【経済産業省】ウイグル問題が日本にも波及 綿花の次は太陽光パネル?

米税関・国境警備局(CBP)が中国・新疆ウイグル自治区の強制労働をめぐる輸入禁止措置に違反したとして、ファーストリテイリングが展開する「ユニクロ」のシャツを米西海岸の港で輸入差し止めにしていたことが、このほど明らかになった。

中国・新疆綿の使用を巡りユニクロや良品計画が難しいかじ取り

米国と中国の覇権争いでは「人権」が焦点になっており、「米中に密接な日本企業、ブランドにも影響が及ぶのは必至」(外務省幹部)。ウイグル問題の影響は綿花から太陽光パネル素材などの調達にも広がる可能性があり、日本政府は状況を注視している。

 米政府は昨年12月、強制労働を理由に「新疆生産建設兵団」が生産に関わる綿製品の輸入を禁止していた。兵団は中国共産党傘下のウイグル綿花の生産団体であり、米政府は「ウイグル人労働者の人権を侵害している」とみて、経済制裁の対象としている。ユニクロは「調達している原材料は兵団などと無関係だ」と申請したが、CBPは証拠不十分だとして却下していた。

 中国の経済や先端技術が国際的な影響力を増す中、米国や欧州連合(EU)などは中国の少数民族に対する人権侵害を厳しく監視する構えだ。この結果、新疆ウイグル自治区での生産、調達を手掛ける国際企業は、米国と中国の狭間で米中双方に踏み絵を迫られかねない状況となってきた。

綿などのウイグル産品の利用を止めれば、「米国の理解は得られても、中国政府の反発を買い、巨大な中国市場を失う恐れがある」(安全保障に詳しいコンサルティング会社幹部)。中国事業が大きな割合を占める「無印良品」の良品計画は、現状で人権上の問題はないとの立場で使用継続を表明した。

こうした動きは今後、綿花だけではなく、太陽光パネルの素材や幅広い部品などにも広がる可能性が高い。例えば、太陽光パネルの材料「ポリシリコン」は、新疆ウイグル自治区が主要生産地となっており、日米などの企業も利用しているとの見方が多い。

経済産業省幹部は「製品や部品の米国向け輸出・販売が人権問題で制約される事態も起こり得る」と警戒を強めている。