デル・テクノロジーズは6月10日、5月5日と6日にオンラインで開催された「Dell Technologies World 2021」のポイントを説明した。

「Dell Technologies World」のオンライン開催は、昨年に続き2年連続となる。このイベントの大きなテーマは、「Moving Forward - together(困難な状況をみんなで乗り越えていこう)」で、200以上のセッションが開催された。

デル・テクノロジーズからのメッセージとしては、「APEX」が中心となった。APEXは、インフラを含め同社のソリューションをas-a-Serviceで提供しようというもの。

APEXのメリットについて、デル・テクノロジーズ 最高技術責任者 黒田晴彦氏は、経費で支払いができる点、ハードウェア負債を除去できる点、エッジで使える点、データの保管場所を指定できるので、機密データ管理に有利な点の4つを挙げた

  • APEXのメリット

その上で、黒田氏は「APEXはデル・テクノロジーにとっても挑戦となる。これまでは、販売するためにさまざまな活動をしてきたが、今後、サービスに切り替えるとなると、各事業部がAPEXに向けて変えていくことが必要になる。APEXはデル自身のトランスフォーメーションでもある」は語った。

  • デル・テクノロジーズ 最高技術責任者 黒田晴彦氏

また、Dell Technologies World 2021では、サプライチェーンをセキュアにするために、全体にVMwareのセキュリティの仕組みを取り入れ、それをSecureWorksが監視していくこと、AI/ML(機械学習)に最適な新しいラインのPowerEdgeサーバーを提供すること、ストレージをコンテナベースにしたアーキテクチャを搭載したPowerStoreの提供もアナウンスされた。

また同日には、代表取締役社長 大塚俊彦氏が、FY22 Q1(2021年4月30日)のグローバルの業績を発表すると同時に、日本市場の戦略を説明した。

FY22 Q1の同社のグローバルの業績は、第1四半期として過去最高の売上約245億ドル( 前年同期比12%増)で、営業利益も過去最高の27億ドル(前年同期比26%)を達成したという。好調の要因として大塚氏は、働き方改革やリモートワークの高度化により、PCの売上が伸びたことや、インフラではデジタル化の推進やマルチ/ハイブリッドクラウドの推進により、売上が伸びた点を挙げた。PCの売上では、「Alienware」の受注は76%増、「Latitude」、「Precision」、法人向け「Chromebook」の受注が2桁成長を遂げている。

  • FY22 Q1のグローバルの業績

その上で大塚氏はグローバルの戦略について「5G、エッジ、データマネージメント、ハイブリッドクラウド、AI/ML、サイバーセキュリティの6つを新たな戦略領域として、製品開発やソリューションの強化、人員体制の強化を同時並行で進めている」と語った。

  • デル・テクノロジーズ 代表取締役社長 大塚俊彦氏

国内の重点戦略では、顧客のDX支援、将来に向けた新しい価値創造の追求、デル・テクノロジーズ自身の新しい働き方の実現の3つを軸に進めていくとした。

  • 国内の重点戦略

顧客のDX支援では、Go-To-Market戦略として、業種別アプローチの強化、クラウドサービスプロバイダとのエコシステムを強化するという。業種別アプローチとしては、通信事業、電力、自動車業界に対してアプローチを強化していくという。

新しい価値創造では、「APEXを構想段階から実装段階に推し進めていきたい」(大塚氏)とした。また、6つの重点領域に向け、5G Labも今後開設するという。