ビットキーは6月23日、佐川急便と東京都内のオートロックマンションにて、ドアマエ(専有部玄関前)およびドアナカ(専有部玄関内)への「置き配」の実証実験を行ったことを発表した。

  • 顔認証でオートロックエントランスを通過する様子

    顔認証でオートロックエントランスを通過する様子

置き配は非対面で配達できる一方で、入居者不在時のオートロック付きマンショ ンでは実施できないことや、荷物を戸外に置くことによる盗難リスクなどの課題が指摘されている。

ビットキーが開発したスマートロックやhomehubは、製品やサービスとつながることで機能を拡張でき、すでに家事代行サービスの予約とカギが連動する機能などを提供するほか、マンションのオートロックエントランスに対応できるスマートロック「bitlock GATE」 も提供し、オートロックのプラットフォーム構築に向けて不動産管理会社との連携を強化しているという。

今回、これらの技術が、佐川急便が実施した「SAGAWA ACCELERATOR PROG RAM」において評価されたことから、安全性・利便性が求められるオートロックマンションへの再配達削減を目的とした実証実験に至ったという。

実証実験は2月中旬〜3月上旬、東京都江東区のオートロックマンションにて実施した。事前に設置したのは、オートロックエントランスのドアと連携したbitlock GATE、顔認証を可能にする、bitlock GATEと連携したタブレット端末、専有部向けスマートロックbitlock LITEと置型のセキュリティカメラ(専有部の玄関内に配達する「ドアナカ」を希望した世帯のみ)。

  • ドアナカ配達時の専有部のスマートロック解錠用デジタルキーの受け渡し方法

    ドアナカ配達時の専有部のスマートロック解錠用デジタルキーの受け渡し方法

実験では、住民がECサイト(実験では4社のECサイトに限定)で商品を注文し、ドアマエに配達する場合は顔をカギとして事前登録した配達員が共用部のオートロックを通過、注文者自宅の専有部玄関付近に配達。ドアナカに配達する場合は、配達員の氏名や顔写真、配達日時を開示した上で専有部玄関に設置したスマートロックbitlock LITEを解錠できる一時的なデジタルキーを注文者へ申請し許可を得て、顔をカギとして事前登録した配達員が共用部のオートロックを通過。注文者自宅の専有部玄関に設置したスマートロックbitlock LITEを解錠して玄関内に配達。ドアマエ、ドナナカいずれの場合も、配達完了後は注文者へ通知を送付したという。

  • bitlock LITE

    bitlock LITE

ドアナカ配達時における専有部のスマートロック解錠用デジタルキーの受け渡しについては、荷物の情報や配達日時に加えて配達員の氏名や写真を注文者に知らせ、配達員はアプリ上で事前に配達日時に合わせた一時的なデジタルキーの発行を注文者に申請して注文者より許可を得る——という方法で行ったということだ。

ビットキーは今後、この実験で見えた課題を解決するほか、更なるニーズの深堀やユーザーの声を吸い上げるべく、2021年秋頃に次回の実証実験を予定しているという。この検証を通じ、両社では引き続きサービス化に向けた取り組みを進めるということだ。