トヨタが初の手放し運転を可能に 「レベルよりも安全を重視」

安心を前面に出すトヨタ、先進性を打ち出すホンダ──。自動車メーカーの自動運転が新たなステージへと上がった。

 トヨタ自動車が自動運転支援技術の新システム「アドバンスドドライブ」を高級車ブランド「レクサス」と燃料電池車「ミライ」に採用する。同社としては初となる高速道路での手放し走行が可能になり、アクセルやブレーキの操作をせずに車線変更や追い越しが可能になる。ただし、運転の主体はドライバーで、手放し運転中でも運転・システムを監視する責任を負う。

 自動運転では一つの目安として技術レベルが5段階に分けられている。トヨタが搭載した技術は「レベル2」。しかし同社のスタンスは「レベル競争よりも、どうすれば安心して使ってもらえるか」(執行役員の前田昌彦氏)。一方で今回のトヨタの技術は「レベル3に相当する完成度」(アナリスト)とも言われる。

 既にトヨタは特定の条件下での完全自動運転に当たる「レベル4」相当の自動運転車「eパレット」を東京五輪の選手村で選手や大会関係者らの送迎に向けて実用化する計画を進めていた。それでもトヨタはあえて「人に寄り添った運転」を強調する。

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 トヨタに先立って日産自動車が19年にレベル2の市販車を投入済み。さらにシステムに運転を任せてドライバーは前方を見ずにテレビなどを見れる「レベル3」を実用化したのがホンダ。同技術を搭載した高級車「レジェンド」は1100万円で100台のリース販売限定だ。

 欧州メーカーがレベル3に該当する技術を発表していたが、実用化には至ってなかった。その中でホンダが世界初の販売へと漕ぎつけた意義は大きい。「自動運転でも欧米に引けをとらないことを世の中に打ち出すことができたからだ」(関係者)

 ただ、米グーグルなどのIT企業は「レベル4」の実用化に前のめりだ。中国に至っては運転手が乗らない完全自動運転車の試験走行を開始。市販化に慎重になれば自動運転の争いで後れをとるリスクもはらむ。

 安全性と利便性。自動運転が持つこの両面のバランスをどうとるか。自動運転が進化していく上で欠かせない要素となる。

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