コロナ禍で生活不安が高まるなか、投資や副業に興味を持ち始めている人が増えている。とはいえ、いざ始めてみようと行動するのはなかなか勇気がいるもの。しり込みしてしまう人も少なくない。

投資や副業の超初心者はどのように一歩を踏み出したらいいだろう。不動産投資1億円(含み益を含む)、株投資2000万円、ブログやYouTubeの収益で5000万円を稼ぎ、今年2月に『ニューノーマル時代の自分で稼ぐ力』(KADOKAWA)を出版したもふ社長@もふもふ不動産(以下、もふ社長)に、その極意を聞いた。

  • 副業で1.7億円を稼いだ「もふ社長」が語る、給与収入から抜け出す投資術※画像はイメージ

"一生安泰"のサラリーマンだったもふ社長が副業を始めた理由

「コロナ禍の今と、私が投資を始めたときの時代情勢が似ていて、自分で稼ぐ力を身につけることが今後はますます大切になってくるなと感じました。今回の本は、そんな時代に自分の体験や経験が役立てばと考え、執筆しました」

投資・副業で結果を出し、今ではそのノウハウを発信するまでに至ったもふ社長。本格的に投資を始めたきっかけは、2008年のリーマン・ショックだったという。

「リーマン・ショックで一生安泰と思っていた勤め先の会社が過去最悪の赤字を出し、週休3日になって残業もなくなり、賞与も激減。その不安感から稼ぐ力やスキルを身につけたいと考えるようになりました。もともと大学時代から経済に興味があり、2006年に初めて株を買ったんですが、ちゃんと勉強を始めたのはリーマン・ショックで損失を出してから。コロナ禍もあり、会社から一定の給料をもらい続けて、安定した人生を送ることが今の日本では難しくなりつつあると思っています」

会社員を続ける傍ら株式投資の利益を元手に不動産投資を始め、それを機に2015年には法人を設立。情報発信のために開設したブログやYouTubeの副業も軌道に乗ったことで、もふ社長は2019年3月末に会社を退職した。現在はYouTubeのコンサル事業なども手がけている。

「不動産投資を始める前は値動きが激しい個別銘柄に集中投資していたので、もう少し安定的に稼げる投資にシフトしたいと考え、株の利益を元手に不動産投資を2014年から始めました。分散投資や投資信託など株も買い方次第で、リスクを減らせますが、その分リターンも減ってしまうので」

稼ぐために必要なのは"好奇心"小さなチャレンジをたくさんしよう

幅広い稼ぎ方を自ら実践しているだけに、"おすすめの副業"を尋ねられる機会も多いそうだが、あくまでも目的次第だという。

「どれくらい稼ぎたいのかによって、当然、その手段となる副業や投資も大きく変わってきます。100万円を100倍にして1億円にしたいなら、色んな手段を駆使する必要がありますが、100万円を101万円に安定的に増やしたいなら、投資信託などを使えば、それほど難しいことではありません。その投資や副業が自分に合うかどうかも結局やってみないとわからないので、まずはリスクの少ない範囲で小さく始めることが基本ですね」

そして、稼ぐ力を養っていくために最も大事なのは、意外にも"好奇心"を持つことだそうだ。

「副業で経験やスキルを積み、本業の付加価値を高めて仕事の単価を上げていく考え方も当然アリですし、会社員としてある程度きちんと仕事をしていれば、経験のない新しい副業でも応用を利かせやすい。最初は誰でも初心者ですから、新しい技術や情報に積極的に触れて、興味を持ったらやってみる。周りの環境がどんどん変化していくなかで、ずっと同じことをやり続けることは後退しているとも言えるので、好奇心が一番大事ですね」

お金を大きく増やせる「不動産投資」で最低限知っておきたいこと

チャレンジを重ねるなかで自分の好きなことや専門性が磨かれるということのようだが、取り返しのつかない失敗や避けるべき投資法を理解していなければ、やはり二の足を踏んでしまう。

特に大きなお金が動く"不動産投資"では、最低限どのようなことをおさえておくべきだろうか。

「不動産投資では本来の相場の価格より高い価格で買ってしまうケースがよくあります。基本的なことですが、価値がよくわからないものを業者の言いなりで買わないことです。例えば、富士山で缶ジュースを買うと300円くらいしますが、それは別に詐欺ではなく、需要があれば業者は300円で売るんです」

「不動産も同じで、実際に高く売りつける業者は少なくないし、相場で3,000万円の物件を4,000万円で買えば、自分が4,000万円でほしくて買ったことになる。1,000万円高いことを納得した上で、買う判断をするならいいんですけど、実際はわからずに買ってしまい、売ろうと思って売却価格を調べる時になって初めて、高く買ってしまったことに気が付く方が多いです。缶ジュースを間違って300円で買っても大したことないですが、不動産を1000万円高く買ってしまった場合はリカバリーしにくいので、慎重になる必要はあります」

