マイナンバー管理システムは、企業が自社でマイナンバーを管理するために欠かせません。ではマイナンバーを管理するためには、なぜシステム化が必要なのでしょうか。
今回は、マイナンバー制度について解説をした後、おすすめの5製品の特徴を紹介・比較します。マイナンバー管理システムの導入メリットや製品の選び方も解説しますので、導入検討の際はぜひご一読ください。
マイナンバー管理システムとは
マイナンバー管理システム(マイナンバー収集システム)は、企業が従業員のマイナンバー管理を自社で行うためのシステムです。マイナンバー管理システムには、従業員のマイナンバーを収集して行政手続きをスムーズにするために利用し、情報漏洩のないよう管理するための機能が揃っています。
そもそもマイナンバーとマイナンバー制度とは何か、マイナンバーの管理には、具体的に何を求められているのかについてもう少し詳しく見ていきましょう。
1 マイナンバーとマイナンバー制度
マイナンバーとは、2015年(平成27年)10月から国民全員に配布された12桁の番号のことです。マイナンバー制度は、マイナンバーを利用した効率のよい行政サービスを実現するための制度です。
マイナンバーの利用範囲は、税金・年金など行政関連の手続きと災害対策関連のみに限定されています。そのため企業は、従業員のマイナンバーを必要な場合のみ保管でき、退職などによって不要になれば廃棄しなければなりません。
2 マイナンバー管理のガイドライン
「はじめてのマイナンバーガイドライン(事業者編)」では、以下の内容が定められています。
取得・利用・提供 | 個人番号の取得・利用・提供は、法令の範囲内 (税金・年金など行政関連の手続きと災害対策関連) 上記以外では、取れない・使えない・渡せない |
保管・廃棄 | 必要がある場合だけ保管、不要になったら廃棄 |
委託 | マイナンバーを委託する場合は委託先を管理する 再委託には委託元の許可が必要 |
安全管理措置 | 情報漏洩を起こさないために組織(企業)が取り組むべき措置 |
これらのガイドラインに沿ってマイナンバーを管理する必要がありますが、手作業での対応には人的ミスの発生など限界があります。管理業務をシステム化することで、マイナンバー管理業務をサポートするツールがマイナンバー管理システムです。
3 従業員のマイナンバーが必要な書類の例
従業員のマイナンバーが必要になる書類の例は以下の通りです。
- 扶養控除等申告書
- 源泉徴収票
- 雇用保険被保険者資格取得届
- 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
上記以外にも、税金・年金・災害対策に関する手続きにはマイナンバーが必要となります。基本的に人事労務関連業務でマイナンバーが必要となるため、人事システムの中には、マイナンバー管理機能を有するものもあります。
マイナンバー管理上のセキュリティリスクとマイナンバー管理システム
マイナンバーは個人を特定できる情報であり、情報漏洩は何としても避ける必要があります。マイナンバー管理上のセキュリティリスクを回避するため、企業は以下の4つの安全管理措置を講じる必要があります。
組織的安全管理措置 | マイナンバー管理の担当部署・担当者を明確にするなど組織的な安全管理 |
人的安全管理措置 | マイナンバー管理部署・担当者、および従業員への適切な教育による安全管理 |
物理的安全管理措置 | マイナンバー取扱場所を限定・隔離、マイナンバー関連書類は鍵付きの場所に保管など物理的な安全管理 |
技術的安全管理措置 | 適切なアクセス制御ができるシステムの構築やウイルス対策などによる技術的な安全管理 |
マイナンバー管理システムは、この中でも「技術的安全管理措置」の実現に欠かせません。
マイナンバー管理システムのおすすめ11製品徹底比較
ここからは、おすすめのマイナンバー管理システムを11製品取り上げ、その特徴を説明して比較します。
セキュリティに強い金融機関出身メンバーで構成「マネーフォワードクラウドマイナンバー」
株式会社マネーフォワード
- 参考価格:マネーフォワードクラウドのスモールビジネスプラン2,980円/月、ビジネスプラン4,980円/月(会計・給与などのシステムも利用可)
- 提供形態:クラウド、SaaS
- 従業員規模:全ての規模に対応
- 売上規模:全ての規模に対応
「マネーフォワードクラウドマイナンバー」は、マネーフォワードクラウドの1機能として提供されています。マネーフォワードのスタッフは、主にセキュリティ面で経験豊富な金融機関出身者から構成されているため、安全なマイナンバー管理サービスが提供されています。そして、保管期限が過ぎた書類はアラートでお知らせしてくれる機能もあります。
