【株価はどう動く?】2021年7―9月までにマネーバブル相場の最初の天井が訪れる?

米国株の過熱には注意が必要
 今の相場の出発点は、日経平均で見るとコロナショックを受けた2020年3月19日の1万6358円で、そこから上昇が始まっています。ニューヨークダウも、同じく3月下旬から上昇しました。

 波動から見て、日経平均の高値を探るとどうなるか。長期の波動で見ると、出発点はリーマンショックを織り込んだ09年3月10日の7054円です。

 これまで、この連載では戦後5回の大相場があったと解説してきましたが、そのうち4回は出発点から5倍以上になっています。その点を踏まえて、長期波動から見た、日経平均の目標値は3万5000円近辺となります。ニューヨークダウも7000㌦台から上昇して、すでに3万3000㌦台を付けていますが、こちらも3万5000㌦近辺が目標値となります。

 今、ニューヨーク市場ではバイデン政権の合計300兆円にも及ぶ景気対策を織り込む相場が続いています。

 昨年3月からの上昇ということで、この4月で約1年続いていますので、早ければ4―6月、遅くとも7―9月に当面の天井、高値を付けるのではないかと見ています。

 高値を付けた後、急落して大幅な調整となるのか、あるいは次の上昇相場のための小休止となるのかは、現時点ではまだわかりません。

 長期ではリーマンショックを織り込む09年3月から、短期ではコロナショックの昨年3月から株価は上昇し、それが米大統領選でのバイデン氏勝利で勢いが加速しています。それに連動して日本の株価も上昇している状況です。

 ですからニューヨーク株が大幅な調整となると、日本株も売られることになります。この後、ニューヨークダウ、ナスダックの株価が過熱すればするほど要注意です。

 7―9月に向かって株価が上昇する要因は、米国の強烈な景気対策が効いて、個人消費、企業の投資が伸びるからですが、一部予想では米国の4―6月のGDP(国内総生産)が、少なくとも6%程度の上昇になるのではないかと見られています。

 私は先日、資産運用会社・ウィズダムツリー・ジャパンの元CEO(最高経営責任者)のイェスパー・コール氏と対談をしましたが、コール氏は米国の4―6月のGDPについて10%の成長でもおかしくないという見方をしていました。また、三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所長の嶋中雄二氏は、米GDPは6%程度の上昇と見ています。

 このことから見て、今後コロナ発の米国株高の当面の〝フィナーレ〟がやってくる可能性があります。コロナ以来、「コロナバブル相場」、バイデン勝利による「マネーバブル相場」の1回目のピークが早ければ4―6月、遅くとも7―9月に訪れて、その後調整に入ります。

 下落が大きくて調整が長引くか、押しが浅く、一時的な調整で終わるのかは、今後バイデン政権が景気対策をさらに行うかどうかで左右されることになります。

「コンドラチェフの波」の下降期に入った今…
 重要なのは、2020年という年が「特異点」、つまり大きな転換点だったということです。日本の宇宙開発の父とも呼ばれる糸川英夫氏が『「復活」の超発想』(徳間書店)という著書の中で「コンドラチェフの波」を研究、分析した結果を紹介しています。この波は50~60年に1回やってくるとされていますが、糸川氏は上昇する30年と下降する30年という周期だとしています。

 著書の中で糸川氏は1990年をコンドラチェフの波の下降期の到達点、特異点だとしています。ここでは次の新しい30年に向けたパラダイムシフトが起きるわけですが、実際に東西冷戦が終結、日本ではバブル経済が崩壊しました。

 そうすると90年から上昇が始まったわけですが、30年後に当たるのは2020年です。ここが上昇のピークだということになります。ですから私は糸川説から、早い時期に20年には何かが起こる可能性があると予感していました。何があるかはわかりませんでしたが、実際にはコロナ禍が起きたわけです。
 
 20年が特異点だとすれば、ここを境に世界と日本は大きく変貌、パラダイムシフトが起きることになります。

 日本では長らく続いたデフレが終わり、いよいよインフレの時代に向かいます。世界的には超低金利が終わって金利上昇の時代に入ります。

 そして冷戦終結後、世界はデタント(緊張緩和)の時代でしたが、これ以降は国際的な緊張の時代に入っていきます。米ソ冷戦ならぬ「米中冷戦」の時代の到来です。

 このバラダイムシフトの中で、コロナを乗り切るための強烈な財政出動と金融緩和は続きます。ですから短期的には前述のように米国株はコロナバブル相場の当面のピーク、天井がやってきますが、中長期サイクルの日米株高は続きます。

 しかしながら、1年以上上昇している米国株は大幅な調整の可能性もありますから、その時には早めに現金比率を高めて、次の相場に備えることが個人投資家にとって重要になります。

 コンドラチェフの波を別の視点で捉えると、上昇期は「物質文明」でした。ですから日本はモノづくり大国となり「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と謳われました。
 
 21年からは次の下降期が始まっているわけですが、この時代は情報通信革命が進化し、「精神文明」に向かいます。

 この中では「MAGA」、「FAGA」はもちろん、人間の知恵、マインドに関するビジネスを拡大する企業が台頭し、次のMAGA、FAGAが生まれるでしょう。その余波は日本にも訪れることが予想されます。