【総務省】外資規制違反判明でもフジ・メディアの認定取り消さず

総務省は、フジテレビなどを傘下に持つフジ・メディア・ホールディングス(HD)が放送法の外資規制に違反していた問題で、同社の放送持ち株会社の認定を取り消さない方針を決めた。武田良太総務相が記者会見で表明した。

 フジが放送法の認定を受けた際には適法状態だったことに加え、総務省が把握した時点で違反状態が解消していたことを考慮。放送法の解釈なども踏まえ、武田氏は「取り消しはできない」と断言した。その上で、再発防止に向け、外資規制の審査体制強化などを進める考えも明らかにした。

 放送法は、外資の議決権比率が20%以上となった場合、認定を取り消さなければならないと規定している。フジHDの外資比率は12年9月から14年3月まで20%を超えていた。

 武田氏は会見で、14年12月に総務省の当時の放送政策課長がフジHDから一時違反状態になっていたとの報告を受けたと認めた。ただ、報た時点で違反状態が解消されていたため、フジHDの認定を取り消さない判断をしたと説明。その根拠として、1981年に内閣法制局が示した法解釈を挙げ、「取り消し処分を行う時点で取り消し事由が存在することが必要だ」と指摘。「当時の判断は今でも妥当だ」と強調した。

 ただ、外資規制違反の事実があったことについては「遺憾であり、重く受け止めている」と謝罪。外資比率を定期的に把握する仕組みを整備する他、外資規制審査に関わる担当部署を新設する方針も示した。

 外資規制違反を巡って、総務省は放送関連会社「東北新社」子会社の衛星放送の事業認定取り消しを決めた。これについて総務省は「東北新社は認定時に違反しており、本来、認定そのものを受けることができなかった」と説明、判断の違いを正当化している。これに対し、自民党内からも、東北新社とフジHDへの対応の違いに疑問の声が上がっている。