震災を経験した役ということで、気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館を訪れたり、当時の映像なども観たりして、アプローチしたという蒔田。「私としては想像することしかできないので。被災したあとで、お姉ちゃんやその幼なじみと再会するシーンは、みんなで作り上げられた気がします」
また、気仙沼のロケでは、地元の方々の協力が大いに励みになったとか。「エキストラとして地元の方々が参加してくださいました。みなさん本当に温かかったし、自分たちが震災のことを伝えようという気持ちもあったのではないかと。だからこそ、私たちももっと頑張って、ちゃんと表現しなきゃいけないと改めて思いました」
そんな未知は、永瀬廉演じるりょーちんこと及川亮に、ほのかな恋心を抱いている。永瀬とは第44回日本アカデミー賞新人俳優賞の場でも居合わせたそうで「その会場では照れくさかったです。お互いに『おめでとうございます』と言い合いました」と照れ笑いする。
未知の亮への思いについて、蒔田は「未知にはりょーちんを好きとか、付き合いたいといった気持ちもまだわからないのかなとは思っていました。だから、すーちゃん(恒松祐里演じる野村明日美。モネの幼なじみ)がりょーちんと付き合っていたと聞いた時も、『付き合うということもあるんだ』と思ったのかなと。私も未知がこの先どうなるのか、気になっています」と期待を寄せる。
これまで、映画の現場が多かったという蒔田だが、朝ドラの現場について「1年間、素敵な役者さんたちと現場をご一緒させていただくと、役との向き合い方や真剣さに刺激を受けています。私がこうしようと思って役を作っていっても、ほかの役者さんたちの雰囲気はまったく違っていて、そういうやり方もあるんだ! と思うこともありますし。自分の頭だけで考えるシーンじゃないんだなと、改めて実感させられる瞬間がいっぱいあります」と発見も多いよう。
また、「今までは、内に何かを秘める役が多かったけど、未知は怒ったり、喜んだり、キュンキュンしたりと、気持ちを外に出すシーンが多い素直な子です。これまでやったことがない役なのですごく勉強になるし、楽しみながら演じています」と大いにやりがいを感じている様子。まだまだ伸びしろを感じさせる蒔田。清原と共に、今後も目が離せない。
2002年8月7日生まれ、神奈川県出身。是枝裕和監督演出のドラマ『ゴーイング マイ ホーム』(12/KTV)に出演し、その後も、『三度目の殺人』(17)、『万引き家族』(18)など多くの是枝監督作品に出演。湯浅弘章監督作『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(18)で映画初主演を務め、第43回報知映画賞新人賞、第33回高崎映画祭最優秀新人女優賞を受賞。河瀬直美監督作『朝が来る』(20)で第44回日本アカデミー賞新人俳優賞をはじめ、国内の助演女優賞を総なめにした。
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