マイナンバーだけでなく、会計や人事労務システムも合わせて検討している場合はおすすめです。
金融機関レベルのセキュリティで安心「人事労務freee」
freee株式会社
- 参考価格:ミニマムプラン1,980円~/月、ベーシックプラン3,980円~/月、プロフェッショナルプラン8,080円~/月、エンタープライズプランask
- 提供形態:クラウド、SaaS
- 従業員規模:全ての規模に対応
- 売上規模:全ての規模に対応
「人事労務freee」は、労務管理や給与計算をメインとしたクラウドシステムで、その中にマイナンバー管理の機能が提供されています。金融機関と同レベルの通信・暗号化、国際的なプライバシー認証を取得など、セキュリティ面も充実しています。
マイナンバーは、情報収集の方法が課題のひとつになりますが、従業員や取引先にリクエストメールを送信し情報入力してもらうという簡単な方法で取得できます。
PCやスマホなどから通知カードのアップロードも簡単に行えるため、情報提供する側も簡単かつ安心して情報提供が可能になります。
クラウド上で全て完結「jinjerマイナンバー」
株式会社ネオキャリア
- 参考価格:1ユーザー500円
- 提供形態:クラウド、SaaS
- 従業員規模:全ての規模に対応
- 売上規模:全ての規模に対応
「jinjerマイナンバー」は、人事労務管理のプラットフォーム「Jinjer」シリーズのひとつの機能であり、クラウド型のシステムです。1ユーザー500円と低コストで、収集、保管、利用、廃棄まで全てクラウド上で完結でき、書類管理などの物理的なリスクを抑えられます。
また、人事・労務・勤怠など、jinjerの他のシステムとの連携によって、マイナンバーを一元管理することができます。
マイナンバー管理に合わせて、人事労務領域全体をシステム化したい場合などは、jinjerの他のシステムも含めての導入がおすすめです。
3種類の管理方法から選択できる「MJSマイナンバー」
株式会社ミロク情報サービス
- 参考価格:スタンドアロン版オンプレミス型100,000円~、LAN版オンプレミス型200,000円~、クラウド型(初期費用)3,000円(月額)2,000円(1法人50人未満)、BPO(初期費用)100,000円~(収集)1番号あたり400円~/年(保管)1番号あたり600円/年
- 提供形態:オンプレミス、クラウド、BPO
- 従業員規模:全ての規模に対応
- 売上規模:全ての規模に対応
「MJSマイナンバー」は、オンプレミス型、クラウド型、BPOという3種類から管理方法を選べるサービスです。特に特徴的なのがBPOで、マイナンバー管理に関わる一連の業務を、ミロク情報サービスが代行します。
BPOは、マイナンバーを郵送で提出できるため、ITが苦手な従業員や取引先も簡単に利用できます。
近年ではクラウド型のサービスが主流になっていますが、自社に合った管理方法でマイナンバーシステムを検討したい場合は、MJSマイナンバーがおすすめです。
幅広い業種に対応「マイナクラウド」
株式会社ビットスクリプト
- 参考価格:1,000円~/月(その他収集オプションサービス等あり)
- 提供形態:クラウド、SaaS
- 従業員規模:全ての規模に対応
- 売上規模:全ての規模に対応
「マイナクラウド」は、クラウド型のマイナンバー管理・保管サービスです。幅広い業種に対して導入実績があり、特に介護事業者のマイナンバー管理に関しては、入居者の成年後見人として施設運営会社がマイナンバーを管理できますが、マイナクラウドなら対応可能です。
マイナンバーの番号や画像データは、暗号化して保存されるため、万が一データが漏洩しても解読できないようになっており、セキュリティ対策も万全に行われています。
20名まで完全無料「フリーウェイマイナンバー」
株式会社フリーウェイジャパン
- 参考価格:無料(20名まで)1,980円~/月(21名~無制限)
- 提供形態:クラウド、SaaS
- 従業員規模:全ての規模に対応
- 売上規模:全ての規模に対応
「フリーウェイマイナンバー」はクラウド型のマイナンバー管理で、最も特徴的な部分は、20名まで完全無料で利用できるという点です。また、21名以上になると月額費用1,980円がかかりますが、人数に上限はなく、利用人数によって価格が上がることはありません。
機能としても、収集から廃棄までインターネット上で完結でき、AWS(アマゾン ウェブ サービス)によってシステムを構築しています。そのためセキュリティ面も安全です。
