タレントマネジメントシステムのメリットとは?デメリットも解説

タレントマネジメント

従業員がもつ経験や能力を一元管理し、従業員の適切な育成や配置を目的とする「タレントマネジメントシステム」が、今注目されています。昨今では、大企業やグローバル企業だけでなく、中小企業においても導入する動きが出始めています。

今回はこの「タレントマネジメントシステム」について、導入によるメリットおよびデメリットをご紹介します。今まさに人材を有効活用したい、適材適所に配置したいと考えている人は、ぜひ最後までお読みください。

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タレントマネジメントシステムとは

そもそも「タレントマネジメントシステム」とはどのようなものか、ご存じない人もいるのではないでしょうか。最初に、タレントマネジメントシステムの概要と、その主な機能についてご紹介します。

1.タレントマネジメントシステムの概要

「タレントマネジメントシステム」とは、従業員の経験・能力といった情報を一元管理し、データの可視化・分析を行うことで人事・経営戦略を支援するシステムのことをいいます。

元々は、1990年代に米国で「タレントマネジメント」という考え方が考案され、2011年頃から日本でも広まっていきました。これは、人材の流動化が課題となっており、優秀な人材の育成・定着を目的として考案されました。この考え方をもとに、人事戦略の支援を目的として構築されたシステムが「タレントマネジメントシステム」です。

2.タレントマネジメントシステムの主な機能

タレントマネジメントシステムは、従業員情報の一元管理から情報の可視化および分析を目的としており、非常に多くの機能が備わっています。その中でも主に以下のような機能があります。

  • 従業員情報管理
  • 組織管理
  • 目標・人事評価管理
  • スキル・経歴管理
  • 要員・育成計画管理
  • アンケート機能

タレントマネジメントシステムを用いることで、従業員一人一人の情報から、従業員が所属する組織全体の管理も可能です。またそれらの情報をもとに、従業員の人事評価や育成計画も管理していきます。さらに、従業員に対して現在の勤務状況やモチベーションを確認するためのアンケートをとり、きめ細かいフォローをしていくことも可能です。

タレントマネジメントシステム導入のメリット4つ

タレントマネジメントシステムを活用することで、従業員情報を一括管理でき、様々なメリットが得られます。ここでは、その具体的なメリットについて解説します。

1.最適な人材配置が可能

まず挙げられるのが「最適な人材配置が可能になる」です。従業員数が増え、組織が大きくなるにつれて、個人の経験・能力は把握しにくくなります。そのような状況で新しい事業を起こしたい場合や、ポストを用意して人を配置したいといった場合、誰が適切であるかがすぐに判断できません。

タレントマネジメントシステムを導入すれば、従業員の経験・能力が可視化され、最適な人材を把握することが可能です。これにより、新しい事業やポストに適切な人材が必要になった場合、容易に最適な人材を選び、配置することができます。

また、将来的に必要となる人材を想定し、未来を見据えた育成計画を考えることも可能になります。その際、誰をどう育成すればよいか、という点もタレントマネジメントシステムで計画をたてることが可能です。

2.必要な人材がわかる

従業員の能力が可視化されることで、必要な人材がいるかどうかもわかります。たとえば、特定の技術をもった人がほしい場合、タレントマネジメントシステムを使えば企業内の人材を探すことができますし、いなければ新規採用の必要性がわかります。

そのため、タレントマネジメントシステムを活用すれば「どのような人材がどのくらい必要か」といった採用活動の方針をたてることができます。これにより、必要以上に人材を採用したり、本来採用すべき人を採用していなかった、といった問題を未然に防止することが可能です。

3.従業員の満足度向上につながる

従業員の能力をきちんと把握しないまま組織で部署配置をしてしまうと、従業員の能力と現場で求められる能力でミスマッチが発生する危険性があります。こうなると従業員が思うように結果を出すことができず、企業に対して不信感を抱いたり、過度のストレス等で体調を崩したりすることにもなりかねません。

タレントマネジメントシステムを活用することで適材適所の配置を行えば、従業員は自分のもつ能力をフルに発揮できます。また、定期的にアンケートをとって従業員の状況を随時把握し、細かなフォローをしていくことで、従業員満足度向上につながります。

4.人事業務の効率化

それまで散在されていた人材情報が一元管理されることによって、人事業務の効率化が期待できます。たとえば、従業員の個人情報とは別に、能力を記載したスキルシート、目標・評価資料などがばらばらに管理されていては、目的の資料を探すのも大変です。

これらの情報を一元管理して1つのシステムで管理することで、必要な情報がすぐに取り出せるだけでなく、使いやすさが向上し業務全体を効率よく進めることができるようになります。

タレントマネジメントシステム導入のデメリット3つ

従業員が多ければ多いほど、タレントマネジメントシステムは優れた効果が得られます。しかし、導入や運用においては様々な課題もあり、導入することのデメリットが存在することも事実です。ここからは、タレントマネジメントシステム導入時におけるデメリットについて解説します。

1.適切な活用が難しい

タレントマネジメントシステムを導入する前に、まずそのシステムをどう活用したいのか、明確な目的を決めておかなければなりません。明確な目的を決めずに導入すると、既存の管理フローとの違いが埋められず、システムを扱いきれない、という問題も発生します。また、タレントマネジメントシステムが多機能であるがゆえ、複雑で扱うのが難しいという問題もあります。

タレントマネジメントシステムを提供する企業によっては、導入から運用までサポートするサービスがつけられる場合があるので、導入や運用に不安な方は検討してみるとよいでしょう。

2.従業員の理解が必要

タレントマネジメントシステムを扱うには、まず従業員情報を集める必要があります。そのため、今まで実施していた管理フローを見直す必要も出てきます。場合によっては、経験やスキルについては従業員自身で入力をお願いするケースもあります。この場合、従業員に多少負荷がかかってしまいます。

そのため、タレントマネジメントシステムの目的や入力の仕方など、従業員へしっかり説明し、理解を得ることが大切です。正しい入力が行われなければ、システムは有効に活用することができません。タレントマネジメントシステムを選定する際には「情報の入力のしやすさ」も考慮にいれ、従業員にとっても使いやすいシステムを選ぶとよいでしょう。

3.システム導入の費用がかかる

タレントマネジメントシステムの導入には、初期導入コストおよび運用コストがかかります。各サービスによって異なりますが、高い場合だと初期導入で数百万、運用に数十万の費用がかかるものもあります。

導入形態がクラウドであれば、初期費用を抑えて導入することが可能ですので、製品選びの際は今後の計画を元に試算して決めるとよいでしょう。

タレントマネジメントシステムを導入し、効率的に人材管理をしよう

タレントマネジメントシステムを活用することで、従業員情報を一括管理でき、多くのメリットが得られます。

  • 最適な人材配置が可能
  • 必要な人材がわかる
  • 従業員の満足度向上につながる
  • 人事業務の効率化

しかし、タレントマネジメントシステムを導入するには難しい点もあり、以下の点に注意しておく必要があります。

  • 適切な活用が難しい
  • 従業員の理解が必要
  • システム導入の費用がかかる

働き方が多様化しているため、大企業だけでなく中小企業やベンチャーにとっても、一人でも優秀な人材を確保し、流出を防ぎたいことでしょう。そのためにタレントマネジメントシステムは大変重要です。タレントマネジメントシステムの導入を検討する際は、ぜひ各サービスの特徴をよく比較し、自社に最適なサービスを見つけてください。

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