人事システムは、人事部門の業務を効率化するツールです。人事業務は人事・給与系と人材マネジメント系の業務があり、各業務に対応した機能が備わっています。今回は、そんな人事システムの機能について詳しく解説するとともに、人事システムの導入メリットについてもまとめました。

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人事システムとは

人事システムとは、人事部門の業務に必要なデータを一元管理し、人事業務全体を効率化するシステムのことです。2016年(平成28年)1月にマイナンバー制度の運用が始まり、情報管理の必要性から、従業員規模を問わずニーズが高まりました。

人事システムの役割は、主に人事・給与系の定型業務効率化と人材マネジメントへの有効活用の2種類です。現代では、人材を経営資源ととらえる考え方が一般的で、従業員の能力向上を目指すHRMやHCMの実現に向けて、人事システムを活用する企業も増えています。

HRM(Human resource management)とは、人的資源管理・人材マネジメントのことです。HCM(Human Capital Management)は、人材を経営資源ととらえ、企業内の人材情報を一元管理する経営手法やシステムを指す言葉です。

人事システムは主に2種類

人事システムは人事・給与系と人材マネジメント系の2種類に分かれます。また、人事システムは、各業務単位で製品化し、自由に組み合わせて使えるタイプと、全機能を統合的に持つタイプがあります。2種類のシステムにはどのような機能が含まれているかを確認し、自社に必要な機能はどれかチェックしましょう。

1、人事・給与系のシステム

人事・給与系の業務は、定型業務の負担が大きい点に特徴があります。従業員の勤怠管理データから給与計算・給与明細を発行、人事労務管理で従業員や役所と書類のやり取りなど、どれも作業量の多い定型業務です。

人事・給与系のシステムは、これらの業務に使用する人事データを一元管理し、定型業務の多くを自動化して人事・給与系業務を効率化します。人事・給与系に分類される人事システムの機能は以下の通りです。

1 勤怠管理

従業員の勤怠データを管理する機能です。従業員は勤怠状況を入力して申告し、上長が承認するのが基本機能です。

2019年4月より「働き方改革関連法」が摘要され、客観的な方法での実績管理が求められています。そのため、ほとんどの勤怠管理機能は、ICカードやPCの電源オンオフ・Web打刻など客観的な方法で勤怠状況を入力できる仕組みを取り入れています。

また、従業員が法律に則った勤務を行っているかを、上長や人事部門が確認する管理機能の提供も、勤怠管理の重要な役割です。管理機能では、36協定(さぶろくきょうてい)・4週4日の休日などの規定に違反している従業員がいる場合、アラートを出して是正を促します。

また、勤怠データは人事系の他システムに連携しやすいよう、CSVやテキストデータとしてエクスポートできる機能を備えているのが一般的です。

2 人事労務

従業員の住所やマイナンバーなどの個人情報管理、該当する制度や福利厚生の利用に関わる申請・手続き・承認などを一括管理する機能です。健康保険や厚生年金に関わる手続きは、従業員だけでなく役所への届出も発生します。

人事労務機能は、従業員の各種手続きだけでなく、役所への届出もすべて電子データでやり取りし、業務の大幅な効率化を実現する機能です。

3 給与計算

給与計算機能は、従業員の勤怠データと連携し、支給額・控除額を計算して給与明細を作成するとともに、給与の口座振込までを自動化する機能です。給与だけではなく賞与・年末調整・健康保険や年金関係などお金に関するデータを一括管理します。

社会保険料や税額の計算に使用するマスタデータは毎年変化するため、人手で反映するだけでも大変な作業でした。クラウド型の人事システムならマスタデータの変更もサービス提供者側で行うため、業務負担はさらに軽減されます。

2、人材マネジメント系のシステム

人材マネジメント系のシステムは、採用管理・人事評価・教育研修を管理する機能と、人材の能力を管理する「タレントマネジメント」機能があります。各従業員の能力やスキル、業務知識を一元管理し、経営戦略に沿って人材を活用できるようサポートするのが人材マネジメント系システムの役割です。