コストをとにかく抑えたい場合は、おすすめです。
汎用性の高いクラウド・データベース「Nyoibox」
株式会社NIコンサルティング
- 参考価格:1人あたり300円/月
- 提供形態:クラウド、SaaS
- 従業員規模:全ての規模に対応
- 売上規模:全ての規模に対応
プログラミングのスキルなどが無くても、簡単にデータベースの仕組みを構築できるのが、クラウド型データベースの「Nyoibox(如意箱)」です。
システム自体はマイナンバー管理に特化したものではなく、さまざまなシーンでの汎用性のある利用が可能になります。その特徴を活かし、自社に合った形のマイナンバー管理の仕組みが構築できます。マイナンバー導入マニュアルも用意されており、イチから仕組みを考える必要はありません。
マイナンバー管理と合わせて他のデータベースも構築したい場合は、おすすめです。
Chatworkグループ会社が運営「セキュアMyNUMBER」
Chatworkストレージテクノロジーズ株式会社
- 参考価格:初期費用10,000円~、月額費用1,000円~/月
- 提供形態:クラウド、SaaS
- 従業員規模:全ての規模に対応
- 売上規模:全ての規模に対応
「セキュアMyNUMBER」の最も特徴的な機能のひとつは、マイナンバーの番号のエラー自動チェック機能があるところです。マイナンバーを収集する際には、提供者自らに番号を入力しますが、その際の入力ミスを自動でチェックするため、ミスを防ぐことが可能になります。
会計や給与システムとの連携に関しても、CSVで簡単に連携できます。収集ステータスも6段階に分かれて管理されており、提供者が今どの段階まで提出しているのか、管理状況などが視覚化されています。
登録状況の把握や、自動チェック機能など管理を効率的かつ確実に行いたい場合は、おすすめのシステムになります。
中小企業に導入しやすい「オフィスステーション マイナンバー」
株式会社エフアンドエム
- 参考価格:3,300円(100人まで)、4,400円(101~200人まで)、5,500円(201~300人まで)
- 提供形態:クラウド
- 従業員規模:全ての規模に対応
- 売上規模:全ての規模に対応
「オフィスステーション マイナンバー」は、労務管理システム「オフィスステーション」シリーズのひとつで、クラウド型の製品です。本製品は、 ガイドラインに沿ったマイナンバー管理をスムーズに行える機能を多く提供しています。
例えば、マイナンバーを利用する書類を作成する際、安全管理措置で記録を求められる「利用目的」を自動記録 する機能もそのひとつです。マイナンバーを削除する際は削除理由の入力を必須にしたり、削除する予定の日を設定したりといったこともできます。
料金体系は、マイナンバーの管理人数によって設定されています。管理人数の定義は、従業員数 となり、従業員の被扶養者は含まれません。低コストで導入しやすく、マイナンバー管理機能だけを使いたい場合や人事労務管理全体をシステム化したい場合にも対応できる柔軟性もおすすめポイントです。
マイナンバーの登録方法が3種類と豊富「SmartHR」
株式会社SmartHR
- 参考価格:プロフェッショナルプラン、スタンダードプラン、スモールプランの3プランあり、具体的な価格は別途問い合わせ
- 提供形態:クラウド / SaaS
- 従業員規模:全ての規模に対応
- 売上規模:全ての規模に対応
クラウド型の人事労務システム「SmartHR」の1機能としてマイナンバー管理機能が提供されています。 マイナンバーの登録方法を複数用意 、データの暗号化や閲覧履歴のログ収集などセキュリティ機能もある点が本製品の特徴です。マイナンバーの登録方法は、以下の3パターンから自社に適した登録方法を選べます。
- 管理者が直接入力
- システムへの招待と同時にマイナンバーの入力を従業員に依頼
- あらかじめシステムへ招待した従業員に提供を依頼する
従業員にマイナンバー提供を依頼する画面では利用理由を明記し、従業員の不信感を抑える配慮もされています。
本製品は人事労務システムなので、マイナンバー管理だけでなく人事関連業務全体のシステム化を検討している場合におすすめ です。
「ジョブカン労務HR」
株式会社Donuts
- 参考価格:無料プラン(5名まで)1ユーザー0円/月、有料プラン(人数無制限)1ユーザー400円/月、500名以上・ジョブカンシリーズ利用の場合は別途問い合わせ
- 提供形態:クラウド、SaaS
- 従業員規模:全ての規模に対応
- 売上規模:全ての規模に対応
