【財務省】財政審が建議取りまとめ議論 歳出改革の道筋打ち出せるか

20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議は日本時間4月7日夜、テレビ電話会議を開き、新型コロナの長期化に苦しむ途上国支援を継続することで合意した。債務返済猶予の期限の再延長や、途上国による国際通貨基金(IMF)からの資金引き出し枠の拡充などを決定。麻生太郎財務相は会議後の記者会見で「包摂的な具体案を示すことができた」と強調した。ただ、新型コロナの感染収束の時期はいまだ見通せず、途上国のみならず、巨額の財政支出を講じている先進国でも財政悪化は不可避な情勢だ。

 こうした中、有識者で構成する財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は7日に分科会を開き、建議(意見書)の取りまとめに向けた議論に着手した。会合で財務省は国債発行の総額が2019年度の148兆円から20年度と21年度はそれぞれ200兆円を超えると説明。委員からは「新型コロナ対策は真に支援が必要な人に限るべきだ」など歳出改革の必要性を訴える声が相次いだ。建議は6月に取りまとめる政府の骨太方針に向けて歳出改革の道筋を打ち出せるかが焦点となる。

 だが、全国で新型コロナの感染者数は4月に入り急増し、政府は東京都や大阪府などに「緊急事態宣言の一歩手前」(麻生氏)の蔓延防止等重点措置の適用を決定。麻生氏は「コロナの影響で厳しい状況の人には引き続きできる限り支援していく」と述べており、営業時間の短縮を余儀なくされる事業者やその取引先、子育て中の低所得者世帯への支援など、政府による追加財政支出は当面続きそうだ。

 今秋までに衆院解散が予定されており、財務省幹部は「選挙対策でじゃぶじゃぶだろう」(主計局)と歳出改革に諦め顔。省内では「矢野主計局長は官邸のポチ」(同)と恨み節も出るなど、放漫財政にブレーキがかかる気配は希薄だ。