システム障害のみずほFG 単体業績で三菱UFJ上回る

「本業の収益に支えられた堅調な決算だった」と話すのは、みずほフィナンシャルグループ社長の坂井辰史氏。

 2月末から2週間足らずで4度起きたシステム障害で社会から厳しい批判を浴びた、みずほFG。しかし業績は回復基調にある。2021年3月期連結決算では、連結純利益で前期比5%増の4710億円を確保。中核のみずほ銀行単体で見れば、本業の儲けを示すコア業務純益が5371億円と伸び、三菱UFJ銀行(2714億円)を上回る健闘を見せた。

 26年度までに1万9000人(17年3月末比)を削減することを柱とするリストラ策や、19年3月期に踏み切ったシステムの一括減損などの構造改革が効果を発揮し、収益改善の芽が出てきた形。海外事業でも「グローバル300」と呼ぶ、有力企業にアプローチし、融資と社債引き受けを有機的に提供する戦略が浸透し始め、経済が急回復した米国を中心に収益増を達成した。

 坂井氏は19年春の役員人事では佐藤社長時代を支えた80年入行組の実力役員を相次いで退任させ、若返りを断行。また、20年のグループ人事では、みずほ信託銀行社長に初めて生え抜きを据え、系列リース会社やノンバンクの社長人事でも親密先の旧行出身者を起用しないなど坂井色を打ち出し、徐々に権力基盤を固めてきた。

 システム障害を受けて、銀行の勘定系システムなどを担当するみずほFG専務の石井哲氏(1986年旧日本興業銀行)の取締役退任を決めた他、みずほ銀行頭取の藤原弘治氏(85年旧第一勧業銀行)もシステム障害の再発防止策がまとまり次第退任することが固まっている。再発防止に早急にメドを付け、顧客の信頼を回復しながら、中計で掲げた最終年(24年3月期)の連結業務純益9000億円の目標達成に道筋を付けられるか。

 図らずも権力基盤を強めた坂井氏の経営の真価が問われるのはこれからだ。

みずほ銀行でシステム障害多発、ガバナンスに課題はなかったか