「ジョブカン労務HR」は、人事労務業務全体をシステム化するクラウド型のサービスです。マイナンバー管理機能は、マイナンバーの提供依頼機能・収集機能・管理機能が備わっており、 ガイドラインに沿った管理が可能となっています。
マイナンバーの提供依頼は、用途を管理者が選択し、送信するだけととても簡単です。従業員側は、提供依頼を受けてマイナンバーを入力し、本人確認書類の画像をアップロードします。 マイナンバーの提供操作はスマートフォンからでも行えるので、いつでもどこでも対応できる点も便利です。
データの暗号化・閲覧履歴の記録、「ジョブカン労務HR」の機能であるアカウント管理など、セキュリティ面を考慮した機能も豊富です。 マイナンバー管理を含めた人事労務業務全体のシステム化を行う場合は、導入候補のひとつとなります。
マイナンバー関連サービス2種類もチェック
マイナンバー管理に関連するサービスとして、マイナンバー管理代行サービスとマイナンバーの情報漏えい防止に特化した製品を紹介します。
マイナンバー管理をアウトソーシング「マイナンバー収集・管理代行サービス」
株式会社石川コンピュータ・センター
- 参考価格:110円 ~
- 提供形態:サービス
- 従業員規模:全ての規模に対応
- 売上規模:全ての規模に対応
「マイナンバー収集・管理代行サービス」は、その名の通りマイナンバー管理の代行サービス です。サービスの一環として、マイナンバー収集アプリと収集したマイナンバーを利用する専用システムを提供。 利用企業は、マイナンバー管理の代行を依頼しつつ、収集したマイナンバーを利用できる仕組みです。
本サービスで作成できるマイナンバー利用書類は「給与所得の源泉徴収票」「退職所得の源泉徴収票」「給与支払報告書」など8種類。自社で利用したい書類が網羅されていて、 自社でマイナンバー管理をする余裕がない、という場合に検討したいサービスです。
マイナンバーなどの情報漏洩防止に「個人情報ファイル検出ツール すみずみ君」
三菱スペース・ソフトウエア株式会社
- 参考価格:台数ライセンス(最大9,999人まで)2,178円/年、ディスク容量ライセンス(最大100TB以下)3,075,600円/年
- 提供形態:オンプレミス、パッケージソフト
- 従業員規模:全ての規模に対応
- 売上規模:全ての規模に対応
「個人情報ファイル検出ツール すみずみ君」は、社内にあるファイルの中に、マイナンバーなどの個人情報ファイルがないかを検索するシステムです。マイナンバーの検査には、単純に12桁だけでなく 4桁区切りにも対応するなど、検査制度を上げる工夫がなされています。
本製品の導入目的は、個人情報の情報漏洩防止 です。未知のウイルスやサイバー攻撃によって情報漏洩のリスクは完全にゼロにできないため、マイナンバー管理システムと併用して、セキュリティの向上を図りたい場合に導入を検討しましょう。
マイナンバー管理システム導入のメリット4つ
マイナンバー管理システム導入のメリットは以下の4点です。
1 人的ミスやコストの削減
担当者が手作業でマイナンバーを管理していると、人的ミスの発生や、引き継ぎ時のコスト増大などの問題があります。マイナンバー管理システムを導入することで、人的ミスの可能性を減らすことができ、引き継ぎ工数も削減できます。
2 管理手順の標準化
属人的なマイナンバー管理を行っていると、管理の粒度が担当者によって異なる場合があります。マイナンバー管理をシステム化することで、収集・管理・活用・廃棄の手順が標準化され、管理作業品質の底上げが可能です。
3 収集、利用管理、破棄まで全てをシステム上で完結
収集、利用管理、破棄までの全業務をシステム上で完結することで、法令に則った適切な管理を自動的に実現できます。結果として、マイナンバー管理業務全体の効率化を図りつつ、厳密な管理も可能となります。
4 法令変更対応が容易
マイナンバー管理に関する法令は、時勢に合わせて変更されていくと予想されます。セキュリティ問題が発生するたび、防止策が検討され、法令に盛り込まれることもあるでしょう。マイナンバー管理システムを導入することで、システムが法令変更に伴うバージョンアップを行なうので、作業ボリュームを軽減できます。
マイナンバー管理システムの基本的な3つの機能
マイナンバー管理システムの基本的な機能を3つ紹介します。
1 マイナンバーの収集
マイナンバーの収集機能は、従業員への登録リクエスト(メールなどを利用)、本人確認書類画像のアップロードといった機能で構成されます。マイナンバーの入力ミスを軽減するチェック機能も収集機能の1機能です。
2 マイナンバーの保管と廃棄
