味の素、農産物ECスタートアップの『坂ノ途中』に出資 新事業モデルの構築を検討

味の素は5月14日、コーポレートベンチャーキャピタルの第1号案件として、農産物のEC販売などを行う坂ノ途中に出資したと発表した。株主として事業成長を支援すると共に、同社が販売する野菜やスペシャルティコーヒー豆等を活用した新事業モデルの検討を開始する。新事業モデルの創出に向けて、コーポレートベンチャーキャピタル活動を加速する。

2009年に設立された坂ノ途中は、低環境負荷の農業に取り組む新規就農者や、東南アジアの森林減少防止に寄与するスペシャルティコーヒー豆の生産者等を支援し、小規模ながら高品質、低環境負荷の農法で栽培された野菜のセットやコーヒー豆のサブスクリプション販売を展開。この支援活動を通じて独自に構築した生産者とのネットワークや、同社の取り組みおよび製品を強く支持する顧客層を強みとしている。


坂ノ途中のウェブサイト

食品等のEC市場は、約1兆8000億円とされているが、食品市場全体の中で占める割合は約3%と低い。一方で、伸び率は前年度比約8%となっており、今後さらに成長が見込まれている。また、スペシャルティコーヒーは日本でも関心が高まり続けており、その市場は2018年度の356億円から、2022年度には498億円まで成長すると予想されている。

味の素グループが保有する商品力や知見と、坂ノ途中が保有する生産者や顧客とのネットワークの共有により、新たな価値提供の可能性が検討できること、EC販売の領域において豊富な経験を有する坂ノ途中との取り組みにより、消費者との新たな接点を期待できることから、今回の出資に至ったとしている。

味の素は、コーポレートベンチャーキャピタルの投資領域として「Well-Being」、「地域・地球との共生」、「食の伝承と新たな発見」、「調理の進化」を設定している。食資源確保や環境負荷低減につながる、生産者から消費者までのサステナブルなバリューチェーンの構築を支援することで、2020-2025中期経営計画で掲げる「食と健康の課題解決企業」の実現を目指す。