【国交省】外航船の燃費規制を日本主導で条約化へ

大型外航船による二酸化炭素の排出削減を目指す新たな燃費規制が日本主導で実現する。既存船に対しても初めて燃費規制が適用される。

 国際海事機関(IMO)で海洋汚染防止条約の改正案が承認、採択され、早ければ2023年1月に新規制がスタートする見込みだ。国内の海運関係者からは議論をまとめ上げた国土交通省を称賛の声が上がっている。

 新たな規制では、これまで対象外だった既存船に対しても新造船並みの燃費性能を義務付ける。燃費の悪い旧型船は、エンジンなどの改造や減速運航によって基準を満たす必要が出てくる。

 また、毎年1回、燃費実績を事後的に把握する新たな仕組みも導入する。運航距離や船の重さなども考慮し、燃料消費量の実績に応じてAからEの5段階で評価。最低評価のEや、3年連続でDとなった場合、船主は船籍を置く政府に改善計画を提出しなければならない。改善されなければ航行できなくなる。

 いずれも規制強化に当たるものの、日本の海運業界からは歓迎する声が多い。かつて世界トップシェアを誇っていた日本の造船業だが、中国や韓国との激しい競争にさらされ、現在は両国の後塵を拝している。

 新規制が導入されれば、燃費性能に優れているとされる日本の船舶が優位になり、日本製の新造船への置き換えが進む可能性が期待されている。

 規制の議論を主導してきたのは国交省の海事局だ。新型コロナウイルスの影響でウェブ形式での会議を余儀なくされる中、日本を含めた19もの共同提案国との調整に奔走し、「骨の折れる作業」(海事局関係者)をやり遂げた。

 日本船主協会会長の内藤忠顕氏は「海事局がIMOの場でプレゼンスを発揮し、会議をリードしてきた」と、国交省の活躍ぶりをたたえた。

【国土交通省】日本の造船業支援に本腰 燃費に関する国際規制を創設