【農林水産省】農水審議官に女性初の新井氏 接待受けた枝元次官は続投

農林水産省の7月1日付の幹部人事で、消費・安全局長の新井ゆたか氏(87年入省)が農林水産審議官に就任した。同省で女性が次官級ポストに就くのは初めて。新井氏の高い政策立案能力が評価されたとみられる。一方、鶏卵生産大手「アキタフーズ」の前代表=贈賄罪で公判中=から飲食接待を受けた枝元真徹事務次官(84年入省)は続投した。

 新井氏は食料産業局長などを経て、19年4月に消費・安全局長に就任。家畜伝染病「豚熱(CSF)」のまん延防止や、昨秋から今春に全国で猛威を振るった高病原性鳥インフルエンザの封じ込めに尽力した。同氏をよく知る農水省幹部は「成し遂げたい政策の方向性が明確な上、リーダーシップがある」と太鼓判を押す。

 農水審議官は国際分野を所管するポスト。英国が加盟を希望する環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の農業分野の交渉に加え、東京電力福島第1原発事故に伴う農林水産物・食品の輸入制限を導入する韓国などに対し規制撤廃を働き掛けていく。農林水産物・食品の輸出拡大には規制を取り払うことが欠かせないだけに、さっそく手腕を問われることになる。

 今回の人事で最も注目を集めたのは枝元氏の進退だ。霞ヶ関・永田町関係者の間でも続投か退任か、見方が割れていた。省内では「大臣から誘われたら会食参加を断れないのでもらい事故だ」(幹部)と同情論が多く聞かれた半面、「続投だと省内の士気低下は避けられない」(局長級幹部)との厳しい意見も聞かれた。枝元氏は、疑念が生じた行政の透明性確保に向け、組織の立て直しに全力を尽くす責務を負う。

 枝元氏が退任となった場合、後任として最有力候補だった山口英彰水産庁長官(85年入省)は退職した。実際、本人は次官就任に強い意欲を燃やしていたとされるが、「漁業団体の顔色ばかりうかがい、水産物の漁獲規制導入に足を引っ張っていた」(政府関係者)といい、その手腕に疑問符が付いていた。

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