【MBOの新たな潮流】医薬品開発支援・国内最大手 EPSホールディングスがMBOで非上場化

CROのモデルチェンジ

 CRO(医薬品開発業務受託機関)ビジネスの開拓者であるEPSホールディングスがMBO(Management Buyout)を発表し、非上場化する。EPSHDの筆頭株主は、創業者で代表取締役の厳浩氏が100%出資するワイ・アンド・ジー。公開買付者は厳氏が全株式を所有する「新鷹」となる。

 EPSHDは、CROの他、SMO(治験施設支援機関)、CSO(医薬品販売業務受託機関)など様々な事業を手掛けて、売上高は拡大しているものの利益は停滞。厳氏は「既存事業の延長線だけでは業績を維持できても持続的な成長は困難」と考え、「大胆なビジネスモデルの転換を要する成長施策を柔軟かつ機動的に実行する必要がある」とMBOを決断した。

 厳氏はMBOの理由を「CROのモデルチェンジをするため」と説明する。持続的な成長のためにも、既存のCRO事業を〝オールドCRO〟と捉え、新たなビジネスモデル〝ニューCRO〟を構築していく。

「今のCROはフィービジネス。製薬会社さんの臨床試験を請け負って、『10億円です』『20億円です』というビジネスです。ところが、大学に埋もれているシーズがたくさんある。その基礎研究をどう〝モノ〟にしていくか。基礎研究と製品化は別物なので、その間をどう埋めていくか。既存のCROのように杓子定規に仕事をしていたらうまくいかない。ベンチャーは10億円を払えないので成功報酬になるが、成功したらリターンは大きい。そうなると、ビジネスモデルが完全に変わります。だからニューCROなんです」

 EPSHDはMBOの発表と同時に、1932年創業、医薬品卸国内3位のスズケンとの資本業務提携強化を発表。スズケンは医薬品製造事業も手掛けており、EPSのCROの知見に加え、日中を股にかける強みを活かし、創薬ビジネスにも本格的に進出する考え。

 EPSの社名の由来は、Ever Progressing System。この社名が意味するように「世の中は変わっていきますから、ひとつのモデルに固執してはいかんのです」と厳氏。創業30年を迎え、次の成長に向け、大きなビジネス転換を進めていく。

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