左から井上裕介(NON STYLE)、高木裕平、久野美咲、梶裕貴、雨宮天、福山潤、神尾晋一郎。

鈴木央原作による「劇場版 七つの大罪 光に呪われし者たち」の完成披露プレミア上映会が、去る6月21日に東京・丸の内TOEIで行われ、メリオダスおよびゼルドリス役の梶裕貴、エリザベス役の雨宮天、ホーク役の久野美咲、キング役の福山潤、ゴウセル役の高木裕平、ゲスト声優で出演したダブズ役の神尾晋一郎、魔神B役の井上裕介(NON STYLE)が登壇した。

7月2日に公開を控えた率直な感想を聞かれ、梶は「最後までキャラクターを演じさせていただきたいというお話を常々していたので、その夢がようやく叶ったんだなと思いました。完結した物語のその先にある、ある種幸せな結末を、劇場版として皆さんとともに迎えることができて本当にうれしいです」と喜ぶ。雨宮もエリザベスを演じてきた約7年を振り返り「こんなに1つの役を演じるなんて、7年前は想像もしていなかった分、幸せを感じています。劇場版はいちファンとしても観たかった物語が詰まっているので、今からファンの方に観ていただけるのが楽しみです」と感慨深げに述べた。次に久野が「ホークを演じ続けられるのかなって不安になったときもあったんですけど、最後まで演じることができたので、もう思い残すことは何もありません」と続けると、井上から「辞めんの、仕事。仕事辞める人みたい」とツッコミが入り、久野は「辞める予定はありません(笑)」とすかさず返した。

続いて「思い出に残っているエピソード」という質問が投げかけられると、梶は福山の名前を挙げ「メリオダスのことをみんな『団長』って呼んでくれるんですけど、何を思ったのか、彼(福山)は本番で『隊長!』って言ったんですよ。探検隊ではなかったはずなんですけど……」と、福山に視線を投げる。すると福山は「梶くんの“体調”が心配だったのかな。“断腸”の思いで演じましたので」とダジャレ混じりで返し、笑いを誘った。また雨宮がアフレコ後によく皆でしゃぶしゃぶを食べに行ったことが思い出に残っていると話すと、梶も「みんな、魔力を解放するようにいろんなことを炸裂させていましたね」と思い出しながら頷いた。

さらにイベントでは、各々が演じるキャラクターの初登場シーンの音声が流される場面も。久野が「緊張して息が吸えなかったですね。でも今は自然と豚らしくなり、男前な部分も楽しみながら演じられるようになりました」と当時を振り返ると、梶は「ホークは原作で『とっとこ』という手書きのオノマトペが添えられるんですけど、それをアフレコでもアドリブで入れていて、さすがだなと思いましたね」と久野を称賛した。自身の第一声を聞いた高木は「初めてのレギュラーでのアフレコで、しかもオリジナルのシーンということで、プレッシャーから血を吐きそうになりました(笑)」と打ち明けた。

「七つの大罪」の好きなところについて質問されたゲスト声優の神尾は、「僕は傲慢な人に憧れてるところがあって、キャラクターではエスカノールが一番好きなんですよね。彼の最後のシーンは涙なしには語れないですし、思い出深いです」と答える。井上が「勧善懲悪ではないところが魅力ですよね。あとは膨大な量のキャラクターがいるので、自分の推しメンを探すのも楽しいですし。キャラクターではシュッとしてないときのキングが好きですね。自分とシンパシーを感じるものがあるので」と語ると、福山は「これ(パネル)が無かったら、ハグしてました」とうれしそうに話した。

イベント終盤では、それぞれから「七つの大罪」完結への思いが語られる。鈴木からのイラスト付きのコメントも寄せられ、「私個人としても本編で描き残したエピソードが詰め込めて楽しい仕事でした!」「今はまだ難しいでしょうけど、いつかスタッフさんたち、皆さんと打ち上げがしたい」との言葉が、メリオダスらの姿とともにスクリーンに映し出された。

雨宮は「自分がエリザベスを演じていてよいのかなと思ったときも少なくはありませんでした。でもエリザベスと出会っていなかったら、表現の引き出しが全然違うものになっていたと思います。今回のエリザベスのセリフにすべてを込めました。彼女の愛情と覚悟を見届けていただけたら」と呼びかける。梶は「第1話のアフレコのときに、監督とスタッフから『この作品はメリオダスとエリザベスの愛の物語です』というふうに言われていました。メリオダスは3000年かけて、エリザベスとの愛の時間を手に入れた。劇場版にはその思いが詰まっていると思います。こうやって作品にしていただくことで、キャラクターたちは生き続けますので、これからも彼らと一緒に歩んでもらえたらうれしいです」とメッセージを贈った。そして梶がメリオダスの声で「さてさてさーて、ありがとう、大罪!」と叫ぶと、ステージ上に「ありがとう、大罪!」と書かれた断幕が現れ、イベントは幕を閉じた。

2012年から2020年の間、週刊少年マガジン(講談社)で約8年間にわたり連載された「七つの大罪」。2014年にTVアニメ化され、現在放送中のTVアニメ「七つの大罪 憤怒の審判」が6月23日に最終回を迎える。「劇場版 七つの大罪 光に呪われし者たち」では、TVアニメから続く“最終章のその先”が、鈴木によるオリジナルストーリーで展開される。

劇場版「七つの大罪 光に呪われし者たち」

2021年7月2日(金)全国公開

スタッフ

原作:鈴木央 『七つの大罪』(講談社「週刊少年マガジン」)
監督:浜名孝行
脚本:池田臨太郎
アニメーションキャラクター設定:西野理惠(作画組)
美術監督:空閑由美子
音楽:KOHTA YAMAMOTO / 澤野弘之
音響監督:若林和弘
制作:スタジオディーン
製作:「劇場版 七つの大罪 光に呪われし者たち」製作委員会
配給:東映

キャスト

梶裕貴、雨宮天、久野美咲、悠木碧、鈴木達央、福山潤、高木裕平、坂本真綾、杉田智和、川島明(麒麟)、井上裕介(NON STYLE)、倉科カナ、中村悠一、神尾晋一郎

※高木裕平の高ははしごだかが正式表記。

(c)鈴木央・講談社/2021「劇場版 七つの大罪 光に呪われし者たち」製作委員会