STMicroelectronicsは7月27日(スイス時間)、スウェーデンのノールショピング(Norrköping)にあるSiCウェハ製造工場において、次世代パワーデバイスのプロトタイプ製造に向けた200mm(8インチ)SiCバルクウェハの製造に成功したと発表した。

同社は、2019年に将来の車載・産業向けパワーデバイスの増産に向けた独自のサプライチェーン構築を目指し、スウェーデンのSiCウェハメーカーNorstelを買収しており、今回の200mm SiCウェハは、Norstelの技術ノウハウなどを活用することで、高い品質を実現しており、これにより、歩留まりへの影響や結晶転位の欠陥を最小限に抑えることができたとしている。

すでに同社はイタリアのカターニアとシンガポールのアンモキオのファブで150mm(6インチ)SiCウェハを用いたパワー半導体製品の製造を行っている(後工程工場は中国の深センとモロッコのブスクラ)。また、今後の需要の増加などを見据えた今回のような200mm化への研究開発投資も並行して進めてきており、近く、新たなウェハ工場の建設を行うことで、2024年までにSiCウェハの社内調達比率40%の達成を目指すとしている。

今回の200mm SiCウェハの製造成功は、こうした取り組みの第一段階であるという。また、サプライチェーン全体をカバーする技術パートナーと協力して、独自の200mm SiCウェハ向け製造装置ならびにプロセス開発も進めているとしている。

なお、200mmウェハは、150mmウェハと比較して集積回路の製造可能面積は約2倍に増えることから、同社では1枚当たりで取れるチップの数は1.8〜1.9倍となり、コスト効率を高めることができるようになるとしている。

  • SiCウェハ

    200mm SiCウェハ (出所:STMicroelectronics)