Chara、初の野音単独公演で響かせた自由で好奇心あふれる歌声

Charaが2021年7月18日(日)、自身初の単独日比谷野外大音楽堂公演「Chara Live 2021 Sweet Soul Sessions ~ Glitter~」を東京・日比谷野外音楽堂にて開催した。

1991年9月21日に1stシングル『Heaven』でデビューし、キャリア30周年を迎えるChara。彼女にとって初の野音単独公演は本来2020年5月6日(水・祝)に予定されていたが、新型コロナウィルスの影響により中止に。そのリベンジともいえる今回の野音ワンマン。この日を待ち尽くした大勢のファンたちが集った。

先日梅雨明けが発表されたばかりの東京は晴天。すでに夏真っ盛りかというほどの熱気に観客たちの汗が滴る。会場には大量のシャボン玉が空を舞い、爽やかさを感じるとともに、今から始まるライブに心が躍るようだ。

定刻になるとアース・ウインド&ファイアー「レッツ・グルーヴ」とともにメンバーたちがダンスをしながら登場。カラフルな蝶の羽を纏ったダンサーYOSHI2が登場し妖艶な動きを見せると、庵原良司(Sax.)、吉澤達彦(Tp.)、半田信英(Tb.)のホーンセクション、鍵盤の井上薫とコーラスの竹本健一と高橋あず美、韻シストバンド(Gt.TAKU/Ba.Shyoudog/Dr.TAROW-ONE)と、順番にサポートメンバーが登場。全員が曲に合わせてリズムを取り手を叩いた後、楽器を手にして演奏をスタートさせた。

ステージ中央でYOSHI2が音に合わせて屈み羽を広げると、白をベースにした装飾で飾られた衣装に身を包んだCharaが登場。観客たちの大きな拍手の中、岡村靖幸作曲のポップチューン「レモンキャンディ」でライブがスタート。やわらかく寄り添うようなCharaの歌声と演奏に観客たちは心地よく横揺れで乗っている。

「やったね、晴れたー! 今日は声は出せないかもしれないけど、気持ちは出してー!」とCharaが観客に投げかけると、1997年リリースの名盤『Junior Sweet』より「Junior Sweet」へ。先ほどの歌い方とはまた違った全開の歌声が響き客席は湧いた。ステージの左右へと移動して観客一人一人の顔を見ながら歌っていくChara。コーラスとホーン、ベースのグルーヴのアンサンブルも心地いい。「今日は夜まで一緒に楽しみましょう。ここは、お空の下のディスコです」と客席にコミュニケーションをとると、観客はミニタンバリンを鳴らしてレスポンス。「Cat」ではファンキーなギターカッティングの中、Charaがメンバーとコミュニケーションをとりつつ、コーラス隊、ホーンがソロプレイで会場を沸かせた。

「今年は30周年イヤーということで、ちょっと昔の曲を歌っちゃうわ」と控えめに語ると、1991年に発売されたデビューアルバムから「Sweet」のイントロが鳴り響き、大きな拍手が起こった。プログラミングサウンドからフルバンドの生演奏へ盛り上がっていくプロセスは、30年の歩みを想起させるようでもあった。途中で衣装の一部が取れてしまっても「開放されたわ」と笑い、和やかな雰囲気に。「今日は日比谷の感じを半分楽しむ、音楽を感じるって楽しいじゃないですか」「新らしめの曲歌っていい? 恋の曲だよ」と「愛のヘブン」へ。Charaが22歳ごろに作ったデモをKai Takahashi(LUCKY TAPES)のサウンド・プロデュースで現代に甦らせたダンス・ミュージックだ。

続く1994年のシングル「あたしなんで抱きしめたいんだろう?」のイントロでは観客たちも手拍子で参加。ホーンとコーラス隊のアンサンブルが心地よく響く。演奏の間奏では高橋あず美とステージの上で女子トークをしたり、ギターのTAKUのキメ顔に触れてソロプレイをしたりするなど、メンバーたちとコミュニケーションを取っていく。さらには韻シストのアルバム発売を告知したり、「charaはお知らせがあるけどまだ言えないよ」と語ったり、竹本健一と制作した「Bubbles」をワンフレーズ歌ったり、まさに自由自在にライヴを行なっていく。そこからはバンド間の信頼関係や関係性が伝わってくる。続けて、1997年リリースの「ミルク」をアコースティックギターと鍵盤をベースにしっとりと歌い上げた。

