銘菓「乃し梅」の佐藤松兵衛商店、緊急事態宣言で3000袋返品 通販で危機回避、今では地域住民に愛されるサイトに

山形で創業200年を誇る菓子屋の佐藤松兵衛商店は2020年4月、自社ECサイト「乃し梅本舗 佐藤屋オンラインSHOP」を開設した。サイト開設後、1年と間もないが、地域住民に特化した「店舗受け取りシステム」の認知が広がり、2021年4月の月商は250万円を超えている。

「乃し梅」とは、山形県村山地方に伝わる伝統的な銘菓。梅をすりつぶして寒天に練り込んだものを薄く伸ばして乾燥させ、竹皮に包んだものだ。創業以来、店舗での販売と卸を中心に事業を行ってきた。だが、ECサイトを開設したのは新型コロナウイルスの影響が大きかったからだという。


「乃し梅本舗 佐藤屋オンラインSHOP」のサイトイメージ

「2020年4月に緊急事態宣言が発令された後、取引先の百貨店から合計3000袋も商品が返品されてきた。これに困窮しツイッターで助けを呼び掛けたところ、商品を購入したいとの声がありECサイトを開設した」(佐藤慎太郎社長)と振り返る。

ECサイト開設当初は、ツイッターからの流入もあり売り上げは上がっていた。しかし、この動きは一時的なものだと捉え、売り上げを維持していくための施策案を打ち出す必要があった。

そして2020年7月、商品をECサイトで購入し、それを店舗で受け取ることができる「店舗受け取りシステム」を構築した。従来、期間限定商品を発売した際、早朝に高齢者が店舗の前に待機し、全て購入してしまうことが多かった。

売り切れを知った顧客から「もっと販売数を増やしてほしい」「また今回も買えなかった」などの声が寄せられたという。

以前からこの問題に悩まされていたが、ECサイトを立ち上げ、店舗受け取りシステムを構築したことにより、問題解決につながった。仕事帰りのサラリーマンや主婦が、商品を手にすることができるようになった。

店舗受け取りシステムを導入したことで、余剰生産することがなくなり、商品の廃棄数も少なくなったという。「売り上げは上がり、一方で廃棄にかかる費用を抑えられたことも大きかった」(同)と語る。

今後は、より柔軟に新しいアイデアを出していかなくてはならないと考えている。「既存の考え方に固執していては、この変化の時代を生き抜くことは難しい」(同)と捉えている。

従業員全員で新商品や、新たなシステム案を考えていく必要があると意気込みを示している。


【SHOP DATA】
■ECサイト開設時期:2020年4月
■販売チャネル:「自社サイト」
■導入システム:ネットショップ作成サービス「カラーミーショップ」


「乃し梅本舗 佐藤屋オンラインSHOP」
https://satoya-matsubei.shop-pro.jp/