マイナンバーの保管機能は、マイナンバーデータの暗号化や閲覧履歴など操作ログの取得など、高いセキュリティを保つための機能で構成されます。適切なアクセス権限を持つ人が操作するためのアクセス制御機能も、マイナンバーの保管に関する1機能です。
マイナンバーの廃棄管理も重要です。廃棄の理由や廃棄日の保管により、正しい運用をしていることを証明できます。
3 マイナンバーの利用
取得したマイナンバー情報を適切に利用する機能としては、必要書類へのマイナンバー自動反映があります。マイナンバー反映が必要な書類を指定するだけで直接マイナンバーを扱わずに済むため、人的ミスを避けた正確な書類作成が可能となります。
マイナンバー管理システムの選び方3つ
自社に導入するマイナンバー管理システム絞り込んでいくためには、以下の3点を検討して、合致する製品をピックアップしていきましょう。
1 企業規模が合っているか
マイナンバー管理システムの中には、中小企業向けと大企業向けがあります。自社の規模に合った製品を選んでください。
2 提供形態
提供形態は、低コスト・短期間で導入しやすいクラウド型と、社内で環境を構築して運用するオンプレミス・パッケージソフト型があります。現在は、クラウド型が主流となりつつありますが、セキュリティ面でオンプレミス・パッケージソフト型を採用する企業もあるため、どの提供形態を選ぶか検討しましょう。
3 専用製品と派生製品
マイナンバー管理システムには、マイナンバー管理に特化した専用製品と、人事系システムの1機能として盛り込まれる派生製品の2タイプがあります。どちらを選ぶかも検討しましょう。
すでに自社で使っている人事系システムにオプションとしてマイナンバー管理機能を導入すると、各システム間のデータ連携もスムーズです。専用製品は機能が豊富で、導入しやすい点に魅力があります。
マイナンバー管理システム比較のポイント4つ
マインバー管理システムの導入候補をいくつか絞り込んだ後、どの製品を導入するかを比較する4つのポイントを紹介します。
1 データの管理場所
マイナンバーのデータの管理場所は、クラウド型の場合サービス提供者の利用するクラウド上のデータセンターになります。クラウド型のマイナンバー管理システムを利用する場合は、どの国のどの地域のデータセンターに格納されているか事前に確認しましょう。
社外のデータ保存が不安な場合は、社内にデータを保存できるオンプレミス型やパッケージソフトを選ぶのもひとつの方法です。
2 セキュリティ機能
セキュリティに関する機能は、製品によって差の出る部分です。アクセス制御機能やログ管理機能、マイナンバーデータの暗号化は最低限必要となります。ウイルスチェックやファイアウォール機能もあると安心ですが、他のシステムでカバーできていれば必須ではありません。
3 操作性
従業員の操作する部分(マイナンバーの登録)と、管理者の操作する部分(マイナンバーの利用や廃棄)の操作性も確認ポイントのひとつです。操作性を確認できる無料プランやトライアル版のある製品で、動作確認ができるかもチェックしましょう。
4 料金体系
料金体系は、クラウド型の場合利用人数単位での月額料金、オンプレミス型やパッケージソフトの場合は台数ライセンスで年額料金と違いがあります。利用期間を定めて、その期間内の総コストを比較し、費用対効果の高い製品はどれかを検討しましょう。
マイナンバー管理システム導入時の注意点2つ
マイナンバー管理システムを導入する際注意したい点を2点紹介します。
1 セキュリティ機能を確認
クラウド型の場合は、特にセキュリティ機能を確認してください。マイナンバーのデータを送受信する際の暗号化通信や保管データの暗号化は必須です。アクセス制御やシステムにログインする際の認証機能なども確認しましょう。
オンプレミス型の場合は、データの暗号化などマイナンバー管理システムの機能に加えて、社内ネットワーク環境自体のセキュリティを高めることも重要です。ファイアウォールやウイルス対策などのセキュリティ対応を見直し、必要に応じてセキュリティの強化に努めてください。
2 コストがかかる
マイナンバー管理をシステム化することで、管理にかかるコストを削減できます。ただ、システムの導入・運用コストは必要です。自社にとって費用対効果の高い製品はどれなのかを検討するには、削減できるコストとシステム利用コストの両方を試算して比較するようにしましょう。
マイナンバー管理システムで安全な管理を
マイナンバー管理システムは、マイナンバー制度に則った安全な管理を実現します。企業の規模に関わらず全企業はマイナンバーの適切な管理を求められるため、マイナンバー管理システムの導入は必要不可欠です。低コストで導入しやすい製品もあるので、機能なども比較検討して適切な製品を選びましょう。