【財務省】PB黒字化目標達成に意欲も経済の本格回復は見通せず

麻生太郎財務相は5月28日の閣議後会見で、6月中旬に閣議決定する経済財政運営の指針(骨太方針)に、少なくとも2022年度から3年間は歳出の目安を継続する方針などを柱とする財政制度等審議会建議(提言)の内容を反映させる考えを示した。「(建議は)非常に大事な提言。6月の骨太方針にしっかり反映しないといけない」と語った上で、基礎的財政収支(PB)の黒字化目標については「経済再生と財政健全化の両立を進める必要がある」と強調。「PB目標達成ができるようにやっていかないといけない」と、財政規律の重要性を改めて示した。

 ただ、新型コロナの感染再拡大に伴い、9都道府県を対象に発令中の緊急事態宣言が6月20日まで再々延長されたこともあり、経済の本格回復は見通せないままだ。麻生氏は今後の景気の見通しに関し、「個人消費は経済の大きな部分。気分的に消費を抑えるとか、景気の気の部分が気になっている」と述べた。一方で、観光など打撃を受ける業種があるものの「家具やゲームなどは(巣ごもり需要で)伸びている。ワクチンも広がってくる」として、現時点で財政が急激に悪化する可能性は低いとの認識を示した。

 とはいえ、7月23日開幕の東京五輪は、感染対策のために海外からの大会関係者の入国は最小限にとどまる上、変異株への警戒もあり、経済効果は当初見込みから大幅に落ち込んだ。

 そもそも、今秋までに衆院解散・総選挙が控えており政府与党内に「歳出改革の雰囲気は全くない」(財務省幹部)のが実態。税収の大幅増は当面見込めない中で、支出が膨らみ続ければ次世代へのツケは余りにも大きい。麻生氏の経済財政運営はかつてない厳しさを増している。

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