米IBMは現地時間の5月6日、2nmプロセス技術による世界初の半導体チップの開発に成功したと発表した。

この非常に微細な2nmプロセスによる半導体チップでは、指の爪ほどのサイズのチップに最大500億個のトランジスタを搭載できるようになるとのこと。面積当たりのトランジスタ数の増加はコンピューティング処理の速度や効率の向上につながる。同社はこの2nmプロセスのチップで、現在の実用最先端プロセスである7nmプロセスと比べ、45%高いパフォーマンス、75%低いエネルギー使用量を達成できると見込んでいる。

  • IBMの2nmプロセスで製造された半導体ウェハ

    IBMの2nmプロセスで製造された半導体ウェハ

IBM曰く、この2nmプロセスによる半導体チップが量産実用化されれば、携帯電話のバッテリー寿命は4倍、充電が4日に1回で済むようになったり、より高機能で高速なラップトップPCが実現できたり、さらには世界のエネルギー使用量の1%を占めるデータセンターの二酸化炭素排出量を削減できるといったメリットも生むだろうとしている。

  • ウェハの拡大写真。切り出す前のチップが並んでいる

  • 2nmプロセスのSEM写真

同社の半導体プロセスの技術開発では、2017年の時点で5nmデザインのマイルストーンが発表されていた。