左から村瀬修功監督、小野賢章、ハサウェイ・ノア役の小野賢章、プロデューサーの小形尚弘。

劇場版「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」の公開を記念した舞台挨拶が、本日6月13日に東京・丸の内ピカデリードルビーシネマで開催され、ハサウェイ・ノア役の小野賢章、村瀬修功監督、プロデューサーの小形尚弘が登壇した。

数回の公開延期を経て、6月11日に全国で封切られた「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」。1989年に出版された富野由悠季による同名小説を原作とした作品で、ブライト・ノアの息子ハサウェイが、新型モビルスーツ・Ξ(クスィー)ガンダムを駆り、地球連邦政府に反旗を翻す姿が描かれる。初日の興行収入が1億9000万円を突破するスタートを切った同作。今回の舞台挨拶は、公開後初の有観客イベントとして行われた。率直な気持ちを聞かれた小野は「原作の発売から30年以上経っていて、公開も延期に次ぐ延期で。そのフラストレーションが、今の盛り上がりにつながっているのではないかと感じています。控室にまで本編の音が聞こえてきたんですけど、ようやく公開されたことを実感しました」と感慨深げに語った。村瀬監督も「1回延びたときは当分公開されないだろうと思っていたけど、何とか公開に辿り着けてよかったです」とホッと胸をなで下ろす。

初回のアフレコは2年前に収録。その場には小野、村瀬、小形をはじめ、ギギ・アンダルシア役の上田麗奈、ケネス・スレッグ役の諏訪部順一が参加していたという。当時を振り返り小野は「ハサウェイの気持ちやキャラクター間の関係性など、台本がメモでいっぱいになって。これは役柄に落とし込むのが大変だなと感じました」と語った。また演技で苦労した点については「バランスが難しかったですね。ギギやケネスと話しているときは“好青年なハサウェイ・ノア”なんだけど、マフティーとしても活動しているからバレないようにしなくてはいけない。気を休められず、ずっと緊張の糸が張っている状態だったので、すごく大変でした。ただクスィーに乗っているときなど、目の前のことだけに集中できたときは、演じていて楽しかったです」と打ち明けた。

注目してほしいシーンについて小野は「個人的には市街地での戦闘シーンですね。日本ではまずないかもしれないですけど、もし自分がこういう状況に置かれてしまったらと考えると、ものすごく恐怖を感じました」と話し、小形は「音にこだわって、最初からドルビーシネマ上映を想定して作られたんですよね。4Dでも別の音響が楽しめますし、普通の5.1版でもエレガントな仕上がりが味わえると思います」とアピール。村瀬監督は「今回派手なものを作っちゃったかなと思う部分があるので、そのへんを整理しながら2作目、3作目も作っていきたいなと思っています」と意気込んだ。

最後に小野は「本当にスタッフ一丸となって時間をかけて丁寧に作り上げた作品です。何回も見て応援していただけたら」と言い、小形は「ガンダムシリーズの映画の中で1番を取りたいという気持ちがあります。富野さんへの恩返しにも繋がると思うので、皆さんのガンダム愛でそこまで行かせてもらえたらありがたいです」と気持ちを伝えた。村瀬監督は「掘り下げられるぐらいの厚みはあると思うので、いろいろ探ってもらえたら。興業成績は小形くんに任せる形で、次を作りたいと思います」とメッセージを贈り、イベントは締めくくられた。