山口FGで吉村猛CEOが株主総会当日に会長解任の怪

山口フィナンシャルグループ(FG)で、グループトップを務めていた吉村猛氏が6月25日の株主総会後の臨時取締役会で会長兼CEO(最高経営責任者)職を解任された。

 新たにCEOに就いた社長の椋梨敬介氏は「社内合意を得ずに新規事業を進めたため」などと説明。吉村氏の独断専行に社外人材を中心とする取締役会がノーを突き付けたと強調した。

 解任の表向きの理由となった「新規事業」とは、2018年に業務提携した消費者金融大手、アイフルと共同出資で新銀行を設立する構想。吉村氏は取締役会に報告せず、独断で元日銀マンが代表を務めるコンサルタント会社の提案を丸呑みしてプロジェクトを進めていたという。

 コンサル会社代表が新銀行のトップを務め、親族やコンサル会社社員を雇用する計画だったため「情実プロジェクト」と社内で問題視されていたようだ。

 だが、株主総会では吉村氏の会長兼CEO続投を前提に99%の賛成率で取締役に再任されていた。にもかかわらず、直後の取締役会で電撃解任されたのは異常事態だ。

 ある幹部は「総会では波風を立てたくなかった」と釈明するが、そうならば「株主軽視」の誹りは免れないだろう。吉村氏は取締役としては残るため、椋梨新体制との軋轢が経営の混乱につながることも懸念される。

 山口銀行では04年にもトップ解任劇が起きている。行内では「黒歴史が繰り返された」(中堅幹部)との声も出るが、突然のトップ退場は株主だけでなく、取引先企業にも不安を広げる可能性があり、新体制には事態収拾の重い責任が課せられる。