「“最先端技術”をいかに一般社会に付与できるか…」RDS代表・杉原行里が思い描く未来とは?
笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの新番組「DIGITAL VORN Future Pix」。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。5月1日(土)の放送は、株式会社RDS代表でWebメディア「HERO X」編集長の杉原行里(すぎはら・あんり)さんをゲストに迎え、お届けしました。


(左から)杉原行里さん、笹川友里



◆テクノロジーを一般社会にいかに付与できるか
杉原さんは、英・ロンドンのレイベンズボーン大学でプロダクトデザインを学び、現在は、F1チーム「スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ」のオフィシャルパートナーをはじめとしたモータースポーツ事業やロボット事業を手がけています。

また、これらの事業で培った技術を活かし、アスリート向けのチェアスキーや車いすレーサーなどを開発。センシング技術を活用した身体の可視化によるプロダクト(製品)のパーソナライズ化を進めています。

こうしたさまざまな事業で生まれたテクノロジーを「一般社会にいかに付与できるか。それを僕たちはプロダクトにして表現しています」と杉原さん。その最たる例が「RDS WF01」です。こちらは車いすの姿をした乗り物なのですが、「僕たちはこれを『車いす』ではなく『モビリティ』と呼んでいる」と言います。

その意図について、「“脚に不自由を抱えた方が乗るものが車いす”という定義だと思うんですけど、僕たちも乗りたいものを作ればいいんじゃないかと。車いすという言葉をなくして“モビリティ化”をするには、みんなが“乗りたい!”と思うようなデザイン性や機能性を持っていないと、多くの人の心は動かないので、それをWF01では体現しています」と説明します。

それを裏付けるかのように、毎年イタリアで開催される世界最高峰の国際デザインコンペティション「A’ Design Award & Competition 2020」で、RDS WF01がカテゴリー最優秀賞となるプラチナを獲得するなど、世界でも高く評価されています。

◆独自性の強いメディアを運営する理由
杉原さんが編集長をつとめる「HERO X」(2017年6月創刊)は、“福祉”“プロダクト”“スポーツ”という3つの柱を軸にコンテンツを発信する、RDSのオウンドメディア(自社で管理しているメディア)です。

そのコンセプトについて、「スポーツや医療、テクノロジーなどの分野で、あまりフォーカスを当てられてこなかったヒーローがたくさんいるんです。そういった方たちにスポットライトを当てて、いろいろなお話を伺っていくメディアです」と紹介します。

実際に記事を読んだ笹川が「どのメディアも、今ホットなものを一番に扱うので大体同じような内容の記事が並ぶなか、『HERO X』はかなり独自色が強くて、初めて目にする記事がほとんどだったので驚きました」と感想を告げると、杉原さんは「『HERO X』は半歩先を行っています」と胸を張ります。

杉原さんが自ら数多くのインタビュー取材に出向いており、「(インタビューは)めちゃくちゃ楽しいです。最先端の方たちが子どものような表情でいろいろなお話をしてくれるんですよ」と笑顔をのぞかせます。

また、杉原さんいわく「HERO X」でフィーチャーした方たちには共通点があるそうで、「不特定多数のお会いしたことのない人たちの未来を“なんとか良くしたい”という思いは全員一致していて、『HERO X』を始めてから特に“世界は捨てたもんじゃない”と思うようになりました。点と点がどんどん面になっていくような感覚に近いです」と話します。

◆杉原行里が注目しているテクノロジーとは?
杉原さんが最も注目している技術は、自社が開発しているシーティングシミュレーター「RDS SS01」。人間は、人生のおよそ3分の1は座っているそうで「最適なシーティングポジションって、知らなくないですか? 本来は人間がプロダクトに合わせるのではなく、プロダクトが人間に合わせていく。その未来はすでにきていて、その1つが“座る”なんですよね」と語ります。

車椅子陸上アスリートの伊藤智也選手を開発ドライバーに迎え、車いすレーサー「RDS WF01TR」を開発していたときのこと。杉原さんはこのプロジェクトを通して、「人間って最適なシーティングポジションによって、発揮できるパフォーマンスが大きく変わることがわかりました。しかし、それはアスリートだけの話だけでなく、日常生活を送る私たちにとってもシーティングポジションは大事なんです」と声を大にします。

また現在は国立系の病院と共同開発をしているそうで、「データをどんどん蓄積し、アルゴリズムを構築しながら一般社会に付与できたら」と意欲を語ります。

さらに、RDSは追尾型歩行解析ロボットの開発にも着手しており、“身体の可視化”を進めています。「要は“自分の体を数値化して、ちゃんとデータで知りましょう”と。その未来はすでにきており、このテクノロジーは非常に注目しているエリア」と杉原さん。

“身体の可視化”が実現するまであと数年と見込んでいるそうで、これにより「ECサイトの買い方も変わってくると思います。自分のデータにどんどん基づいていくようになるので、趣味趣向だけでなく、自分の体に合ったものが提案される」と予見します。そして、「これから生まれてくるスタートアップや、まだ世の中でそこまで注目されていないスタートアップにも未来を描いている企業がたくさんあるので、面となって一緒にやっていけたら」と展望を語りました。

次回5月8日(土)の放送も、引き続き杉原さんが登場。モビリティの未来についての話が聴けるかも!? どうぞお楽しみに!

<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00~20:30
パーソナリティ:笹川友里
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/podcasts/futurepix/