加えて、不動産投資を始めるにあたっては、最低限必要とされる元手も把握しておくことが必要だそうだ。

「金額は物件により異なりますが、仮に5000万円の物件で5000万円の融資が出たとしても、7%ほど諸経費が掛かるので、最低限350万円くらいは必要です。少し前だと諸経費込みで融資してくれることもあったんですが、今は最大で融資されても物件価格までがほとんどです。あと、雨漏りなどトラブルが起きた際にリフォームや修繕費用が必要になる可能性もあるため、物件価格の10~20%ほどは持っていたほうが安全です」

株式投資はテクニカルよりもファンダメンタルズ

やはり不動産投資は参入障壁が高いが、株式投資なら自分の余剰資金や経済状況に応じて数百円、数千円からでも投資が可能だ。

「今回の本の中で決算書の見方なども紹介していますが、必ずしも企業分析をやらないといけないわけでもありません。この会社が今後伸びると思ったら、とりあえず少額から買ってみて、配当をもらったり、株価や決算の結果を見たり、勉強するのもいいと思います」

余剰資金とはいえ身銭を切るからには、余計な損失は避けるに越したことはない。株式投資の注意点としてはどのようなものが挙げられるだろうか。

「テクニカル投資は方法論も年々変わっていくし、上位4~5%くらいの投資家だけが勝っている印象で、あくまで確率論というか運の要素も大きいイメージがありますね。私は分析力で勝負できるファンダメンタルズがおすすめしやすいです」

「また、投資全般でよくあるのが『50万円のこのツールを使うと絶対にいくら稼げます』みたいな話ですけど、時間を掛けず、誰でも稼げる系の話は詐欺が多いです。逆の立場で考えて、そんなスキームがあるならバイトとかで人を雇って実践させたほうが儲かるわけで。ほとんどのケースは商材を売る人たちが儲かるだけですね」

最低限こうしたマインドさえ持っていれば、超のつく投資初心者でも大きく身を持ち崩すことはそうそうないだろう。

趣味とスキルアップを兼ねて稼ぐ

最後に、会社員が副業や投資をやるメリットについてもふ社長は、次のように語った。

「投資や副業自体で大きく稼げなかったとしても、そこで得た経験が本業やそれ以外のところで飛躍するきっかけになる可能性もあります。例えば銀行から融資を受けて事業計画を立てるみたいな経験って、まず普通の会社員だとないことですから貴重な経験とスキルになります。一方でサラリーマンで培った経験は副業にも生かせます。僕自身も16年間、会社員として働きましたが、その経験が副業に大きく生きてきているんです」

「終身雇用と年功序列が崩壊しつつあるこれからの時代、自分で稼げる力を身に着けることはとても大切だと思います。副業で稼ぎたいと考えている方は、ぜひ本を手に取って読んでいただけるとうれしいです」

経営者や投資家と知り合う機会も多いというもふ社長。曰く、大きく稼げる人は決断と行動の早さも特徴とか。リスクを冷静に見極めながら最初の一歩を踏み出せば、数年後には大きく花開くかもしれない。

もふ社長@もふもふ不動産/プロフィール

大学卒業後、大企業の研究開発の会社に就職していた時、リーマンショックを経験。右肩上がりの年収が初めて下がり、この経験で危機を感じ、不動産投資を始める。月の残業80時間を超える激務の会社員をやりながらでも、効率的に物件を見つけて満室で運営できるコツを習得し、1億円を稼ぐ。勉強し運用することで会社員でも十分に運営することは可能だと証明し、不動産投資が軌道に乗り始めた2019年に16年勤務していた会社を退職。現在はそのノウハウをSNSやブログなどで発信している。
YouTube / Twitter / 法人ページ / 不動産投資ブログ / YouTube攻略ブログ

『ニューノーマル時代の自分で稼ぐ力』(もふ社長@もふもふ不動産/KADOKAWA)

副業で1.7億円を稼いだもふ社長が10年以上かけて作ったロードマップを大公開。「ステップ1 稼ぐ脳に書き換える」「ステップ2 労働収入から資産収入に変える」「ステップ3 実際に稼ぐための戦術を立てる」の3ステップで解説しています。『思考のフックさえ掛けかえれば、稼げる力は急激に加速します。組織に所属して給与を得る時代から、「個」で稼ぐ時代へと刻々と流れています。「会社からお金をもらう」から、「自分で稼ぐ」力をつければ、思い通りの人生を歩めます』