住宅ローン返済額と返済比率の平均を地域別や世代別に分けて解説します。

◆住宅ローンの返済額平均はいくら? 毎月いくら返している?
住宅を買おうとしているけど、ローンの返済額をいくらにすればよいかわからない、何度計算してみても不安だという方も多いと思います。

ここでは、住宅ローン返済額や返済比率の平均を取り上げます。住宅ローン返済額と返済比率の平均を知ることで、それぞれの家計が安心して返済できる金額を考えてみましょう。

◆住宅ローンの毎月返済額、全国平均は9万円
総務省「2020年家計調査(2人以上世帯、勤労世帯)」によると、住宅ローン返済世帯の返済月額は9万2111円です。同調査による毎月の世帯収入は66万1843円ですので、住宅ローンの返済負担率は13.9%となります。

平均の返済負担率は、フラット35(長期固定金利の住宅ローン)や金融機関の審査基準の返済比率である25~30%を大きく下回っています。

◆「平均」の取り扱いに注意
ローン返済の月額や世帯収入は、あくまで全国平均であり、全世代の平均です。今回統計データを参照している家計調査は、日本全国の世帯の縮図となるように調査対象世帯を選定しているので、実際とのバラつきは非常に小さいのですが、平均返済額の「約9万2000円」には、東京の世帯の返済額もあれば北海道や九州の世帯の返済額も含んでいます。

東京と福岡では土地の値段が全く違いますし、同一県内でも地域差は大きいです。当然に住宅ローンの金額や返済額も違ってきます。また、世代によってもバラつきもありそうですので、もう少し平均の住宅ローン返済額を分解してみたいと思います。

◆住宅ローン返済世帯、世代ごとの返済額の違い
住宅ローン返済世帯の30代と50代の返済額や負担率を比べてみました。
世代別の住宅ローン返済額の平均
ローン返済額は、30代が8万6513円、50代が10万3576円、返済負担率は30代が14.5%、50代が14.1%となり、世代間の大きな差はありませんでした。

◆地域別の返済額
次に地方別です。全国平均と関東、九州とを比較します。
地方別の住宅ローン返済額の平均
ローン返済額は関東が10万1134円、九州が8万3451円、世帯収入は関東が64万3133円、九州が57万5178円でした。返済負担率は関東が15.7%、九州が14.5%という結果となり、関東も九州も全国平均を上回っています。

◇負担率の低い地方は?
では、負担率の低い地方はどこでしょうか。地方別の負担率を調べてみると、画像のようになりました。
地方別の住宅ローン返済額の平均
北海道、東北、北陸、四国の4つの地方が全国平均を下回る返済率でした。一方、関東、近畿、沖縄の返済負担率が高くなっていることがわかります。

◆住宅ローンの借入額をシミュレーション
関東の毎月の返済額は10万1134円、九州の毎月の返済額は8万3451円です。この金額から住宅ローンをいくら借りることができるのか(住宅ローン借入可能額)を単純計算で求めてみます。

35年返済の固定金利(年1.36%、ボーナス払いはなし)の条件で、住宅ローンを借りたとして計算すると、関東の借入可能額は3373万円、九州は2772万円となります。

◆住宅ローンの借入と自己資金の割合の平均
最後にローンと自己資金の割合の平均を調べてみます。国土交通省の「住宅市場動向調査」によると、自己資金と借入金の割合は、だいたい3対7となっています。十数年前の調査時は、借入金の割合は50%をわずかに超える程度でしたが、近年借入金の割合が高くなっています。

前項の借入可能額を7割、自己資金を3割として購入できる住宅の価格を計算してみると、関東は約4800万円、九州は約3960万円ということになります。

◆まとめ
ローン返済額や収入・返済比率の平均をご紹介しました。収入に対する住宅ローンの負担率は14~15%であることがわかりました。

紹介した平均の数字を目安にして、各家庭の家計の状況にあった無理のない住宅購入計画を立ててもらえたらと思います。

文:井上 陽一(マネーガイド)

文=井上 陽一(マネーガイド)