【厚生労働省】災害時に備え、病院の浸水・耐震対策を支援

厚生労働省は2021年度、災害時の医療提供体制の強化に乗り出す。浸水被害の予想される医療機関が電源設備や医療設備を上階に移設したり、止水板を設置したりする場合に助成金を出す。地震などで倒壊の恐れがあるブロック塀を持つ病院にも、撤去費や改修費を助成する。新型コロナウイルスの流行を受け、災害派遣医療チーム(DMAT)が感染を広げないように活動する訓練も実施する。

 厚労省によると、19年度の台風19号では38カ所、20年7月の豪雨では34カ所の医療機関が浸水被害を受けた。

 助成対象は、浸水が想定される区域にあり、地域医療の維持の観点から区域外へ移転できない救命救急センターや災害拠点病院、周産期母子医療センターなど。自家発電設備やコンピューター断層撮影(CT)スキャン機器、磁気共鳴画像装置(MRI)を移設などする場合、費用の3分の1を支援する。経費は計2億800万円。

 地震対策では、18年の大阪北部地震で小学校のブロック塀が倒壊して登校中の児童が死亡した事故をきっかけに、厚労省が全国の病院に緊急点検を要請したところ、倒壊の恐れがあるブロック塀が約700カ所あることが分かった。これらの撤去・補強改修費用について、3分の1を助成する。上限額は塀の長さによって異なる。助成対象は病院のみで、診療所は除く。経費は計1億8800万円。

 また、災害時に医療機関の通信手段を確保するため、厚労省はこれまで災害拠点病院が衛星携帯電話や衛星データ通信などの設備を導入する場合に助成を行ってきた。21年度からは救命救急センターなども助成対象に加えた。

 DMATなどが被災地で活動する際は、隊員自身が感染しないこと、感染を不用意に広げないことが重要になる。そこで厚労省は、コロナや他の感染症が拡大している状況での活動の在り方について検討。今後の訓練・研修に活かす方針だ。

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