アストンマーティンだから味わえる、本物のヨーロピアン・ラグジュアリー

カーライフと一概に言っても、それはとてもパーソナルなもので正解などあるはずのないものだ。一方で一台の車からインスパイアされるカーライフもあるもので、それは時に自身の世界観を広げるような体験を伴う。例えばアストンマーティンは人を魅了し、新しい扉へと誘うだけの歴史、哲学、挿話を持ち合わせた稀有な存在。

だから、アストンマーティンのオーナーとなったら、ドライブの目的地にまでアストンマーティンにふさわしい場所を選びたくなるのは必然の流れだ。その候補として挙げていただきたいのが今年3月にオープンしたばかりの『THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田』。食通だけでなく、そのホスピタリティまでを包括して、早くも好評を得ているデスティネーションのひとつである。

【いざ、美食の地へ!英国車で行くグランドツーリング】(写真24点)

『THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田』は、全国に高級レストランなどを展開する『ひらまつ』による7つめの宿泊施設。「森のグラン・オーベルジュ」を標榜し、豊かな自然のなかで本物の美食と安らぎを追求したグルマンのための理想郷だ。東京から最寄りの佐久ICまでの道のりは、関越自動車道から上信越自動車道を経由し約250kmほど。時間にして3時間半ほどのドライブとしては適度な距離だ。

グランドツーリングの本場である英国では、ロンドンからドーバー海峡を渡りパリを通過し、ヴィンテージのシャンパンを抜きに行くといったドライビングも至極当然の範疇。今回のツーリングに関しても、この250kmという距離をイギリスに置き換えるとどうだろう。それはさしずめ、ロンドンを出発し、アストンマーティンの故郷ともいえるウェールズへと向かう道程のようなものか。共通するのはそのルートが主に豊かな緑の中を延々と走るということ、適度なハイスピードワインディングが続き、マシンを操る楽しさを存分に味わえるルートである、ということだ。もちろんそこには鍛え抜かれた本物のグランドツアラーが必須条件であることは言うまでもない。

『THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田』に向かったのは2台のアストンマーティン。英国流スーパーGTの象徴であるアストンマーティンDBSスーパーレッジェーラと、新世代のアストンマーティンを牽引するDBX、同ブランドでもおそらく真逆のキャラクターを背負って生まれた2台だ。

ご存知のとおりDBSスーパーレッジェーラは5.2リッターV型12気筒エンジンを搭載し、725PSを発生するモンスターマシン。スペックだけで見ればある意味暴力的だが、いざ走らせると意外なほどにスムーズかつ軽快であることが分かる。気負うことなく運転に没頭できるため、3時間強の道のりも心地よく集中を切らさずステアリングを握ることが可能だ。

他方DBXは4リッターV8ツインターボにて550PSの動力を発する4輪駆動のSUV。ただしフロントに露出したトラス構造のアルミフレームが物語るように、一般的なモノコック式SUVとは一線を画す、スーパースポーツのノウハウを導入した一台だ。アクティブなドライブフィールを堪能するも良し、広い車内を生かした複数人数での旅にも適した、極めてハイレベルなマルチカーに仕上がっている。

東方面からも西方面からも同じ佐久ICを降りて、その後20分ほど下道を走る。浅間サンライン脇の広大な南斜面を占める瀟洒なリゾートこそ、今回の目的地であるTHE HIRAMATSU 軽井沢 御代田だ。6万㎡以上を誇る敷地のなかに客室は僅かに37室のみ。選ばれたゲストのための贅を凝らした楽園として完成している。各種サービスを集約させた本館も確かに魅力的。今回はよりプライベートな時間をじっくりと味わうためにも、ヴィラスイートの宿泊をチョイスした。

株式会社ひらまつのマーケティング部長、植杉かおり氏曰く「当館のヴィラは長期滞在を考慮したしつらえが特徴です。プライベートに配慮した立地や設計に加え、各部屋にはミニキッチンや洗濯機なども備えています。また、当施設周辺には複数の観光スポットに加え、道の駅をはじめ地のものを提供する店舗も点在しており、軽井沢・御代田という土地を味わい尽くす意味でも、二日以上の滞在をお奨めしています」

聞くところによると、このTHE HIRAMATSU 軽井沢 御代田では、昨今リモートワークの拠点として活用する人や、別荘代わりに長期滞在を選ぶ顧客も増えているのだそう。

そんな同リゾートの真骨頂といえば「森のグラン・オーベルジュ」と銘打つ食にある。なかでもメインダイニングにて供されるディナーは格別なもの。

若きシェフである柳原章央氏が、ホテル開業までに二年を掛け出会った上質な信州食材を多彩に取り入れており、どの料理も美しく自然の力と滋味を豊かに引き出したものばかり。一食終えただけでも、なぜひらまつがこの地を選んだのかが納得できるメニューとなっている。折しもこの日は恵みの季節がもたらす終日の雨天。森の木々に囲まれプリミティブな時間が過ごせる ”TAKIBIラウンジ”はクローズされていたが、ここを訪れる人は、ぜひ至高の食と同時に火のゆらめきも味わってほしいものである。

絵に描いたがごとく穏やかなヴィラスイートでの一夜を経て感じたのは、本物がもたらしてくれる心からの満足感だ。生粋のグランドツアラーを駆って唯一無二のドライビングを満喫する”動”の時間。そして美しい環境とラグジュアリーなもてなしを揃えたリゾートにて浸る”静”のひととき。極め付きが自然の活力を見事に引き出した至高の味わいによる”食”という体験。心に広がる深く濃い満足感は、どの要素も究極かつまぎれもない本物だからこそ。

帰路の車中にて、このような極上の旅は一体どこから始まったのかを改めて考える。それは確かにアストンマーティンという一台のマシンがすべての起点となっているのだ。素晴らしい出会いはどこにでもあるというものではない。本物に見合った本物の上質を知る者たちが乗り継いできたブランドは、やはり本物がよく似合う。アストンマーティンを手に入れることで、自分自身が磨かれる、そんな体験だった。


THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田
〒389-0201 長野県北佐久郡御代田町大字塩野375番地723
電話:0267-31-5680(代表)
https://www.hiramatsuhotels.com/miyota/


文:長谷川 剛 Words: Tsuyoshi HASEGAWA 写真:高柳 健 Photography: Ken TAKAYANAGI