Maxim Integrated(Maxim)と、エッジ向けAI(人工知能)開発を行うXailientは7月28日、Maximの超低消費電力ニューラルネットワーク(NN)向けマイコン「MAX78000」とXailient独自の「Detectum」ニューラルネットワークを組み合わせて映像・画像内の顔検出および位置特定を行うことが可能となったことを発表した。

Xailientのニューラルネットワークは、従来の組込みソリューションと比べて消費電力は250分の1(280μJ)に低減できるほか、12msの推論時間によりリアルタイムで処理することができるという。

加えて、フォーカス、ズーム、およびビジュアルウェイクワード技術も組み込まれており、従来のソフトウェアソリューションと比べて76倍の速度(12ms)と同等以上の精度で画像内の顔を検出し、位置を特定することが可能。顔認識以外の用途でも、家畜の飼育状況のモニタリング、駐車場の空き状況や在庫レベルの確認などにも利用が可能だとしている。

また、推論速度や精度の向上に加え、全体的な電力効率も向上することから、バッテリ駆動時間を延長させることができ、コイン電池駆動のエッジ/クラウドのハイブリッドアプリケーションの動作時間を年単位に延長することが可能だとしている。

MAX78000とDetectumニューラルネットワークを組み合わせたデモ動画 (出典:Xailient)

XailientのCTOでDetectumニューラルネットワーク技術を発明したShivy Yohanandan博士は「従来のクラウド型AIを使用する14台の旧式なインターネットプロトコルカメラを、MaximのMAX78000とXailientのニューラルネットワークを組み合わせたエッジベースのカメラに置き換えると、ガソリン車1台を路上から取り除くのと同様の炭素排出削減効果がある」としている。

なお、MAX78000と評価キットはMaximのWebサイトおよび正規代理店で提供されており、単価はそれぞれ8.50ドル(1,000個以上、FOB USA)と168ドルで提供されており、Detectumニューラルネットワーク、シリーズモデル、ツール、サービスや、フォーカス、ズーム、およびビジュアルウェイクワード技術は、Xailientから直接提供が行われるとの事だ。