【金融庁】菅政権の「脱炭素」政策 後押しにあの手この手

金融庁が菅義偉政権の看板政策「脱炭素社会」の実現を後押しするための取り組みを本格化させている。6月に施行する新たな企業統治指針(コーポレート・ガバナンス・コード)では企業に気候変動対応の強化を迫ったのが目玉。地球温暖化問題の深刻化を背景に投資家の間では、企業の気候変動対策が重要な投資判断基準となっている。

 金融機関向けには温暖化対応の徹底を促すガイドラインを今年度中にも整備する方針。温室効果ガスを多く排出する石炭火力発電など大規模事業が頓挫し「座礁資産」となる事態を想定。銀行などに関連融資の焦げ付きに備えた事業計画の策定を求める他、金利の優遇などを通じて融資先企業の脱炭素化に向けた取り組みを後押しするように促すのが柱だ。

 さらに、脱炭素化に投融資するグリーンマネーを国内外から呼び込む「グリーン金融センター」構想の早期実現も目指している。財務・金融相の麻生太郎氏は「カーボンニュートラルの達成に不可欠なインフラだ」と強い意欲を示しているといい、金融庁は「東京金融市場の国際競争力の底上げにもつながる一石二鳥の政策」(総合政策局幹部)と解説する。

 グリーン金融センターを巡っては、ロンドン証取やルクセンブルグ証取、中国・香港証取が先行しており、金融庁は「日本が手を拱いていては国際金融センター競争から脱落しかねない」と危機感を強める。菅首相は「世界の脱炭素化に積極的に貢献し、国際社会をリードする」としており、有言実行となるかどうかは、金融庁の一連の取り組みの行方にも左右されそうだ。