1 採用管理

採用管理機能は、採用活動業務を一元管理する機能です。応募者の個人情報および選考関連の情報、採用スケジュール等の情報を一括で管理し、人事部門で共有できるため効率のよい採用活動ができます。

応募者や選考の管理、採用スケジュールなど採用活動の業務を一元管理できます。また、リファラル採用(従業員が応募者を紹介する採用方式)やタレントプール(自社に必要な人材情報を中長期的に管理するための情報蓄積)などでも活用できます。

2 人事評価

全従業員の業績情報・評価情報を一元管理します。人事評価機能を活用して、適材適所の人事配置やポジション管理を行い、企業の組織力強化や従業員のモチベーション向上を目指します。

3 教育・研修

従業員への教育や研修の受講履歴や成績を一元管理する機能です。従業員個別に必要な教育・研修の分析を行い、教育計画を策定することで、企業の人材育成をサポートします。

4 タレントマネジメント

タレントマネジメントは、他の機能で収集した従業員の能力やスキル・実績を一元管理する機能です。社内に求めるスキルを持っている人材を探す際の検索機能や分析機能を備えています。

人事・給与系と人材マネジメント系の機能について解説しました。次に、すべての人事業務機能を統合的に備えている人事システムが提供売る基本的な機能を紹介します。

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人事システムの基本的な5つの機能

人事業務を網羅する人事システムが一般的に提供している5つの基本機能について解説します。

1、人事情報管理

従業員の人事情報を一元管理する機能です。管理される情報は以下に分類できます。

種別 管理する情報の例
個人情報 マイナンバー・住所・生年月日・入社年度・職位
スキル情報 取得資格・業務経験・表彰歴・教育受講・成績の履歴
勤務状況 勤怠情報・休業歴

個人情報は労務管理機能、スキル情報は教育・研修機能や人事評価機能、勤務状況は勤怠管理機能と連携して情報を蓄積する仕組みです。管理している従業員情報は、他の業務機能で活用されます。

2、人事評価

人材マネジメント系のシステムで紹介した人事評価機能と同様です。人事業務を統合管理する人事システムでも基本的な機能として提供されます。

3、収集した人事情報の分析

収集した人事情報を分析して、レポートにまとめて出力する機能です。現在、従業員のスキルはどのような分野が多いのか、将来的に必要となるスキルの取得状況はどうなっているかなど、気になる情報を可視化します。

本機能によって、分析結果に基づき、新卒採用や中途採用計画を立て、必要となる人材を集中的に採用して強化する、といった戦略も可能となります。

4、要員配置

要員配置機能は、従業員の人事情報から、必要なスキル・経験を持つ従業員を選出して、社内で必要な人材を調達するための機能です。求めるレベルの従業員がいない場合は、社外から人材を調達するなど次善の対応もスピーディに進められます。

5、給与計算

人事・給与系のシステムで解説した給与計算と同じ機能です。繁雑な定型業務を自動化し、給与計算業務の負担を軽減します。

人事システムは、ここまで紹介してきたさまざまな機能によって、人事業務の効率化と人材活用の両方を目指せるツールです。最後に、人事システムを導入するメリットについて解説します。

人事システム導入のメリット6つ

人事システム導入のメリットを6点紹介します。

1、業務効率の向上と人事担当者の負担軽減

人事システムを導入することにより、人事業務の多くの部分で、業務効率を向上でき、結果として人事担当者の負担が軽減します。

例えば労務管理なら、毎年年末調整の書類を紙で従業員に配布して記入済を回収。さらに役所に提出しなければならず、全業務の完了までに多大な時間がかかっていました。

人事システムを利用すると、従業員とのやり取りも役所への提出もすべてシステム内で完了。提出の遅れている従業員も一覧ですぐに発見・フォローできます。

2、入力ミスの防止

人事部門は、勤怠データや給与計算に必要な集計・各金額の計算など、細かい計算が必要な業務が数多くあります。給与計算の方法も、パターンが多く複雑な企業もあり、計算ミスを出さないようにするのもかなりの労力が必要です。

