東京大学(東大)とIBMは、将来の量子コンピューター技術の研究・開発を行うハードウェア・テストセンター「The University of Tokyo - IBM Quantum Hardware Test Center」を東大浅野キャンパス内に開設し、同センターに量子コンピューターのコンポーネントの試験用に構築した小型極低温システムである量子システム・テストベッドを設置したことを発表した。

  • The University of Tokyo - IBM Quantum Hardware Test Center

同テストセンターの設置は、2019年12月に発表された東大とIBMのパートナーシップ「Japan-IBM Quantum Partnership」に基づくもので、「量子理論に関するIBMと東大の共同研究」、「ソフトウェア開発および教育」とならぶ3つの主要な取り組みの1つに位置づけられている。 両者は同センターを通じて日本の参加企業や団体に量子システム・テストベッドへのアクセスを提供し、量子コンピューターの将来のアプリケーション活用に不可欠な、高度な極低温マイクロ波コンポーネントとサブシステムおよび制御エレクトロニクスや、超伝導量子ビットを安定的に動作させるために必要な材料、高品質な信号伝送に必要な高周波部品や配線といった技術の研究開発ならびに極低温を実現するために必要な冷凍機やコンプレッサー、それらの制御技術の研究などを進めていくとしている。

  • 量子コンピュータ

    東大内に設置された量子システム・テストベッド

また、同センターは日本の産学の技術を集結する形で、量子システム・テストベッドを用いてさまざまなハードウェアや部品の組み合わせによる実験を行っていくことで、世界を牽引する将来の量子コンピューターの技術開発を進めていく予定としている。