宮古民謡歌手・松原忠之が語る“宮古民謡とヒップホップの共通点”とは?
放送作家・脚本家の小山薫堂とフリーアナウンサーの宇賀なつみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」。6月13日(日)の放送では、宮古民謡歌手の松原忠之さんをゲストに迎え、お届けしました。


(左から)小山薫堂、松原忠之さん、宇賀なつみ



松原さんは、1992年生まれ、沖縄県浦添(うらそえ)市出身。8歳から20歳まで、宮古民謡の第一人者である国吉源次さんに師事。現在は、実家の家業である鳶職の仕事をしながら、宮古民謡を歌い継いでいます。

松原さんが宮古民謡と出会ったきっかけは、8歳のとき。「親が宮古出身なので、三線に興味を持ち始めて『習いたい!』となって。自分のなかでは、どれが沖縄の民謡で宮古の民謡なのかわからなかったんですけど、(親に)連れて行かれたのが宮古の民謡の先生のところでした」と振り返ります。

宮古民謡について、「古くから神を祀っている場所で、女性たちが神に祈りを捧げる言葉にメロディーがついたというイメージですね。だんだんメロディーがついて、いろいろな宮古の歌に派生していったような感じ」と松原さん。現在、宮古民謡に携わって習っている人はたくさんいるものの、プロのアーティストとして活動をしている人は「数えるほど」と言います。

そんな宮古民謡はどんな歌なのでしょうか。松原さんは、スタジオで三線を生演奏しながら歌声を響かせました。披露してくれたのは、6月23日(水)リリースの松原さんのデビューアルバム『清ら海、美ら島~あやぐ、宮古のうた~』に収録されている「トーガニーあやぐ」。

この曲について、「宮古の『君が代』とか国歌と言われるような歌です。お祝いの場所や催しの場所で、最初に歌われる歌ですね。宮古の素晴らしい歌を、世の隅々にまで響き渡らせようという思いの歌になっています」と自ら解説します。

松原さんが奏でる三線の音色と歌声に、宇賀は「なんだか南の島に行った気分になりました。心は宮古に行っていました」とうっとり。小山も「歌詞(の意味)はまったくわかりませんけど、神様に捧げている感じはしました」と聴き入った様子。

あらためて、松原さんは「沖縄の民謡のなかでも、宮古の歌は少し独特な感じですね。そこが魅力かなと思います」と胸を張ります。宮古民謡が発祥したときはアカペラだったそうで、「宮古の歌は、祈りの言葉からだんだんとメロディーがついていって、最初に世の中に出た、伴奏がついた宮古民謡はオルガンでした。

レコードが出て、20世紀中頃ぐらいに三線の伴奏がもともとある歌に対してつけられていったんです。歴史で言うと、沖縄とか八重山、石垣よりは後になりますね」とその歴史を語ります。


「トーガニーあやぐ」を弾き語る松原忠之さん



松原さんは、小学生時代に宮古民謡にのめり込んでいったものの、中高生時代はヒップホップやラップをやっている先輩たちに憧れ、10年ぐらいラッパーとして活動していたことも。「そのなかで、やっぱり民謡をだんだんと理解していったというか、“(宮古民謡も)ヒップホップなんだな”と思って。民謡がかっこよく思えて仕方なくなってきたんです。すごい先生から習っていたし、発信をしていきたいなと思った」と言います。

小山が宮古民謡とヒップホップの共通点を尋ねると、松原さんは「人々の生活からにじみ出た歌詞だったり、苦しいなかにいながらも音楽で自分たちのマインドを保っている部分だったり。勉強をしたら、沖縄の民謡も宮古の民謡も、人のライフスタイルのなかから生まれた音楽というところがかっこよかった」と思いを語ります。

そして、この日は松原さんに、“いま、手紙を書きたい人”へ宛てた手紙を書いてきてもらいました。それは、今年5月4日(火・祝)に亡くなられたという宮古民謡の恩師である国吉源次さんへ宛てた手紙。

「今度出るCDは聴いてもらえなかったんですけど、自分がヒップホップをやって少し携われていなかった時期もあったので……いろいろと迷惑もかけたので、先生にぜひ手紙を書きたいと思って書いてきました」と言い、松原さん自らその手紙を朗読しました。

松原さんと恩師との関係性がうかがえる内容に、小山は「素晴らしいお手紙ですね。先生にもきっと届いているんじゃないですか。CDが出るまで、あと1ヵ月半だったんですね……」としみじみ。宇賀も「(先生に)聴いてほしかったですね……師匠と弟子の関係ってなかなかないですもんね。大変なこともすごくあったと思いますけど、うらやましくなりました」と感じ入っていました。

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次回6月20日(日)の放送も、どうぞお楽しみに!

<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY’S POST
放送日時:毎週日曜 15:00~15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/post/