人事システムでは、これらの計算や集計をすべて自動化します。人事部門で手計算をする必要もなく、必要な情報はすべてシステム間連携で調達できるため、人事部門での入力ミスを防止できます。

3、迅速で戦略的な組織作り

従業員のスキルを把握して傾向と対策を練りやすくなるため、スピーディに戦略的な組織作りを推進できる点も、人事システム導入のメリットです。今後の社会情勢などを見据えた計画的な組織増強計画を立てるだけでなく、現在の従業員に対しても、継続的な人材育成が可能となります。

4、統一基準での選定や評価が可能

人事評価については評価者の感覚に頼ることが多く、不公平感を抱く従業員も少なくありませんでした。人事システムでは、人事評価基準を統一基準として公開し、評価者がその基準に則って人事評価を行うため、より公平な人事評価が可能です。

5、セキュリティ強化

従業員の個人情報管理には、高度なセキュリティ管理が必要です。人事管理システムは、アクセス制御による個人情報へのアクセス制限や、操作ログの記録などのセキュリティを高める機能によってセキュリティを強化します。

6、法改正にも迅速に対応可能

スピーディに法改正などへの対応ができる点も、人事システム導入のメリットです。働き方改革や労働基準法の改正など、人事業務に関連する法律や税制などの改正は頻繁に発生します。社内の制度も追加・修正・廃止などがあると、勤怠管理のルールや給与の自動計算ルールも変更しなければなりません。

法改正に対して、人事システムは柔軟に対応できる仕組みを用意しています。特にクラウド型の場合はサービス提供者側で対応するため、利用者は常に最新の状態でシステムを継続して使用できます。オンプレミス型の場合も、データベースのマスタデータを修正するだけである程度の対応は可能となるよう配慮されています。

人事システムを選ぶポイント

人事システムを選ぶ際に確認したいポイントは以下の通りです。

1、人事業務のどの範囲をシステム化するか

人事システムは、製品によってカバーする業務の範囲が大きく異なります。従業員情報の管理・給与精算・労務管理・人事評価・採用管理などをどこまでシステム化したいかを明確にしてから、必要機能を提供する製品を選んでください。 同シリーズの製品を組み合わせて必要分の機能を選択できる製品もあります。シリーズ製品は、必要な機能だけを取捨選択できるため、コストも最適化できる点がメリットです。

2、操作しやすいか

人事システムは、従業員全員が利用するため、操作性も重要視したいポイントです。多くの製品では無料プランや無料トライアルを用意しているため、比較したい製品の操作感は全て試して、より操作しやすい製品を選びましょう。 操作性のテスト時は、特にITシステムを使い慣れていない従業員にも試してもらい、使いやすいかどうかを確認するとよいでしょう。

3、他システムとの連携がしやすいか

人事系のシステムをすでに導入している場合は、そのシステムとの連携ができるかどうかも重要な確認ポイントです。CSVファイルの入出力に対応していれば、多くの場合は連携可能です。既存システムと同シリーズの人事システムがある場合は、シリーズを揃えるとスムーズに連携できます。

人事システムの種類や機能を確認して自社に合ったものを選ぼう

人事システムには、人事・給与系と人材マネジメント系の2系統があり、定型業務の効率化や人材の活用に役立つ機能が多く提供されています。マイナンバーの管理や客観的な勤怠データの管理などの影響で、人事システムは企業に欠かせないシステムとなりつつあります。

すでに社内では勤怠管理システムだけ導入している、という場合は、個別機能単位で導入できるクラウド型のシステムを導入するのもひとつの方法です。また、統合的な人事システムに刷新するほうが効率のいい場合もあるでしょう。

人事システムの導入を検討する場合は、以下より製品資料を入手して各製品の特徴確認などにお役立てください。

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