物流ロボットと自動化が未来のEコマースを再構築【「オートストア・システム 鴨弘司社長」連載第2回】

【連載】「Eコマース市場の成長はブリック&モルタル(従来型の店舗販売)との融合で」第2回

ショッピングエクスペリエンス(購買体験)は過去数年の間に、オンラインとデジタルのタッチポイントへと劇的に移行しました。Eコマースは、世界中で製品を展開するブランドにとって、注力すべき唯一の重要な要素となりつつあります。

その結果、Eコマースに関連する個々の施設は、よりマクロなレベルで活用されており、小売業界での重要性が増しています。

しかし、小売業界が維持しなければならないのは、店舗でのショッピングエクスペリエンスの進化です。顧客の中には、店頭で商品に「触れ」、「試着し」、「ブランドと対話する」といった、個人的なショッピングエクスペリエンスを大事にする人たちが必ず存在します。

多くの消費者は、店頭よりもオンラインショッピングを好む傾向がありますが、お客さまに店頭まで足を運んでいただくことは、より大きな買い物につながります。フォーブス誌によると、実店舗を訪れた買い物客の71%が50ドル以上の買い物をしています。

小売業界は、究極のショッピングエクスペリエンスを提供するために、Eコマースと実店舗との融合を検討する必要があります。

Eコマースと実店舗の融合にはいくつかの方法があり、すでに実施されているものもあります。

  ①オンラインで購入して、店舗で受け取る

これにより、ブランドは店舗への来客数を維持しつつ、お客さまの利便性を高めることができます。お客さまが実店舗に来店する必要性を排除することにより、返品される商品の品質を向上させることもできます

②店頭でのユニークなエクスペリエンス

未来の小売店は、新しくてユニークなショッピングエクスペリエンスを提供するものでなくてはなりません。 

店内のレイアウトには、通路や洋服棚といった伝統的なものに加えて、新しいデジタルエクスペリエンスを導入することも可能です。

3Dプロジェクターやスマートミラー、Mixed Reality(複合現実)などの新しいテクノロジーを使って、お客さまに服を試着してもらうことができます。実店舗では、現在のEコマースには実現できていない、真にユニークなショッピングエクスペリエンスの提供が可能なのです。

IBMとNRFの調査では、アンケートの回答者は圧倒的に、「自分のライフスタイルに合った品ぞろえの店を求めている」と回答しています。しかし、買い物客の90%は、新しいショッピングテクノロジーを認知しており、それらを試してみたいと考えているのです。71%の回答者が、視覚的手段による検索をすでに使用しているか、試してみたいと考えています。それに続く69%が、音声検索サービスを、すでに使用しているか、もしくは試してみたいと考えています。

IT調査会社大手のGartner Groupは、「新しいテクノロジーをいち早く採用したブランドが、Eコマースの売り上げを30%増加させる」と予測しています。

③インストアオーダーフルフィルメント

在庫があれば、店員が商品を梱包し、倉庫ではなく実店舗から配送の手配をすることは比較的容易です。ZARA、Old Navy、LOFTなどのブランドは、すでに店頭在庫を利用してECの注文を処理しています。 

しかし、これは最も効率的な方法とは言えません。なぜなら、主に二つの理由があるからです。一つ目は、多くの場合、顧客に最も近い実店舗で注文を処理するのではなく、商品の在庫がある実店舗で注文を処理しているからです。

その店舗には注文した商品が一つしかなく顧客が商品を五つ発注した場合、五つの商品が5回に分けてお客さまのもとに届くこともありえます。これでは、お客さまには不満が募ってしまいます。小売店にとっては送料が増えてしまい、利益率に影響を与えます。

インストアオーダーフルフィルメントは、成長中のトレンドではあるものの、持続可能なトレンドとは言えません。ブランドは、サプライチェーンのサイロ(情報のみ連携)を取り除き、どこにいても、存在感を発揮できる方法を見つけなければなりません。

ただ、こうした課題や新しい試みは、企業が日々のオペレーションをどのように運用するかについて、新たなアプローチの検討・推進を促します。特に、物流センターの安全性と効率性をどのように確保するかには、新しくチャンレンジする余地を与えてくれるでしょう。もはや大規模な倉庫や配送センターに依存することなく、自動化に目を向けようとする企業が増えているのです。

倉庫にピッキング用ロボットを導入し、ロボットが作業員に商品を届ける仕組みを導入することも、作業員の歩行時間や、作業員間の接触を軽減することにつながります。

実際に、ロボットや自動化の導入は、小売企業が市場における優位性を確保し、競争力を維持することを支援します。

私たちがEコマースの未来を想像し、定義していく中で、ロボットのようなテクノロジーを導入することは、オーダーフルフィルメントと購買行動を再構築することになるでしょう。

では、それはどのようなものでしょうか? 

それは、配送センターの倉庫をわずかなスペースで利用できるようになるのです。(つづく)