1回Charaがステージから下がり再登場すると、アコースティックギターを手にしながら、ずっしりしたベースサウンドの上でしっとりとホーンが鳴り響く「70%-夕暮れのうた」を歌唱。少し日が落ちかけてきた中で印象的な鍵盤の音色が響くと、岩井俊二監督の映画『スワロウテイル』に登場した無国籍バンドYEN TOWN BANDの「Swallowtail Butterfly〜あいのうた〜」、「上海ベイベ」を赤と青のライトに照らされながら歌った。観客はしっかりと耳を澄ませて楽曲を堪能した。

すっかり日も落ちてきた中、バックドロップが一瞬で落ち、シンプルで光の映える背景へ。「昔、おばあちゃんちに行った夏のような雰囲気。外で蚊帳を張って寝たい」と、野音ならではの蝉の鳴き声が聞こえる雰囲気から連想した風景を語るChara。「珍しい曲を歌ってみようかなと。初めて歌うシリーズです」と語り、2011年のアルバム『Dark Candy』より「Little bird」を演奏。初めてライヴで披露するとは思えないくらい情感豊かに歌い上げた。歌い終えると、「新しいことに挑戦することが好き。冒険したい」と好奇心が尽きないことを語った。続けて、椅子に座ってアコースティックギターを持ち「No Promise -A Scenery Like Me ver.-」を少ない音数でじっくり聴かせ、赤と青のライトの中で1997年リリースの「タイムマシーン」、鉄琴のような上物と低音の効いたキックと観客たちの手拍子でスタートした「恋文」をリズミカルに踊りながら歌ってみせた。

「もうちょっと真っ暗になるまで(お客さんと)一緒に待つ」とCharaが言うと、Shyoudogがヴォーカルを取り、ホーンとともにソウルフルな演奏をじっくり聴かせた。演奏が終わるとスモークがステージを包み、サイケデリックな雰囲気のギターサウンドが会場を魅了、ミラーボールがまわり「しましまのバンビ」へ。トランペットのソロから始まるスローテンポなナンバー「Happy Toy」、客席のタンバリンが鳴り響きファンクで腰をゆらした「call me」ではサビでのCharaの声の伸びが素晴らしく、観客たちは真っ暗な中でも両手を叩き一体感を生み出した。

「まだ元気ありますか?」と問いかけると、まったく衰えることのない元気な拍手が客席から湧き上がった。「すっかり暗くなったね。音楽って最高だね。私友達と会うと結構ハグとかするんですけど、いまなかなかしづらいじゃん。みんなと音楽でハグしたい」と気持ちを述べ、ピンク色の照明の中、しっとりと「hug」を聴かせた。

地に響くリズムが鳴り響くと、ダンサーのYOSHI2が再び登場。イントロでCharaが楽器隊と掛け合いをして盛り上がりを見せると大ヒット曲「やさしい気持ち」へ。観客たちも手拍子をしながら思い思いに楽曲を堪能。曲の終盤で「最高!」という言葉とともにCharaが床に寝そべるとYOSHI2が耳打ちをして会話をする。「Charaがもっとほしいって」「愛してる」と言ったあとに、「秋にライブやるから来てね」と、30周年ライブを大阪と東京で開催することをCharaがラフなスタイルのまま発表した。またこの日のライブが8月に放送されることも発表し、会場は大きな盛り上がりを見せた。

「今日は来てくれてありがとうございました。一緒に過ごせて楽しかったです」と、Charaはキーボードを前にし「最後は始まりの歌です。長女が生まるときに作った曲で、それまでは「私、私、私」っていう感じだったけど初めて「私たち」歌った曲です」と、ゴスペルのようなコーラスから始まる「Tiny Tiny Tiny」を力強く、そしてやさしく歌い、約2時間半にわたるライブは幕を閉じた。最後は、出演者全員が横並びで挨拶をして手拍子をしながらステージをあとにした。

観客たちが終始体を揺らしながら、夏の野外と素晴らしい音楽を堪能している姿が強く目に焼き付いている。Charaも、メンバーたちも、どこまでも自由に音楽を楽しみ、力強い表現を見せてくれたからこそ生まれた光景で、素晴らしい日比谷野音ワンマンだった。

Chara Live 2021 Sweet Soul Sessions ~ Glitter~

<ライブ情報>

「Charas Time Machine: 30th Anniversary Live」

2021年9月 デビュー30周年記念ライブ開催!

スケジュール

チケット

受付期間:7/18(日)20:00 〜 7/25(日)23:59

<放送情報>

Chara Official Website : https://charaweb.net/

Instagram : https://twitter.com/Chara_xxx_