2児の母、美女Mリーガー・瑞原明奈が語る仕事と家庭の両立、そして麻雀プロでいる理由

半年以上戦い抜いた麻雀プロリーグ・Mリーグも、ついに優勝を決めるファイナルシリーズに突入。しかし、そこに昨シーズンのチャンピオン・U-NEXTパイレーツと、そこでデビュー年に優勝を経験し、麻雀ファンの人気を一気にさらった人気女流プロ・瑞原明奈の姿はなかった。優勝から一転、振るわなかったチームのなか、彼女はどんなことを考えていたのか。そして今を時めく美女雀士は、いかにして麻雀の世界に足を踏み入れたのか、ロングインタビューで迫る。(前後編の後編)

【写真】家庭では2児の母、瑞原明奈の私服撮り下ろしカット&インタビューカット【10点】

――瑞原さんが麻雀を始めたきっかけを教えてください。

瑞原 大学時代に1年間海外に留学したんですが、帰国した時に入居したマンションがたまたま、CSチャンネルが格安で見られたんですよ。それでザッピングしていたら、麻雀番組がやっていて。それを見て「ちゃんと覚えてみたいな」と。

――それまでに麻雀をやったことが少しでもあったとか?

瑞原 全然です(笑)。ただ、父が麻雀好きなんですよね。それが頭のどこかにあったのかもなって思います。あとは麻雀牌の感じとか、打ってるときのカチャカチャっていう音だったりとか、最初に興味を持ったのはそういう視覚的だったり聴覚的な部分で、ゲーム性を理解し始めてさらにハマった感じでした。

――今で言う「観る雀」(みるじゃん ※将棋の「観る将」のように、自身はプレーせずに対局観戦を楽しむファン)だったんですね。

瑞原 私は完全に「観る雀」出身ですね。Mリーグも視聴者数がかなり増えていますけど、その頃は周りに麻雀番組を見ている人なんて誰もいませんでした。だから本当に、自分一人だけで楽しむものでしたね。

――たしかに20代前半の女子で、わざわざCSに契約してまで番組を見る、というのはなかなかないですよね。

瑞原 今Mリーグがこうやって盛り上がって、SNSなんかでいろいろ意見交換したり、今はコロナの問題があって再開できていないですけど、パブリックビューイングでみんなが会場に集まって一緒に応援できたりするのは「10数年前に私が夢見てたような世界がやってきた!」という感じでうらやましいですね。

――当時のCSの放送対局では今Mリーグで戦うプロの方たちも活躍していましたが、観る雀時代に好きだったプロの方とかはいますか?

瑞原 いっぱいいますよ、ふふふ。誰のことを言おうかな(笑)。

――最初に好きになった麻雀プロは?

瑞原 最初に好きになったのは、土田(浩翔)さんなんですよ。土田さんがいなかったら私はこんなに麻雀好きになってなかったかもしれないですね。これは初めて告白するので、ぜひ載せてください(笑)。

――へえー、こう言っては失礼ですが若い女性としては渋くて意外な人選です(笑)。土田さんと言えば、Mリーグでユーモアたっぷりの解説も大好評のベテラン麻雀プロですが、どういうところに惹かれたんですか?

瑞原 私が観る雀だったときって、土田さんが放送対局でめちゃめちゃ強かった時期で。何て言うか素人目でも変というか、実況解説の人たちも「なんでそんな選択を?」っていうようなことがことごとくうまくいったりするという。セオリーだったり確率だったり、人の言う事じゃなくて自分がこう思う、っていうことを貫いて麻雀を打っている感じがとても好きでした。

そういう意味では、タイプは全然違うんですけど佐々木寿人さん(Mリーガー・麻雀格闘倶楽部所属)の麻雀もすごく好きです。殴られても殴られて立ち上がるボクサーみたいで、芯の強さを感じるというか。おふたりとも自分の信念があって、それに基づいてまっすぐな感じがしたんですよね。

――そう言われれば、雀風は全然違いますが、共通点がある気がしてきました。

瑞原 私、大学を卒業後一般企業で働いているときに、そのおふたりのことを社内ブログで書きこんだこともあって(笑)。「CSのMONDO TVの麻雀番組で、特におすすめの選手です! こういう麻雀を打つんです!!」って(笑)。

――麻雀ファン以外は置いてけぼりですけど、布教活動をするくらい好きだったと(笑)。

――さてその後、念願かなって大好きな麻雀のプロ試験に合格するわけですが、ファンには周知ですが瑞原さんは2児の母である「ママさん雀士」でもあります。仕事と家庭の両立について聞かせてください。

瑞原 実際のところ、難しいと思います。麻雀プロは基本的に対局に出てもお金はもらえないし、むしろ払わなきゃいけない。で、たとえば自分が対局に出るために子供を保育園に預ける、というようなことがあると、お金が出ていく一方で、家族の負担を増やして自分は好きなことをやっている、という風にもなるわけで。Mリーグは年俸制の、いわばお給料が出る形の仕事なので、それはやっぱり家族に対して一つの説得力にはなるんです。

だから私たちみたいなママさん雀士にとっても、業界がMリーグをきっかけに、プロがもっと対局でお金をもらえるように変わっていけば、プロ活動を続けていきやすくなる、とは思いますね。これはママさんに限らず誰にとってもそうなのですが。個人的には、旦那さんがお休みの日限定で仕事をしたり、家庭にとって無理のない範囲で調整して対局に出たりしていたので、幸い、家族から活動に対して反対されることはこれまでなかったです。

――そういう風に活動の幅が狭くなっても麻雀プロでいたいと。

瑞原 結局、なんで麻雀プロをしてるの? っていうと、麻雀が好きだからなんですよ。プロでいることは、麻雀と離れずに生きていきたいという私の望みの大義名分みたいなもので。辞めようと思ったことも、プロにならなきゃよかった、と思ったこともないですね。

――だとすると、産休、育休という事情もありましたが、Mリーグ以外の対局やリーグ戦になかなか参加できない状況はストレスフルだったんじゃ?

瑞原 それはそうだったんですけど、でもそれは子供の手がかからなくなってからでもいいかなって。今できないだけで、べつに一生できないと決まってるわけじゃないから。できないことを考えるのは精神衛生上も良くないですし、できる範囲のことをやっていくのが、長く続けていくためのポイントかなって思ってます。やっぱり、麻雀と一緒で何事も「押し引き」が重要なんです。

――なるほど。ではあとは、お子さんを立派な「観る雀」に育てるだけですね。

瑞原 それが私が出てる対局もあんまり観ていないんですよ(笑)。私が観ようと思ってMリーグをつけても「またまーじゃん~? アニメ観たいんだけど~」って。ママが麻雀をやってるというのはわかってるみたいなので、今後「やってみたい」って言ったら教えてあげたいと思います(笑)。

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