使用したデータは、Nintが提供するデータ分析サービス「Nint ECommerce」を活用して得た。「Nint ECommerce」では、楽天市場やアマゾン、ヤフーショッピングといった主要ECモールの分析が行える。ジャンルの売り上げや個別の商品の売り上げを分析できるだけでなく、ショップごとの売り上げや、出店店舗別の広告の出稿状況のデータも収集できる。モール内のジャンルごとのトレンドや、競合他店の売れ筋商品の変化、広告出稿状況を分析することが可能だ。

食品と対照的な雑貨ジャンル

楽天市場の2020年の母の日商戦で、「バッグ・小物・ブランド雑貨」ジャンルで売れ筋商品ランキング1位を獲得した、帽子屋QUEENHEADのレディースつば広帽子「フルーフキャスケット」は、2020年4―5月の2カ月間で、約3500個を売り上げたが、売り上げは前年同期間比で3%減少したという。2021年の母の日商戦に至っては、前年同期間比で売り上げが33%減少したとしている。需要の減少の要因は、コロナによる外出自粛で帽子の需要が減退したことがあるとしている。

同社では、2020年のコロナ禍突入後すぐに、帽子の需要の減少を予測。広告費を抑え、利益を確保する戦略にかじを切ったという。

帽子屋QUEENHEADによると、帽子のEC市場に関しては、コロナの影響で全国的に実店舗での需要が減少したことから、メーカーの新規参入が相次いでいるという。帽子屋QUEENHEADでは、競合他店との差別化を図るため、Nintのデータを活用しているという。絶えず売れ筋商品ランキングの確認などして、売り上げ予測などに生かしているという。

折り畳み傘「makez.(マケズ)」を販売するソレイユでは、2021年4-5月の2カ月間で、同商品を1万個以上販売し、2021年の雑貨ジャンルの売れ筋商品ランキング1位を獲得した。ソレイユでは、緊急事態宣言と外出自粛の影響で日傘の需要が減少。2020年5月度の売り上げが前年同月比で50%ダウンになったという。ただ、2021年は回復傾向にあるとしており、2021年5月度の売り上げは前年同月比で69%上昇した。7月度は同2倍になる見込みだとしている。

今回取材に応じた母の日商戦に挑戦するEC各店舗は、2022年以降の母の日のEC市場はさらに拡大するとみている。SAIBOKU(サイボク)では、「コロナによる突発的なEC需要は一定のラインで落ち着くが、コロナ前後で比較するとユーザーは確実に増えた。まだECで展開していない商品を投入するなど、顧客満足度向上を図る」(埼玉種畜牧場 外販・通販営業部 山口大介統括マネージャー)としている。ソレイユでは「母の日のギフト商品については、定番の仕様を残しつつ、セット内容を変えるなどして、予算別の選択肢を増やし、競合他店との差別化を図る」(ネット事業部 若山佳友氏)としている。

 

Nint ECommerce→https://www.nint.jp/ec/