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■増當竜也連載「ニューシネマ・アナリティクス」SHORT

言うまでもなく、ディスニーランドの人気アトラクションをモチーフに生まれたスペクタクル・アドベンチャー映画。

この作品、2021年7月29日から映画館で上映、翌日30日からはディズニープラスでプレミアアクセス配信されますが、はっきり申して鑑賞環境が許される方は、絶対に映画館の大画面で観るべき作品です。

さらには通常の2DよりIMAXなどの高画質、もしくは4Dでご覧になると(個人的にはこちらをオススメ)、まさにディズニーランド感覚の愉しさを満喫できること間違いなしで、現に画作りも含めてそういったアトラクション感覚の演出がふんだんなのです!

(今回3D上映がないのは少し残念ですが、かなり立体視を意識した演出もなされています)



冒頭、映画ファンなら先刻ご承知『アギーレ 神の怒り』(72)とも呼応する狂気の武勇伝説の説明から映画は一気に1916年のイギリスに翔び、不老不死の花を捜し求める植物博士リリー(エミリー・ブラント)のインディ・ジョーンズさながらのドタバタ・アクションがさっそく展開されます(ちょっとせせこましい感じが、逆に可愛気あってご愛敬!)。

そして舞台はアマゾンへ移り、リリーと弟マクレガー(ジャック・ホワイトホール/彼のキャラクター設定にもご注目を!)は、どこか胡散臭いフランク船長(ドウェイン・ジョンソン)が操舵するラ・キーラ号に乗ってアマゾン奥地へ進んでいくわけですが、そこに至るまでが既に見せ場作りのためのストーリー展開として飽きさせることなく、当然船の旅が始まってからも冒険映画の韻を踏んだ(踏みすぎている?)スリリングなシーンが矢継ぎ早に繰り拡げられていきます。

最初はもっとファミリー向けかと思っていましたが、子どもたちの出番などは少なく、また結構刺激的なショットもあったりと、やはりディズニー版“インディ・ジョーンズ”的感覚で捉えておいたほうが得策でしょう。

今回製作にも携わっているドウェイン・ジョンソンのタフガイぶりはいつもながらの安定感ですが、やはり今回はエミリー・ブラントの『クワイエットプレイス』2作(18・20)などとは真逆の陽性的個性が大いに炸裂。



対する敵側は……いやはやなんとも「そう来たか!?」と、やはりインディ・ファンならにんまりさせられること必至です。

このところ3DCGアニメ路線にマーベル映画、『スター・ウォーズ』シリーズ的色合いが強まって久しいディズニーですが、今回は久々に往年の実写冒険映画路線の楽しさを再燃させようと腐心しているのも20世紀型映画ファンにとっては嬉しいところで、そこに21世紀型最新技術を駆使した映像センスに4Dまで加えたら、もう無敵の夏休み映画として屹立できることでしょう。

監督は『エスター』(09)『アンノウン』(11)『ロスト・バケーション』(16)『トレイン・ミッション』(18)などで結構隠れファンの多いジャウム・コレット=セラ。今回も強引ながら好もしい演出を徹底して貫いています。

(文:増當竜也)

--{『ジャングル・クルーズ』作品情報}--

『ジャングル・クルーズ』作品情報

【あらすじ】
<奇跡の花>を手にした者は、永遠の命を手にする……。アマゾンに伝わる不老不死の伝説の秘宝を追い求め、並外れた行動力と探求心を兼ね備えた博士リリー(エミリー・ブラント)は、ミステリアスで危険に満ちたアマゾンのジャングルへと旅立つ。彼女が相棒に選んだのは、クルーズ・ツアーの船長フランク(ドウェイン・ジョンソン)。彼は、ジャングルに生息する珍しい動物やスリルあふれる先住民の村、そして“滝の裏側”など名所の数々を、ジョークを交えながら観光客相手にガイドをする、ジャングルを知りつくした男だった。だが、そんなフランクにも奇跡の花を探すある理由があった。目的の場所は「伝説に近づく者は呪われる」といわれる、アマゾンの上流奥深くの“クリスタルの涙”。はたして、そこで彼らを待ち受ける、謎に包まれた“恐るべき真実”とは……。 

【予告編】


【基本情報】
出演:ドウェイン・ジョンソン/エミリー・ブラント ほか

監督:ジャウム・コレット=セラ

製作国:アメリカ