東京2020オリンピックの開幕が来月に迫るなか、サッカーや野球など、販売済チケットの一部については再抽選が実施されることが明らかになった。これは先の5者協議により、東京大会における観客上限が定められたことによるもの。東京2020組織委員会は23日に開催したメディア向け説明会において「再抽選の結果、一部のお客様には観戦の機会をご提供できなくなってしまう可能性があり、誠に申し訳ございません」と陳謝の言葉を口にした。

  • 東京2020組織委員会は23日、販売済チケットの一部再抽選について説明した(Photo by Tokyo 2020)

    東京2020組織委員会は23日、販売済チケットの一部再抽選について説明した(Photo by Tokyo 2020)

■約91万枚が無効に

東京2020組織委員会、政府、東京都、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)は21日にオンラインで5者協議を実施した。この結果、セッションの観客上限を会場定員の50%以内(最大1万人)と定めた。これを受け、全体の1割強のセッションが再抽選を要することになった。

  • 全体の1割強のセッションは再抽選が必要に。約91万枚を無効化する

    全体の1割強のセッションは再抽選が必要に。約91万枚を無効化する

対象となる競技数とセッション数は、以下の通り。陸上 : 16、野球 : 16、サッカー : 30、ゴルフ : 8、近代五種 : 2、ラグビー : 8、ソフトボール : 7、サーフィン : 8、開閉会式 : 2、合計で97セッション。例えば、サッカー男子の決勝戦(横浜国際総合競技場)はすでに4万枚以上のチケットを販売済み。これを1万枚まで減らす。

  • 再抽選となるオリンピック対象競技

    再抽選となるオリンピック対象競技

再抽選の結果は、7月6日未明以降に、公式チケット販売サイトのマイチケットのステータスで確認できる。「有効(利用可)」なら再当選、「無効(利用不可)」なら抽選に漏れたということになる。

  • 再抽選の結果は、7月6日未明に判明する

    再抽選の結果は、7月6日未明に判明する

  • マイチケットのステータスに「有効(利用可)」あるいは「無効(利用不可)」と表記される

    マイチケットのステータスに「有効(利用可)」あるいは「無効(利用不可)」と表記される

「有効(利用可)」のチケット所持者が希望すれば、払い戻しにも応じる。受付期間は7月6日未明~15日の11時59分まで。また「無効(利用不可)」ト表記された場合は、大会終了後にチケット代金の払い戻しが実施される。購入者の登録メールアドレス宛に連絡があり、その後、順次返金作業が行われる予定。

  • チケット代金の払い戻しについて

    チケット代金の払い戻しについて

残りの8割以上のセッションは観客数が上限に達しなかった。このため、現時点でチケットは有効(利用可)。しかし今後、感染状況の悪化により無観客開催になる可能性もあるとのことだ。

このほか、チケットの配送時間に猶予がなくなったため、従来は「紙チケット(配送)」「ホームプリントチケット」「モバイルチケット」の3種類を提供予定だったが、これを改め「ホームプリントチケット(pdfチケット)のみ」に変更した。公式チケット販売サイトのマイチケットにおいて7月6日よりpdfファイルがダウンロード可能になる。これを自宅などで印刷、会場に持参することで入場が可能となる。

  • 観戦チケットの発行方法が変更された

    観戦チケットの発行方法が変更された

  • ホームプリントチケットのイメージ

    ホームプリントチケットのイメージ

パラリンピックについては、7月16日までに観客の上限数が決定される。これを受け、オリンピックと同様に、観客の人数上限ならびに収容率の制限に伴う販売済チケットの再抽選が行われる見込み。

  • パラリンピックの販売済チケットについて

    パラリンピックの販売済チケットについて

また同日、東京2020組織委員会はチケットホルダー向けに「新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン」を公表した。10ページを超える内容で、会場に向かう際に気をつけること、待機列の並び方、会場で飲食をする際の注意事項や、応援の仕方、会場を退場する際に気をつけることなどを記載している。今後も、来場者には感染症拡大防止の協力を呼びかけていく考えだ。

  • 新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインのイメージ

    新型コロナウイルス感染症対策ガイドラインのイメージ